身体論の解体と再構築 7

ヒトの皮膚の最表層は圧力刺激を受けたり、

紫外線を浴びると、ATPを放出する。

このヒトの皮膚の最表層で放出されたATPは

メッセンジャーとして皮膚の最深部に

伝達される。

ATPはこのように情報伝達分子として

機能していることがわかり、ホルモンとしての

働きがあることが判明している。

では、ヒトの皮膚は最表層で

受け取った圧力と紫外線をATPに変換して、

皮膚の最深部に何を伝えようとしているのか?

紫外線はDNAを傷つけ体内に活性酸素を増やす

いわば環境からのストレッサー刺激だ。

また圧力は細胞の構造にユガミを生じさせる

これも環境からのストレッサー刺激だ。

皮膚の最表層の細胞は環境から生体に対してストレスになる

ストレッサー刺激が加わったことを、

皮膚の最深部へと伝達している、と私は分析した。

つまりストレス応答としてATPが皮膚で放出されて

皮膚で情報処理がなされている、とみなせる。

とするとATPというホルモンの捉え方が

また変化してくる。

ATPはこれまでの常識では細胞活動のエネルギー通貨という

固定概念しかなかった。

ATPはだからエネルギーという見方だけだったといえる。

そこにこれまでのATP観とは異なるATP=ホルモン(情報伝達分子)

という概念が加わったのだ。

ATPがホルモンとして機能しているのなら、

では、このATPホルモンの目的は何なのか、を知りたくなる。

例えば膵臓から分泌されるインスリンには、

血液中の糖分を全細胞に分配するという血糖値を下げる目的がある。

また副腎から分泌されるアドレナリンには血糖値を上げて、

血圧を上げて闘争と逃走に最適の体内環境にする目的がある。

あるいはこのアドレナリンと拮抗的に作用する脳下垂体や

腸や皮膚や卵巣や睾丸や心臓や血管壁で産生される

愛と幸福のホルモンのオキシトシンには、

その名の通り血圧を下げて血流を増してヒトに多幸感を

もたらす目的がある。

このようにホルモンにはそれぞれに目的があり、

また標的器官と呼ばれる特異的な受容体をもつ

作用する場が存在する。

このホルモンの一般的な目的や作用機序をATPに

適用したら、ATPホルモンの真の目的や作用機序が

見えてくるはずだ。

皮膚の最表層で放出されたATPは皮膚の最深部に

圧力や紫外線が襲来したことを知らせるシグナルとして

作用したと私は解釈し、ストレス応答ホルモンとして

ATPを位置づけた。

だとすれば、一日に体重の1.4倍もの膨大な量が

ヒトの全細胞から産出されるATPは、常に

身体全体に何らかのストレスが加わっているから

気をつけろ、と命令しつづけているのか?

わたしはこの仮説があながち間違っているとは思えないのだ。

酸素は生命誕生の当初、今から38億年前の地球大気には

なかった分子だ。だから絶対嫌気性微生物にとっては

酸素は猛毒なのだ。この酸素が地球大気に増えだしたのは

シアノバクテリアが地球の海に増えて光合成で

シアノバクテリアが二酸化炭素を酸素に変えて放出した頃だ。

それから15億年をかけて海底の鉄イオンが酸化鉄となって

海底に一掃されると、地球大気の酸素濃度はグングンと

上がっていった。12億年前に嫌気的な生命体と

好気的なバクテリアがどうもドッキングしたようだ。

この嫌気的&好気的ドッキング生命体がわたしたち真核生物の

ご先祖様となったのだ。

この流れでいけば、ある意味、酸素は環境から与えられた

ストレッサー刺激のなかではかなり強力な侵害刺激、

いや最高度に危険なストレス因子として作用したはずだ。

この酸素という酸化毒性の強い分子を鉄イオンを使って

吸着して、ミトコンドリアのなかで鉄イオンを含む酵素の

酸化還元反応により水と二酸化炭素とATPに変換できたから、

嫌気的&好気的ドッキング生命体は酸素濃度の上がった地球で

これまで生きのびてこれたのだ。

酸素という猛毒が体内に侵入していることを知らせるために、

ミトコンドリアはこれまで12億年もの長きにわたり

ATPを作りつづけたのか?

ミトコンドリアはATPというホルモンを使って、

全身の細胞に酸素という猛毒が侵入したことを伝えつづけて

いたのか?

地球に生きるバクテリアたちはオートインデューサーという

分子を分泌する。このホルモンのようなオートインデューサーという

分子を使ってバクテリアは仲間たちとコミュニケーションを

とるのだ。そしてバクテリアの周囲のあるオートインデューサーの

濃度が一定以上に達すると、合意に達したと判断されて、

このバクテリアのコロニー(群れ)は一斉に

今度は新たなオートインデューサーとなる特別な酵素や分子を放出する。

このようなバクテリアの分子的なコミュニケーション作用を

クオラムセンシングと呼ぶ。

ミトコンドリアはかつては好気的なバクテリアだった。

ミトコンドリアもまたクオラムセンシングで仲間と交流していても

なにも不思議ではない。

つまりヒトの体内でコロニーを作ったミトコンドリアは

ATPというホルモンを使ってクオラムセンシングに

すべてのミトコンドリアとコミュニケーションをとっていた!

のかもしれない。

いや、ミトコンドリア同士だけではない。

ミトコンドリアと細胞がATPをホルモンとして交流していたのだ。

ヒトはミトコンドリアが生み出す膨大なATPというホルモンの

なかに浮かぶ存在だ。

このATPという繭(まゆ)、バリアーのなかにいさえすれば、

たとえ酸素が侵入しようと、圧力が加わろうと、

紫外線が降り注ごうと、ヒトは健康に生きていられるのだ。

ヒトはミトコンドリアが生み出すATPホルモンに

守られた存在だ。

スポンサーサイト

2017.02.16 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

kouhakudou

Author:kouhakudou
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR