ミトコンドリアと鉄

今から約25億年前の原生代、

生物はまだバクテリアしかいない地球の酸素濃度は、

現在の酸素濃度のたった10万分の1だった。

地球は23億年前と7億年前と6億5000万年前の

少なくとも3回、地球表面がシャーベット状にすべて凍る

全球凍結(スノーボールアース)を経験している。

このジェラードのような地球が溶け出すたびに、

地球の酸素濃度は上昇した。

それと同時に27億年前に誕生したシアノバクテリアが

光合成をセッセとすることで、海中の酸素濃度は

上がりつづけた。

6億5000万年前の三度目の地表のアイスが溶けた後頃に、

エディアカラ生物群と呼ばれる植物と動物の両方の

性質を兼ね備えたような軟体動物の祖先のような

生き物たちが地球の海に出現した。

このエディアカラ生物群に特徴的なのは、

コラーゲン繊維が作れるようになったこととされる。

コラーゲン繊維とはタンパク質に他ならないが、

コラーゲン繊維の生成を後押ししたのが酸素濃度の上昇

だそうだ。ちなみに、ディッキンソニアという

ナメクジのお化けのような生き物は、そのコラーゲン繊維で

体表を覆い、なんと体長が1メートルにもなった。

さて、ここからは、ザックリと猛スピードで話を進めよう。

地球の酸素濃度はエディアカラ生物群の出現後は、

上がり続けたが、恐竜の栄えた中生代ジュラ紀には、

現在の三分の二、60%〜70%にまで落ちこんだ。

これはこの時期の化石からわかるように大規模な森林火災など

がこのジュラ紀の酸素濃度の低下の原因とされる。

そんなこんなの酸素濃度のアップダウンを経て、

いま現在の大気中に占める酸素濃度はご存知のように20%だ。

ヒトの肺は吸うときにのみ酸素が入るが、

恐竜の末裔である鳥の肺は少し変わっており、

吐くときにも肺の後ろにある予備タンクのような仕掛けから、

酸素が供給される。

この仕組みは恐らくは酸素の少なかったジュラ紀あたりに

開発されて、末裔である鳥類へと受け継がれたのだろう。

おっと、ネタが散らばって、余談が過ぎた。

さてさて、話をザックリと進めたいのだが、

やはり少し込み入ってきた。失礼。

では、ここからはキモをメインに進めよう。

食べ物などの包装袋には、最近では必ず

エイジレス、酸化防止剤が入っている。

ちなみに「エージレス」は三菱ガス化学の登録商標の

専売商品のようだが、この中身の主成分は鉄粉だそうだ。

鉄は酸素と化合して酸化鉄になる。

その鉄がもつ酸素と化合する特有の性質を利用して、

それを食品の包装袋に入れておけば、

食品は酸素による酸化から守られて、

色や味や匂いの品質の劣化が防げて、

フレッシュさを維持できて、カビからも守られる、

というのが鉄粉をもとにしたエイジレス、酸化防止剤のキモだ。

実はこれと同じことをわたしたちの身体もやっているのだ。

エッ? わたしたちの身体のなかにエイジレスがあるの?

はい、ちゃ〜んと、あるんですね!

そのヒトの体内にあるエイジレスとは、つまりは鉄元素だ。

例えばヘモグロビン。これは赤血球のタンパク質ですが、

このヘモグロビンの内部には鉄元素が4つあり、

その4つの鉄元素の2つが酸素分子を吸着し、

1つは一酸化窒素を、もう1つは一酸化炭素を吸着します。

このヘモグロビンが酸素を吸着して、血管壁で守られた

51億本の毛細血管を含む約9万6000キロメートルの

血管パイプラインのなかに酸素を「封じ込め」て

酸素が直接に他の細胞組織に触れないようにしているから、

わたしたちの身体は酸化してしまわないのです!

そしてヘモグロビンは最終的に細胞に酸素を渡しますが、

細胞内には鉄元素が充満したミトコンドリアがおり、

ミトコンドリアは細胞核の回りにクモの巣のような

ネットワーク構造を築いて細胞内に侵入した酸素を

かたっぱしから吸着して、細胞核DNAが酸素に触れて

遺伝子が酸化してしまわないように、

完璧にガードするバリアーとなるのだ。

これぞまさにホントウの「鉄壁の守り」!

さらにスゴイのは、ミトコンドリアはこの鉄元素を抱えた

タンパク質で出来たチトクロム酵素の酵素反応を駆使して、

必須栄養素と酸素と光エネルギーを使って、

ヒトの活動の源のエネルギー源であるATPを生みだし、

酸素を脱酸化酵素で無毒化して、水と二酸化炭素に変換してしまう。

つまり、わたしたちの身体は血液中のヘモグロビンの鉄元素と

ミトコンドリアのなかのチトクロム酵素の鉄元素の

鉄によるエイジレスによって酸化防止されているのだ。

「鉄元素=人体の酸化防止剤・説」

これまたノーベル賞候補(笑)ハリィーの

前稿の「肺は酸素のデトックス器官・説」に

次ぐ、アヴァンギャルドな新説だ。

酸素はご存知のように反応性の高い非常に危険な分子だ。

いわば毒だ。

この毒性の強い酸素が地球の生命進化に陰に陽に影響し、

地球生命史を陰で操り翻弄してきた。

その酸素の酸化毒から我が真核生物ドメインを守ってきたのは、

他でもないその体内に存在した酸素を吸着する鉄元素や銅元素だった。

そしてやはり真核生物の誕生を促したミトコンドリアの祖先との

12億年前からの共生が真核生物にとっての

一大革命となったことは間違いない。

真核生物はミトコンドリアに、そして鉄元素に守られた

ドメインだった。

ミトコンドリアに、そして鉄に感謝!

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2017.02.01 | | コメント(3) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

コメント

もちろん

今さんにナーカオ賞はすでに用意されております。

2017/02/01 (水) 12:08:44 | URL | 中尾勇人 #- [ 編集 ]

えっ、マジで?


そいじゃあ、ノーベル賞をもらう前に

先にナーカオ賞を頂きます(笑)

「ミトコンドリアは細胞の酸化防止剤」

この超わかりやすいキャッチフレーズを思いつくのに、

かれこれ25年余もかかってしまった。

だから、このキャッチフレーズには、

それだけの重みがある。

人体には何と1京8000兆個もの天然のエイジレスが備わっていた!

たぶん人体を振るとカサカサと音がするね(笑)

そのミトコンドリアというエイジレスがあるからこそ、

酸素濃度の上がった毒環境と化した我が地球で

真核生物は繁栄を極め、生き延びてこれたのだ。

まことにミトコンドリアなるエイジレスの発明、いな

ミトコンドリアとの共生が無くば、

いまのわたしたちはここに存在しない。

ノーベル財団の重鎮、審査員さんは、

でもここのコンテンツを読んではいないだろうな。

っていうか、単なるナイナイ尽くしの思いつきだし(笑)

2017/02/01 (水) 13:23:16 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

う〜ん、このブログのアクセス数の上げの勢いが止まらない。

ここ10日間あまり、連日、ヨータン百賢+うん十人を更新しており、

時に軽く150を超えてきている。

内容はかなりハードなものが続いているにも関わらずだ。

いわゆるバタフライ効果が、顕著になってきたのか?

真相は暗在系だが、ここ一番、ふるって記事を書いていきますので、

どうぞ常連読者の皆々様、今後ともご贔屓のほど、お願い申し上げます。

2017/02/01 (水) 20:39:10 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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