アナーキー
ようやく寒さが本格化してきた。
地球温暖化という詐欺的用語が聞かれて久しい。
しかし地球史で言えば260万年前から始まった
私たちが生きる今の時代、つまり新生代は
10万年の氷期と1万年の間氷期を繰り返す
氷河期のトレンドにある。
たまたま現在までの1万年はその比較的温かい間氷期に当たっていた。
だから、もしもホントウに地球温暖化が進行しているのなら、
たいへんに喜ばしいことだ。なにしろすでに温かい間氷期のサイクルは
終わりを告げようとしているのだ。いつなんどきとても寒い氷期の
サイクルに入っても不思議ではない。
そしてもしも氷期に入ってしまったら、
アッという間に人類は絶滅してしまうのでは、
とホントウの事を知る者たちは今、戦々恐々としている。
そんな時にもしも突発的な地球温暖化が進行しているとしたら、
これほどラッキーなことはないのだ。奇跡と言ってもいいだろう。
あとどのくらい地球温暖化で温かさが保てるのか?
できれば300年くらいこのままでいてほしい、と思う。
そうして、なんとか今のくだらない地球破壊文明の舵を、
地球共生文明の方向へと軌道修正したい。
そのために必須となるのは人類の意識の向上だ。
数日前に都会へお出かけして、バーゲンを見て回り、
本屋に立ち寄った。
本屋では最新刊を2冊購入した。
今、それを読み始めている。
その一冊は土壌菌とヒトの常在菌をフラクタルに俯瞰した論説だが、
昨年はじめに私がとある機関誌に寄稿した論文と内容が
おもいっきりシンクロしていることに少しビックリしている。
そして、この本が刊行される前にわたしの論文が公開されていた、
ことに少し晴れがましい気分になった。
俺もトレンドにしっかりと食いついているではないか!
いや、それは機関誌の編集長がそうした先見の明があるという証左だ。
そんな編集長に見いだされている私はなんと幸運か。
幸運といえば、バーゲンでは、それなりに気に入ったものが手に入った。
着たきり雀で、わたしの普段着はいつも同じものばかり。
それで今冬の定番は、穴の開いたズボンに、穴の開いたセーターに、
穴の開いたニットキャップの、穴開き3点セット。
これがほんとのアナーキー(笑)で、寒さが本格化してきたので、
ここにさらに穴の開いたフード付きのトレーナーが加わって、
アナーキー四天王のコーディネートが完成した。
ただし、これは治療院との往復用の人目を憚る日常着。
ひとさまに遭遇する場合用の服は、それなりのものを揃えたい。
ただでさえ、私は胡散臭いと思われる自由業、いや自営業者だ。
だから、地元のスーパーで買い物をする際にうっかり地元の常連クライアントと
遭遇した時に、もしもアナーキーが炸裂した状態だと、
クライアントにご迷惑をかけてしまう。
だからヨソ様に遭遇するヨソ行き用には、それなりの服をあつらえたい。
ということで、適当な値段の適当な服がバーゲンで入手できた。
ラッキー!
嫌いという方も多いようだが、自分は服屋の店員さんとお喋りをするのが
好きだ。おもてなしの下手な店員さんもままあるが、
だいたいはみんなヨイショがうまい。
それにほいほい乗せられるカモだと奥方は見ているようだが、
まあその通りかもしれない(笑)
ファッションは自己表現のひとつであり、その起源は7万年前にさかのぼる。
衣服が発明されたのは7万年前だが、身体の皮膚へと鉱物質の
色を塗るペインティングをはじめたのはさらに20万年前くらいまでさかのぼる。
身体装飾という儀式は人類の根源的欲求だ。
痛みのある部位を鍼で刺して血止めの煤を塗り込んだ。
それが身体装飾の入れ墨、タトゥーの起源と言われる。
鍼治療は微妙に身体装飾の歴史とリンクする。
わたしが今使っている長さ5センチ直系0.16ミリの寸61番鍼では、
出血が起こることはめったにない。
だから血止めの煤を用意する手間もない。
皮膚に微少な穴を開けて皮膚内に鍼が侵入すると
皮膚のマクロファージであるランゲルハンス細胞がその手指である
樹状突起を伸ばして鍼を触れるか、
もしくは鍼で分泌されたヒートショックプロテインを受容する。
するとヒートショックプロテインを受け取った皮膚ランゲルハンス細胞は、
「うわっち! 外敵が侵入した、 えらいこっちゃ、
ヘルパーT細胞の親分に、 速く連絡しなきゃ、 アカンでぇ〜!」
と活性型に変化することで、自然免疫系と獲得免疫系の免疫システムの全体が
色めき立つ。皮膚に穴を開けるアナーキーな仕事は、
まさに最強免疫への道なのだ。
さあ今日もアナーキーな出で立ちで、
アナーキーな仕事に立ち向かおう。
2017.01.11 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 養生クリエイター
