鍼治のこと 5

以前にスマスマという番組にゲストで出演した笑福亭鶴瓶さんが、

ドラマ撮影の折りに腸捻転を起こしてお腹が痛くて唸っている時に、

そのドラマの共演者の木村拓哉さんが、

「鶴瓶さん、そういう時は、このゴウコクがイイんですよ」

と言いながら、鶴瓶さんのゴウコクを揉み続けてくれて、

嬉しかったというエピソードを披露していた。

これを見た私はもちろん、ウンッ? なにーっ、何だって!

とかなりのインパクトを受けたことを記憶している。

あの国民的アイドルが救命救急時に普通に活用しているツボ。

それがゴウコクなのだ。

キムタクは何でゴウコクの凄さを知っているのか?

お付きの鍼灸師でもいるのか?

詳細は不明だが、スマップ解散の騒動の中で、

彼の評判は今一のようだ。

そうした事情に詳しくないので、彼の人間性うんぬんは

わたしにはわからない。

しかしドラマの共演者が腹痛で唸っている時に、

かたわらに寄り添い、ゴウコクを押し続けたその所作は、

まぎれもない隣人愛の証左といえよう。

こんな芸当をサラッとできるなんてキムタクも捨てたもんじゃあない。

と私は思いますがね。

それで、そうした緊急時だけでなく、普通の時も含めて、

では、素人がゴウコクを使いこなすには、どのように操作したら良いか?

のチマタのツボ本に記載されないレアなアドバイスをしておきます。

あのね、ようは、ただモミモミしても、あまり効果は期待できません。

桜井戸の灸では、100回、200回と灸を据え続ける。

わたしの置鍼法では、鍼を打って最低でも30分間はそのままにしておく。

わたしがみるところ、このような持続的な強刺激がゴウコクには必要だ、

と睨んでいるわけです。

ですから、ただゴウコクを素人按摩でモミモミしても、

それはやはり弱刺激で、ゴウコクのなかに棲むランゲルハンス細胞には、

ヒートショックプロテインがヒットしそうもありません。

そう、とにかくヒートショックプロテインを産生してランゲルハンス細胞に

ヒートショックプロテインというプライミング分子をヒットさせなければ、

その後のヘルパーT細胞から始まる一連の免疫システム全体の活性化が

実現できません。

ですから、もしも、押したり揉んだりするだけで、桜井戸の灸法や、

ハリィー流の鍼治法と同じ効果を出したければ、

こうしてゴウコクへと45度ほどの角度で谷底いやツボ底へと指を入れたら、

グーと押して、ちょっと痛いくらい痺れるくらいの圧をかけて、

そのままジッと押し続けるのです。

ようは持続圧をかけて弱刺激ではない強刺激を与えるのです。

時間にすると最低でも30秒、少なくとも1分間ほどは押し続けます。

こうすればゴウコクのランゲルハンス細胞に皮膚と血管壁で発生した一酸化窒素や、

皮膚や筋肉で発生したヒートショックプロテインがヒットできます。

一酸化窒素もヒートショックプロテインと同様に

マクロファージを活性化する分子の筆頭です。

あるいは脳内鎮痛ホルモンのβエンドルフィンも、このゴウコクへの持続圧で

脳内に分泌されてくるでしょう。

ゴウコクを指圧して鍼や灸と同じ効果を出したければ、

いつもより強く長く押してみる。

こんなちょっとしたコツも知ると知らぬで大違い。

でも、これも加減がありまして、あまりに痛いのは、やはり良くありません。

気持ちいい持続圧を目指してください。

キムタクは、鶴瓶さんのゴウコクをどんな風に押したのでしょうか?

アタシがもしもお付きのお抱え鍼灸師だったら、

こんな押し方を伝授します。



普通の解説ならばゴウコクの古典的な主治症(しゅちしょう)の

病名症状を列記するという古典コピペの万番煎じ論を展開する

ところですが、そうした定型パターンを踏襲しないで、

自分なりのゴウコク論が今回の「鍼治のこと」シリーズでは、

達成できました。



メジャーなたったひとつのツボに読者のみなさまが興味を持つことで、

鍼灸指圧の素晴らしさに開眼するキッカケになりますれば、

まことに嬉しい限りです。



ゴウコクは汲めども尽きぬ命の源泉。

どうもご精読ありがとうございました。





※ 12月の残りの営業スケジュール

休日は 11日の日曜日、 12日の月曜日
             19日の月曜日
             26日の月曜日 の4日間です。


23日の天皇誕生日と
25日の最後の日曜日は、
どちらも営業いたします。


年末年始のお休みは、12月30日から1月3日まで、となります。

県外は 宮城県、千葉県、茨城県、埼玉県、東京都、神奈川県、
    山梨県、長野県、愛知県、三重県、岐阜県、福井県、
    奈良県、大阪府 から、

国外は アメリカ、ドイツから、これまで多くのクライアント様に
ご来院頂いております。

カリスマ間近(笑)の「鍼灸指圧 光伯堂」を、
是非、御利用くださいませ。


光伯堂 TEL 0548ー22ー8740




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2016.12.10 | | コメント(4) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

コメント


ツボ押しの極意、ありがとうございます。

以前、何かで、ゴウコクへの刺激は強めに、手首の方に押すというのを読んで、

ムキになってしまったようで、近くの血管を刺激して腫らしてしまい、

素人には難しい「ツボ押し」を実感しました。

最近はお灸をしていたのですが、

やっぱり、根気よく、100回、200回なんですね。

何事も簡単なことなんてないのは当たり前ですね。

それにしても、鍼と指圧の併用なんて、極楽! 羨ましい!

2016/12/10 (土) 21:26:00 | URL | あるご #yNvNoxY. [ 編集 ]

あるごさん、ハリと指圧のゴージャス併用コース、今度、来院した時にぜひ振る舞わせて頂きますね。

ゴウコクの鍼は、慣れると、かなり気持ちいいですね。

もっとも鍼とはそういうものですが。

鍼は痛い、怖い。コレって最初は、西洋の注射のイメージですよね。

それで面白いことに西洋の注射器は実は江戸期に来日した西洋の異邦人が日本の管鍼法を見て、

その見聞が欧州に伝えられて、それをヒントにあの注射器が開発された、という逸話もあります。

回り回ってのネガティブイメージなんですが、取りあえず鍼は痛くない、怖くない、ということを熱烈アピールしていくべきですね。

ゴウコク。このごくごく当たり前で有名なツボ。取穴(しゅけつ)も、それほど難しくない。

人差し指をなぞって肘の方へと滑らせて、親指から滑らせたラインとの接点付近で押して響くところをゴウコクと定める。

そうしてゴウコクが見つかったら静かにそこへと斜めに反対側の手の親指を沈めるように押して。

ズーンと響く位置で留める。その時に、そのまま強押しだと痛いので、

時々、ちょっと浮かす。で、また沈める。これが指圧による鍼の操作術の応用法。

こんな指圧のなかに運動法も入れながら、もちろん、ズーンと押したままというのもありで、

痛くない気もちいい加減を目安に長押しすると、一酸化窒素とヒートショックプロテインとβエンドルフィンが、

ランゲルハンス細胞やマクロファージのトールライクレセプターにヒットして、プライミングが起こり、

ヘルパーT細胞へと免疫活性化の指令が届き、そこからカスケード反応に免疫系の全体が動き出す、という

仮説を皆様にこれから立証していただきたくお願い申し上げます。

ゴウコクへの置鍼は、ノドにズキッと違和感が来る風邪の最初期に施すと、ほぼ完璧にこの症状を消退できてしまうエビデンスを私は自分の身体で獲得しています。

そこから帰納して、では日常的にゴウコクへの鍼をしていれば、風邪をあらかじめ未病治できるのでは、の実験を今秋冬からスタートしています。

ゴウコクは、高血圧、脳充血、動脈硬化などの脳の血管系の疾患症状へも効く、と主治症に記載があります。

また半身不随、頭痛、皮膚病、ノドの痛み、口腔内の腫れ、眼疾患全般、耳の聞こえなどの耳疾患、喋りがうまくない時などなど、

非常に多岐に渡る疾患群に有効とされます。

これほど多様な疾患群がたったひとつのツボで治せるのか?

もしも治せるとしたら、それはゴウコクを縦横無尽に使いこなせた場合に、という但し書きがつきそうです。

ゴウコクの別名は虎口。

手の親指と人差し指で半円を作ると、たしかに虎が口を開けた姿にソックリです。

そのちょうど虎の口の奥の位置にゴウコクが見えてきます。

虎の穴はタイガーマスクですが、

虎の口にはタイガーマスクならぬハリィーがいます(笑)

2016/12/11 (日) 04:49:13 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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2016/12/11 (日) 08:57:56 | | # [ 編集 ]

千葉県からお越しのKさんへ


先日は遠方からお車でご来院頂きまして、まことにありがとうございました。

初体験の指圧2時間、もみ返しもなく、息子さんにも満足頂いたようで、嬉しい限りです。

息子さんのお仕事が、今風のクリエイティブな仕事だと聞いて、とても興味がそそられました。

ものを創り出す、生み出す、というおおもとの粘土の型をつくる。

素晴らしいご職業ですね。

ご質問など、あれば非公開、でも公開でも、なんでも聞いてください。

また機会がありましたら、当院へお越し下さい。

心よりお待ちしております。

2016/12/12 (月) 06:02:44 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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