竜の教え 5

凝りを25年以上触りつづけていると、

凝りの声が聞こえるようになります。

凝りはうまく指圧してあげれば、

凝り自身が自分で動いて自分で柔らかくなります。

まるで凝りは生き物にそっくりです。

その凝りという生き物が動くさまは、

ボコボコとグニャリとモゾモゾと

ビリビリとトントンとパンパンと

ポーンッとドドドドドドッカーンと、

そんな擬音語、擬態語で表現できるようなそんな動きです。

例えるなら伝説の奇獣、神獣の竜の動きに似ていると実感します。

ある一点の凝りのなかに眠る竜が動き出すと、

その竜は凝りから抜け出して全身へと駆け巡っていきます。

肩を押しているのに、足先が動きます。

腰を押しているのに、手先や肩が波打ちます。

足を押しているのに、顔が表情を作ります。

一点の凝りが解消されることで全身の凝りが解消されます。

身体はどこもかしこもすべてつながっているのです。

松尾芭蕉が「三里に灸すゆるより」と奥の細道で語ったことで

有名になったツボに足の三里(あしのさんり)があります。

膝下のスネの最上部で前脛骨筋の起始部にツボをとります。

ここを押すとズーンと膝から足先に響くツボです。

この足の三里というツボも、竜が潜む名所です。

肩の肩井(けんせい)が天の竜なら、

足の三里は地の竜が棲むと見立てると面白そうです。

この地竜の眠りを覚まし地竜を天竜や他所の竜たちと飛翔させるには、

それなりのコツがいります。

足の三里の竜をおびき出すには指先の意念のコントロールが必須です。

足の三里に沈めた親指に意識をしっかりと乗せます。

その意識を今度はスーッとまずは患者の腹部、胃部まで持ち上げます。

眼で自分の意識を誘導すると、うまくいきます。

そうして胃からの気の流れを足の三里へと引きます。

気は上虚下実(じょうきょかじつ)が理想的は配分です。

つまり身体上部の気は軽めの濃度で、

身体下部の気は重く充実していると、人の身体は気的にバランスが取れます。

これを温度的に言うと頭寒足熱(ずかんそくねつ)といいます。

身体下部にあるべき気が身体上部に上がってしまうことを、

のぼせる、などといいます。

目まいをはじめ、あらゆる身体上部の不定愁訴の原因のひとつが、

気の上衝(じょうしょう)です。

こうした身体上部に上がってしまった気を引き下げる時に、

足の三里への指圧は非常に有効なのです。

だから足の三里を押す時には身体上部にあがった余分な気を

もう一度引き下げる、そういう意念が大事です。

気を引く意念のコントロールとは、このような所作をいいます。

足の三里で竜が目覚めると、また非常に面白いドラマが展開します。

とくによく見られる現象が顔の表情筋がよく動くことです。

顔の表情筋の動きと膝の下の凝りに関連がある、などとは通常医学では教えません。

しかし、顔の筋肉の凝りは足の三里を押すことで揺さぶられるのです。

こんな不思議な凝りの世界、みなさんも生まれてはじめて聞いたことでしょうね?

でもすべて事実です。

そして、それは毎日、我が治療院で展開する命のドラマです。

足の三里はうまく押すと、胃が蠕動運動をはじめます。

胃の蠕動運動に伴って胃壁から分泌されるホルモンにグレリンがあります。

グレリンにはミトコンドリアの数を増やすミトコンドリア増強作用の

エビデンスが確認されています。

またグレリンには脳に対する活性化作用もあります。

こうしたグレリンの作用を知らなかった松尾芭蕉も、

実はグレリンの恩恵にこうむっていたのです。

足の三里はたいへんにメジャーなツボです。

しかし自分で押しても、なかなか気持ちいい感じが出ません。

それでも散歩をするだけでもココが刺激されることは間違いありませんから、

散歩=足の三里の刺激=グレリン分泌=ミトコンドリア増強=脳機能活性化、

で芭蕉アスリート並みの脚力・体力・知力が獲得できるかもしれません。

宝物はまさに足の下ならぬ膝下三寸、自分の体内にあったのです。

奥義、爆公開中(笑)

さあ、今日も忙しい!

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2016.08.11 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

コメント

足三里を押してみると

始めまして。
貴重な情報をいつもありがとうございます。

ツボ押しは自己流で
その日に気になったところを押しています。
足三里は自分ではとても押しにくいツボだと思います。

親指で押すと
うまくできず心地良くないので
両手をグーにして足三里をゴリゴリやったり、
叩いたりするとなかなかいい感じです。

腸がキュルキュルと鳴ります。
足の指がなぜか開きます。
そして押すことをやめると膝から下が、足の裏まで
とてもだるくなるのです。
不思議です。




2016/08/13 (土) 15:39:38 | URL | chatmoon #- [ 編集 ]

chatmoon さんへ


はじめまして、そして、ようこそ養生ワンダーランドへ(笑)

はい、仰る通り、足の三里というツボは自分の親指では、なかなか垂直圧をかけにくいポイントです。

わたしは、手の親指以外の四指をピッタリと揃えて合わせて指の第二関節で折り曲げて、

カギのような形を作り、その四指のライン全体を足の三里付近に当てて、

折り曲げた膝へ当てた四指ラインを脛骨内側に包み込むように引っ張るように押す、

なんて方法をやる時があります。

これだと、かなりの強圧をかけることができます。

強圧だけでなくソフトに押して、徐々に足首に向かって揉むオプションも効きます。

ツボワンダーランドは、本当に不思議で奥深く面白いですよね。

どうぞ、エキセントリックな本ブログを今後もご贔屓にお願い申し上げます。

2016/08/14 (日) 00:14:52 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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