竜の教え 4

今回のリオ・オリンピックで最初の

日本人金メダリストになった競泳の荻野公介選手は、

乳酸研究の最前線でアスリートにとって最もふさわしい身体の使い方を覚え、

今回の金メダルを獲得していることを、まずは報告しておきます。

荻野選手は練習中に、過去5年の五輪アスリートの

ゴール後の血液中の平均乳酸濃度15ミリモルを軽々と超える21ミリモルを

叩き出し、「自分が努力している証し」と大喜びしたエピソードが

今オリンピック開催直前の2016年8月4日付きの

中日新聞の科学欄で特集されました。

乳酸は糖を大量に使った後の新たなエネルギー源なのです。

糖も乳酸もともに枯渇した時に、実は最も疲労感が高まり、

その時にはすでにどちらのエネルギー源もないので、

ラストスパートすらできません。

ラストスパートは文字通り、糖がなくなり、

最後の切り札である乳酸ストックを使い切ってしまう

本当に1回きりの一世一代のラストチャンスの賭けなのです。

さて、そんな分子レベルの世界に思いを巡らせつつ、

リオ五輪を観戦すると、また楽しみも倍加しそうです。

選手達の最後の粘り、その時に乳酸という貴重なエネルギー源が

最高のパフォーマンスを演出しているのです。

以前にもこのブログで特集しましたが、

ヒトの体内各部で作られて代謝される乳酸の一日当たりの量は、

① 皮膚  35グラム
① 赤血球 35グラム
② 脳   30グラム
③ 筋肉  19グラム
④ 大腸  10グラム

となっています。

糖がよく利用される部位に乳酸が多いということですから、

皮膚や赤血球で一番よく糖が利用されて、次ぎに脳で大量に糖が使われて、

やっと3番目に筋肉で糖が利用されると、いった程度です。

特別に筋肉でばかり大量に糖が利用されて乳酸が大量に合成されている

わけではない、ことはこれを見ればすぐにわかることです。

こうした基本的なデータの検証もないまま、

これまでの100年間をマンネリズムに

「筋肉の凝り=乳酸」とイメージしてきたのですから、

ほんとバカも休み休み言ってね、と呆れてしまいますよね。

そもそも凝りは動かす筋肉よりも動かさない筋肉によく発生します。

どういうことか?

例えば肩こりは肩部分の一点、特に肩井(けんせい)というツボに

よく発生しますが、この辺りの筋肉は普段は特に動かしません。

手を支え、首を支えている、そうした支えの働きがメインです。

もしも乳酸が筋肉を使った疲労の結果生み出されるのなら、

一番よく使う筋肉部位にこそ凝りが出るはずです。

例えば手の指などは本当によく使いますから、

手の五指の筋肉に最も凝りが発生してしかるべきです。

しかし指の凝りを日々、強く実感する者が果たしてどれだけいるでしょうか?

そんなこんなで、実は凝りは、まだまだ未知な病態なのです。

凝り竜はいったい何をわたしに語ってきたのか?

いや〜、凝りって、ほんと不思議なシロモノですね。

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2016.08.11 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

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