温食一番
ヒートショックプロテインについての圧縮版論説 ←ご参照ください
本記事冒頭に貼り付けたのはトリニティウェブに昨年に掲載されたわたしの記事で、
ヒートショックプロテインにフォーカスしたものです。
今読んでもたいへんによくまとまっており、普遍性のあるコンテンツと
なっておりますので、復習を兼ねて熟読の程、お願い申し上げます。
この記事の前の記事では、ネバネバヒートを特集し、
そこですでに冷たいモノの制限、凍質制限については言及しております。
人類が誕生して約700万年、脊椎動物が誕生して約5億年、
生命が誕生して約38億年、生命が冷蔵庫というシロモノを
使用する事はこれまで一度もありませんでした。
いったいいつから冷蔵庫なる機械を使うようになったのでしょうか?
考えてみれば本当につい最近まで人間は冷蔵庫なしで、
生きてきたのです。わたしたちの祖母や祖父の時代には、
まだ冷蔵庫はそれほど一般化しておりませんでした。
だから井戸水で冷やしたスイカ程度の冷たさ(約15度)が、
その当時の冷たいモノでした。
いま冷蔵庫で冷やすと4度までキンキンに冷たくなります。
冷凍庫から出してすぐのアイスなどがカタマリのまま腸にまで届けば、
0度以下の温度がストレートに腸管の内壁絨毛を直撃します。
アイスのカタマリの溶けていく融解熱に伴って
腸管上皮の温度は急激に奪われて、腸管上皮のミトコンドリアの
機能が一気にシャットダウンします。
腸管内壁にはパイエル板、パネート細胞などと呼ばれる免疫細胞が集積したポイントが
あります。ここがアイスの冷たい直撃で破壊されると、
腸管マクロファージの前線部隊が壊滅し、この部位から腸内細菌をはじめとする
あらゆる異物が侵入してしまいます。
ことほどさように、腸管を冷やすことは恐ろしいのです。
とはいえ、冷蔵庫が普及した時代、冷たいモノの美味しさを知った者に、
まったくそれを止めろ、というのは酷です。
だから冷たいモノを摂取したら、
必ずバックアップで温かいモノをフォローしてあげる。
この温熱おもてなしフォロー精神で、今夏を乗りきりましょう。
ヒートショックプロテインという言葉は、
実は『温・食・一番』と読み替え可能でした!
温かいモノを食べるのが免疫を守るには一番いい、を英訳すると
ヒートショックプロテイン?!
これも言霊の神からの贈り物かもしれません。
中国養生の歴史では、お腹つまり懐(ふところ)を温かい石で温める療法を
温石(おんじゃく)と称しました。この言葉が懐石料理の語源です。
懐石料理もまた「温・食・一番・料理」と言い換えが可能かもしれません。
むかしのひとは本当に偉い!
「お腹だけは冷やしてはいけない」を口癖のように言っていましたからね。
夏でも温かいモノだけを摂取する。
これでもいいんです。自分は基本、これです。
暑いときに飲む自分の常連さんのお茶農家さんの自園自製の深蒸し緑茶を
熱いお湯で淹れて飲むとき、まったくもって五臓六腑に温熱ヒートショックが
しみわたり、得も言われぬ快感に浸ります。
温・飲、温・食、ヒート食があなたの腸管免疫を守ります。
2016.06.27 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 免疫強化
