究極の免疫力 4

「TLRは Toll - Like receptor の略で、樹状細胞やマクロファージなどの細胞の表面に存在しています。『 Toll - like 』つまり『 Toll のような』という意味のネーミングですが、Toll はもともと、ショウジョウバエでカビに対する感染防御を行っている遺伝子として発見されました。この遺伝子Toll と似た構造をした遺伝子から作り出されたタンパク質がTLRです。TLRの形は非常におもしろく、壁に額縁をぶら下げるときに使うフックにそっくりな形をしています。使われ方も壁のフックにそっくりで、フックを壁にねじ込むねじの部分に相当するアミノ酸が細胞膜に埋め込まれ、細胞の外側が『何かひっかけて〜』といわんばかりのフック状をしています。専門家はこれを『馬蹄形細胞外領域』といっています。このフック部分がパターン認識を行っています。TLRのフックに細菌が近づくと、2個のフックで外来異物を引っかけるのが特徴です」 
            中西貴之「なぜ体はひとりでに治るのか」技術評論社



アウトサイダーである鍼灸指圧師の今村光臣が俯瞰するに免疫学において、

いまもっともホットな領域と思われるのがマクロファージや

樹状細胞の働きの解明です。

そのマクロファージや樹状細胞の働きのなかで俄然、近年になり脚光を

浴びている機能が、マクロファージや樹状細胞の細胞膜にあって、

異物をとらえて、異物を認識しその性状を判断するトールライクレセプター、

TLRと呼ばれる受容体の機能です。

マクロファージはこれまでは、マクロ(大きい)とファージ(食べる)と

いうギリシャ語を組み合わせた「大食い細胞」という認識が一般的でした。

手当たり次第に異物を食べるだけのおバカな免疫細胞。

これがこれまでのマクロファージの一般的なイメージでした。

しかし、ネーミングがもたらしたマクロファージへの誤解は

すでに免疫研究の最前線ではとっくに汚名返上、名誉回復、

マクロファージのパラダイムシフトが始まっているのです。

マクロファージは実はTLRを使って異物を認識すると、

その情報をヘルパーT細胞という免疫システムの司令塔へと

伝達する重要な役目を担っています。

つまりどういうことか?というと、

ヘルパーT細胞はマクロファージからの情報伝達がなければ起動しないのです。

大胆に宣言するのなら、ヒトの免疫システムを動かしているのは、

実はマクロファージだったのです!

マクロファージにはTLRが9〜10種類ほどが装備されています。

そのそれぞれのフックで鍵と鍵穴になる特異的な分子をとらえて、

抗原を認識し、サイトカインを分泌することでヘルパーT細胞を起動します。

TLRはなんと細菌やウイルスのもつDNAを認識し、弁別します!

このTLRの驚異的な知性とも呼べる機能を発見したのは

大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授の審良静男博士です。

ウイルスも細菌もガン細胞もマクロファージに認識されることで、

免疫システムが総がかりで処理します。

だからマクロファージの活性を常に高くプライミング状態に維持することが、

免疫強化のキモとなるのです。

マクロファージをプライミングする分子の筆頭がヒートショックプロテイン、

食べ物などでは発酵食品の菌体成分が有力な分子です。

またマクロファージは鍼灸指圧で分泌が高まる一酸化窒素でも

よく活性化します。

鍼灸指圧とはマクロファージをプライミングする素晴らしき医療だったのです。

スポンサーサイト

2016.06.26 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 免疫強化

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

kouhakudou

Author:kouhakudou
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR