ぺろタン運動

東京大学医学部を卒業された解剖学者で、もと東京芸術大学・教授の

三木成夫博士をご存知の方はどのくらいいるだろうか?

生前に出版された三木博士が書かれた唯一の本が「胎児の世界」(中公新書)だ。

この本のなかには、わたしをずっと鼓舞し導きつづけてくれたある一節がある。

自分が明治維新ショックドクトリンで完膚無きまでにトンデモ視されるまで

貶められた現代日本の東洋医学界でなんとかモチベーションを

保ち続けてこれたのは、ひとえにこの本のなかの三木博士の一節の

言葉があったからだ。

ここまで正確に明治維新以降の日本の医学界を分析俯瞰し、

ニュートラルに正統に東洋医学を評価した識者をわたしは知らない。

間中善雄博士と同様に三木博士はわたしのドキュメント上の永遠の恩師だ。




生前にはたった一冊の本しか出版されなかった三木博士の本だが、

死後ますますコアピープルのあいだで注目度が増し、

今では数冊の三木博士の本が他社からも出版されている。

わたしが所持しているのは先の書の他では「人間生命の誕生」(築地書館)だ。

この本も含めて三木博士のコンテンツをすべて吸収するには、

相当のレベルが要求される。




それはさておき、この本のなかに舌の筋肉が横隔膜や腹直筋や肛門括約筋と

連動するという指摘がある。

古来から重視された呼吸(コツ)とは、このような運動器や腸管内臓を

うまく連動させることを言うそうだ。

ここのところ何を思ったのか私は

「ぺろタン運動」を熱心にエクササイズしている。

「ぺろタン運動」とは私の命名した造語だが、ようはロックグループの

老舗ローリングストーンズのアイコン(目印)であるあの「リップス&タン」

のベロ出しマークのように、自分の舌ベラをべー!とか、ぺろっ!と突きだして、

舌ベラを動かす筋群と神経を鍛えているのだ。

さらに昨日あたりから、横隔膜や肛門括約筋を連動する呼吸(コツ)を探っている。




三木博士のコンテンツのすべてを吸収することはとてもできそうもないが、

こうした自分なりの咀嚼でなんとか通常エクササイズにまで落とし込む。

それが自分にできる三木博士への恩返し、と思う次第です。




「ぺろタン運動」は、場所も要らない、道具も要らない「0円健康法」

舌と頭と首と肺と心臓と腕と腹と足は全部つながっている。

一箇所の運動で全身を刺激できるはず。



ただし、公衆の面前、ひとまえでやるにはかなり勇気がいる(笑)

鏡の前か、ひとのいないところでの実践を推奨します。

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2016.06.17 | | コメント(8) | トラックバック(0) | 身体操法

コメント

こ、これは、反応する部分が多すぎて何を書いたらいいかわからないぐらいの記事ですね。

三木成夫博士は、私の出身校の教授のようですが、恥ずかしながら初めて聞きました。この方の言説は本当に興味深そうですね!

口腔内、声帯の周りの自律神経に支配された筋肉群が、呼吸筋
やその他の部位に連動していることから、「声楽技術」というのがそもそも可能になるわけですが、(そうでなければ、自律神経で動く筋肉は全くコントロールできないからです)
私は、最近自分の学んできた声楽技術に関して、守破離で言うと、完全に離の段階にあり、一から自分の声楽技術を洗いなおして、体系付けたいと思っていたところなので、
このぺろタン運動にもすごく興味があります。

これから楽しみです!
いろいろ情報交換できたら嬉しいです。

2016/06/18 (土) 06:33:36 | URL | akechi #- [ 編集 ]

エラは肺と心臓と舌へ進化した


実に、akechiさん好みの記事でしょ?(笑)

この三木博士の直系の高弟が歯科口腔科医の西原克成博士で、

西原博士こそ言わずとしれたミトコンドリア・ブームを巻き起こし、

ミトコンドリアを一般化した先駆者のミトコンドリア博士です。

で自分は三木・西原ラインにイレギュラーに勝手に割り込んだアウトサイダー、異端児という位置づけになりますね(笑)

海外、特に米国で多い心肺同時移植がなぜ心臓と肺を一緒に移植するのかというと、

もともとは魚類時代のエラという呼吸器官が心臓と連動していたことに由来するそうです。

そしてエラの動きと口の動きも連動しますから、当然のこと舌ベラも心臓や肺とユニットを同じくする器官といえます。

実は東洋医学では心臓と舌を同一のユニットとみます。

進化発生学などまだなかった中医学の草創期にすでに心臓と舌をおなじユニットとみなしていた古代中医たちのその慧眼には敬服するしかありません。

舌の滑らかな動きはそのまま心臓や肺の健康度を表すのでしょうね。

逆に言えば舌を鍛えることで心臓や肺も鍛えることができるのでは。

いやそれだけでなく腹直筋や下腹部筋にいたるまで、もしかしたらぺろタン運動法の実践で鍛えることができるかもしれません。

姉が声楽家なので、声楽家がどんな風に声を出すのか?には少なからぬ興味はあります。

本当にのっている時の声はホール全体が声楽家の胸郭にスッポリと収まっている、そんな感じですよね。

エラは胸ビレの動きで開閉します。

だから胸ビレが進化した上肢の動きが舌や肺や心臓と連動します。

腹ビレは足に進化しました。

腹ビレは魚類の糞切りのために動き、かつ生殖のための補助器官です。

足の運動は腸管蠕動運動を活性化し、子作りのためのスタミナを供給するでしょう。

そして手足は体幹とつながりますから、手足の運動は結果として全身へと波及します。

体壁筋肉系と腸管内臓系がすべて滑らかに連動した時、自分でも思っても見ないパフォーマンスが実現するのではないでしょうか。

三木博士こそ体壁筋肉系と腸管内臓系の二相から生き物を俯瞰する視点を授けた恩師です。

まずはこのくらいのアウトプットで如何でやんしょ?

2016/06/18 (土) 13:36:56 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

体壁筋肉系と腸管内臓系がすべてが連動とは、
すごい世界ですね。それがまさに達人の領域ということなのでしょうか。

声楽の技術からいうと、実に舌自身もコントロールしにくい部位に入ります。というのも、特定の母音を発声するために、舌の動きはかなりの部分が限定されてしまうからです。

むしろ、その舌自体をなめらかに保つための枠組みがまず必要で、それが呼吸筋であり、呼吸筋が動かしているのが横隔膜で、おそらくは結果的に横隔膜の位置を良い場所に置くことが、母音を発声しつつも、舌をなめらかに保つ枠組みになっていると考えられます。

その呼吸筋を自由に使うために必要なのが、足の拇指球とかかと、そこに乗せていく重心の位置に秘密があるようで、それを目下研究中であります。
この身体感覚を鍛えるのに、自転車が思いのほか役立っておりまして、夜な夜な、10分だけ外に出てペダルを踏みに行く日々、妻やご近所さんに大変怪しまれております。

2016/06/20 (月) 14:38:08 | URL | akechi #- [ 編集 ]

テンセグリティー


な〜る、やっぱり、さすがにakechiさんの視点は非常に面白いですね。

その足の重心と呼吸筋と横隔膜と舌筋の緊張と統合はまさに、

バックミンスター・フラーとケネス・スネルソンが提唱した緊張と統合を組み合わせた造語のテンセグリティーの概念にかなり近い感じです。

フラー・ドームと呼ばれるサッカーボールのようなドーム型の構造体は炭素C60の構造と同じとされますが、

ナノレベルの炭素の構造とギガレベルの宇宙の大規模構造がまったくのフラクタルな相似形を示すのは、本当に不思議で面白いです。

こっちを引っ張ると、あっちの先っぽが反応する。

こういう考え方はフィッツゲラルド博士のゾーンセラピーと同じく鍼灸指圧の臨床ではごく普通の経絡的な思考癖です。

体壁筋肉系のなかで色んな緊張と統合により反射的な動きがあり、

この体表の大きな揺らぎが、腸管内臓系の体内へと連動的に波及する。

また腸管内臓の動きがまた体表へと波及し、体壁筋肉系へと連動的な緊張と統合を生じる。

そんな体表と内臓の寄せては返す波のリズムに、自律的な動きを与えるのが体表と内臓の合わせ目である口や舌と言えるのかもしれません。

気功では口のなかで舌の先を上口蓋へと付着させて天地の気をつなげる、などと言います。

ひとの声とはまさに天地の気が合した気と言えるでしょうね。

横隔膜と呼吸。この呼吸をコントロールする身体操術が古来からのヨーガや気功であるわけですが、

呼吸に関しては自分もまだまだ研究段階で確たる見識は持てないでいます。

気功のなかに亀の呼吸を理想とする、なんてのがありますが、亀っていったいどんな風に呼吸しているのでしょうね?(笑)

昆虫は気門というエアインテークを使って酸素を吸収しています。

今日またカブトムシの幼虫が2匹、サナギになる瞬間を目撃できました。

お尻から全身を波打たせ頭の方へとその波状の動きを伝播するリズムが

高まるのが、ひとつのサナギに脱皮するイニシエーションであることを発見しました。

まるで陣痛か、はたまたある種のエクスタシー。

きっとあの瞬間のカブトムシの幼虫の体内にはβエンドルフィンも分泌されているのだろう、などと思う次第です。

三木博士の本を紹介している本人が、また全編を再読したくなってしまい、また読み始めたところです。

今読んでみて、またどんな気づきがあるのか、とても楽しみです。

2016/06/21 (火) 00:26:53 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

内容が深すぎて、どこからどう書いていいかわからないですが、w

まずは、私の話からテンセグリティーを連想された今村さんは本当に鋭いですね。私が声楽技術において、夢の声楽技術として探して止まないのが、まさに、全身の最低限の緊張が統合して強力な枠組みを作るようなそんな技術であります。
歌声はとかく力で押して太い声か、へなちょこな声かどちらかになってしまう中で、技術として、そのどちらでもないものに至ることというのは、我々の夢なのであります。

>>体壁筋肉系のなかで色んな緊張と統合により反射的な動きがあり、 この体表の大きな揺らぎが、腸管内臓系の体内へと連動的に波及する。 また腸管内臓の動きがまた体表へと波及し、体壁筋肉系へと連動的な緊張と統合を生じる。
そんな体表と内臓の寄せては返す波のリズムに、自律的な動きを与えるのが体表と内臓の合わせ目である口や舌と言えるのかもしれません。


この部分と、またカブトムシの幼虫の波状の動き。
なんとも、インスピレーションに溢れていますねぇ。
私もその動きを観察してみたいです。
まさに生死に関わる振動、動きなんでしょうね。

呼吸についてもあまりに内容が深すぎて
簡単に書くことは出来ませんが、
私も呼吸に関して、数年勉強した程度で
わかったような態度をとる人がいることに反感を持っております。
呼吸は、呼吸法など、人口的なリズムでは
どうにもならないほど、深く自身の感情や魂の本質と関わっていると感じるので、無理にそれをコントロールすることを良いこととは感じないのであります。
これが本当にわかる人間は多分宇宙を理解できちゃったような達人だけではないかと、想像してしているので、
呼吸に関しては、私は、畏怖の念を持って、わかったようなつもりにならずに、一生モノとして扱っていかなくてはならないと思っているのです。

Kindle版が出ていたので、昨日「胎児の世界」を買っちゃいました。まずは一章を読みましたが、最高ですね!

2016/06/21 (火) 17:12:03 | URL | akechi #- [ 編集 ]

スピリチュアル シンクロ リーディング


ついに時空を越えて東京芸術大学のもと教授ともと生徒が出会い、

リアルに今ここで熱い講義が始まっている。

そのかたわらでなぜか鍼灸指圧師も同席して、その講義を横から拝聴している。

そんな感じですかね(笑)

普通に本で買っても、700円ほどのものだけど、

そのコンテンツの価値は、恐らくはウン億円級、

いやゼニで換算できるようなチャチなシロモノではありません。

実際、数行読んだだけでわかるひとにはわかるのが三木博士のコンテンツの凄味でしょうね。

でもこんな風に言うとやたらと難しくて読みにくいと思う方がいるかもしれませんが、

さにあらず。まるで詩でも読み進んでいるようなリズム感に満ちています。

全編通しで再読をはじめていますが、やはり以前には気づかなかった言葉遣いなど、とても参考になっています。


カブトムシの幼虫がサナギになる瞬間の呼吸法を目撃してその息づかいに、得も言われぬ興奮を感じ、本当にドキドキしてしまいましたよ(笑)

あの動きはどうみても陣痛にソックリです。

節足動物もカンブリア爆発の頃は海で生活していました。

波のリズムが呼吸や腸の蠕動運動のリズムとして生命に刻まれているといわれますが、

そのリズムを宿していのいちばんに陸上へと進出したのが節足動物の祖先でした。

重力負荷を上手にいなすために軽量でミニマムな体制へと進化した昆虫は

現在の地球上の生物のなかでは最も広範囲に棲息環境を拡大した地球生命界の覇者です。

ヒトがやっているような社会性や文明的なものは、昆虫はとっくにシステム化してやっています。

天地を友とし師と仰ぎ、天地に学び天地を真似ぶ。

カブトムシの幼虫がサナギに脱皮するための呼吸法に、

生命史38億年の歴史を見て、そのなかに理想の呼吸法を発見しても、

なにもおかしくはありませんよね。

こういう視点が三木博士のコンテンツに触れるとできるようになります(笑)

三木博士も呼吸については一家言をお持ちでした。

akechiさんの敢えて呼吸を意識しない。知ったかぶりで呼吸を語る者を信用しないというスタンスには、自分も大いに共感共鳴します。

ほんと知ったかぶりが多いのよ。

そうそう知ったかぶりといえば、かの黒澤明監督の傑作といわれる「七人の侍」に農民の若者役で出演した

土屋嘉男さんという俳優のエッセイのなかに、乗馬のエピソードがでてきます。

そのなかで乗馬を知り尽くし、馬の怖さを知る者は決して、乗馬が得意なんて言わないというシーンがでてきます。

それで土屋さんは、キャスティングの際に馬に乗れるかと聞かれた時に、

馬はヘタで全然ダメです、と言ったら、アンタ相当の乗り手だね、と返されたといいます。

だから呼吸について何か知ってるか?と聞かれて知らないと応えるakechiさんは相当に呼吸について

自分なりの見識をお持ちということになります。

生命現象、自然科学の分野もすべてこれと同じでしょうね。

わかっている。知っている。などと思うものなら、常にリアルな現場ではしっぺ返しを喰らうものです。

だから絶対にわたしはいつもわからないという立場でいます。

わからないから、永遠に追い求める。

わからないから、謙虚になる。

わからないから自然を友とし、自然を師とする。

幕末の名医、漢方医の新宮凉庭は、

「人身は、本来、元気がある。医師の技は、ただ、その奴隷にすぎない」

と薬箱に螺鈿で刻んでいます。

人身には本来、自然治癒力が備わっている。治療師の技は、ただそれを引き出すだけだ。

しかし、患者の自然治癒力をうまく引き出す能力は、

精励刻苦してひたすら磨き続けねば獲得することはできない。

努力あるのみ。今日もまた鍛錬です。

2016/06/22 (水) 06:00:53 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

馬の話。

私も、全く同じ理由で、
最初に今村さんが、
>>呼吸に関しては自分もまだまだ研究段階で確たる見識は持てないでいます。

と書かれた時に、
きっと呼吸のことについてかなりわかってらっしゃるんだろうなぁと想像いたしました。

奥が深すぎて、知るほどに、自分がわかっていない、また解りようがないということが、わかってくるものってたまにありますよね。


呼吸もそのうちの一つで、
そう感じない人は、自動的に呼吸の奥の深さがまだわからない程度にしか、呼吸を理解していないんだなぁということになるのだと思います。

きっと、馬もそうなんでしょうね。

2016/06/24 (金) 17:37:22 | URL | akechi #- [ 編集 ]

波の記憶、波のリズム


akechiさん、腸の蠕動運動も呼吸運動も

三木博士によれば生命誕生から30億年余の海中生活で染みついた寄せては返す波のリズムを反芻しているといいます。

この生命のもつリズム感に従って生きることが結果として健康と言えるのでしょうね。

ご指摘の通り、また意識の波とも呼吸運動は連動します。

イヤな状況では呼吸が止まりますが、ホッとするとため息が出て、陽気になればゲラゲラと笑います。

笑いもまた波の戯れ、さざ波のいたずら、かもしれません。

馬と言えば伯楽と千里の馬の中国の詩をすぐに連想します。

千里を走る名馬はどこにでもいるのですが、その馬の実力を見抜ける目利きの伯楽はめったにいない。

だから名馬が世に出るためには伯楽がいなければどうしようもない。

この故事はあらゆる領域に応用が利きます。

良い政治家が立候補しても選挙民にそれを見抜く目がなけれどうしようもない。

良い医療が残存していても国民にそれを見抜く目がなければどうしようもない。

良き歌い手がいてもそれを聞き分ける耳をもつ者がいなければどうしようもない。

伯楽とは、リテラシーの高い識見あるコンシェルジュ、つまり目利き。

最近は日本の良き文化を見抜く伯楽は意外にも外国人だったりしますね。

洗練された文化国家はその文化を認め育む伯楽たる国民がいてこそ実現できる。

あのフランス絵画のいち潮流のヤパンインプレッション、日本版画派、印象派のモネやスーラやゴッホが愛し、来日を夢見た江戸日本の時代とは、まさにそんな時代だったのでしょうね。

2016/06/25 (土) 03:56:13 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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