乳酸万歳

いや〜、乳酸って素晴らしいですね!(お前は水野晴郎か 笑)

はい、ということでここのところ乳酸の汚名返上を目的とした記事を

ポンポンポンと書き連ねてきました。

まったく知れば知るほどに、乳酸は素晴らしい分子です。




① 細胞膜にはグルコーストランスポーターというグルコース(糖質)を

専門に取りこむ役目のタンパク分子装置があります。

このグルコーストランスポーターで取りこまれた糖質を利用するのが、

細胞質でのATP産生機構である解糖系という仕組みです。



② 解糖系の最終産物はピルビン酸という分子で、このピルビン酸が、

ミトコンドリア内に運ばれてミトコンドリア内部の酵素である

ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体により分解されて、

アセチルCoAになると、いわゆるクエン酸回路が回転しだして、

中間代謝産物を大量に産生しつつ、最後に電子伝達系で

水素イオンが膜外に回収されて、水素イオンが膜内に戻るチカラで、

ATP合成酵素が回転すると、ADPがATPに変換されます。




超ザックリと細胞内のエネルギー産生の仕組みを解説すると、

こんな感じです。たぶん超ザックリでも、こうした用語に馴染みのない

ごく普通の生活人は、①②を読むのがツライはず(笑)




それで乳酸は①の反応系で発生する中間分子です。

①の反応系を一気に進めるのは、

細胞内の糖を大量に利用するハードな運動です。

このように①の反応系は一気に進める事は可能ですが、

②の反応系は厳密にコントロールされて穏やかに進行します。



ですから①でいくら大量にピルビン酸を作っても、

そのピルビン酸は②の反応系には入れません。

よってピルビン酸を一時的に乳酸のカタチでストックする仕組みが

①の反応系にできたのです。

乳酸は糖の利用ラインの備蓄ストックみたいなもの。

つまり半製品、れっきとしたエネルギー源です。

そうしてこの半製品の乳酸をそのままのカタチでミトコンドリアに取りこみ

ミトコンドリアの活動に利用する仕組みが

出来上がりました。

ピルビン酸が大事な代謝産物、仕上がった製品であるのとまったく同じく、

乳酸もまた大事な代謝産物、半製品でも十分にイケテル分子

であることに変わりはありません。




乳酸はよく細胞内を酸性にするから良くないと、通説では信じられています。

この酸性・アルカリ性という言い回しは、いまだに一部の方々が好む用語ですが、

アカデミズムの本流では、最近はほとんど問題にしません。

なぜなら、そもそも体液はホメオスタシスにより一定のペーハーに

保たれる仕組みが備わっていますから、どんな食べ物を食べようと、

何をしようと、基本的には体内のペーハーは、一定←です。

細胞内の細胞質の酵素反応も一定のペーハー(中性)で進行します。

もしも極端に細胞質内が酸性に傾けば中性のペーハーでしか機能しない

細胞質内の酵素反応はストップしますし、

その段階でこの細胞は機能不全に陥ります。

細胞質内が乳酸で酸性になるから悪い?

そもそもこの通説は成り立ちません。



これと同じく交感神経と副交感神経を問題にするトレンドもあります。

これも酸性・アルカリ性と同じく体内のホメオスタシスを無視した極論です。

交感神経と副交感神経は常に仲良く交替で活動しています。

息を吸う=交感神経。

息を吐く=副交感神経。

息をしている限りは、どちらも活動しています。

しかも自動的に自律的に。

これを人為的に操作して健康を維持する?

意味が不明です。




変動し続ける命のありようの一部をつかまえては、

これをこうしろ、あれをこうしろ、という。

無数のパラメーター(媒介変数)をつかまえても、

命の本質はわかりません。



もっとも命の本質など、人智では知るよしもありませんが。




乳酸は普通に生活している限り細胞内に蓄積しません。

乳酸は生成後は速やかに乳酸トランスポーターで

そこかしこのミトコンドリアに運ばれて、

ミトコンドリアの栄養源になります。





乳酸万歳!

いや〜、乳酸って本当に素晴らしいですね!

スポンサーサイト

2016.05.20 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 細胞宇宙

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

kouhakudou

Author:kouhakudou
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR