Heel →Heal →Hero

ここのところ乳酸なる分子について本を読み解読に取り組んでいる。



乳酸と言えば疲労物質、乳酸と言えば凝りの原因物質、

乳酸と言えば老廃物、乳酸と言えば細胞質の燃えカス。

乳酸はまるで体内にできた細胞のゴミカス。

これがこれまでの乳酸という分子に与えられたイメージだった。




乳酸とは炭素Cが3個、水素Hが6個、酸素Oが3個の計12個の元素が

結合してできた分子、物質であり、よく知られているように、

乳酸菌による発酵食品のチーズ、ヨーグルト、ワイン、味噌、

などにも含まれる酸味を少し伴った分子です。



ちなみに食品に含まれる乳酸の含量は、

牛肉    0.9%
豚肉    0.9%
鶏肉    0.9%
赤身魚   0.6〜1.3%
チーズ   1.3%
ヨーグルト 1.0%
ワイン   0.2%
日本酒   0.1%
醤油    0.1%
味噌    0.5%

などとなっている。

なんでぇ〜、普通に肉や魚に含まれてるじゃん!

そりゃあ、肉も魚も筋肉だから、筋肉あるところに乳酸あり。

しかも含量がヨーグルトと、どっこいどっこい(笑)





またヒトの体内においては赤血球が常に乳酸を作っており←!!!!!!

また随意筋・骨格筋ではない内臓筋の平滑筋でも常に乳酸は作られている。

ヒトの体内各部で作られて代謝される乳酸の一日当たりの量は、

皮膚  35グラム
赤血球 35グラム
脳   30グラム
筋肉  19グラム
大腸  10グラム

などとなっている。

うんっ、筋肉よりも断然に赤血球や脳の乳酸産生量の方が多いじゃん!

脳はグルコースを消費するから、その過程で乳酸も多く産生されるのだろう。

赤血球でなぜ乳酸が作られているのか?

乳酸がゴミカスならば、なぜ赤血球は積極的にゴミカスをわざわざ作るのか?



エッ、乳酸はゴミカスじゃない?

まっ、そういうことだわな(笑)




乳酸はミトコンドリアのエネルギー源です。

競走馬のサラブレッドの乳酸生成量はヒトよりも多い。

恐らくはサラブレッドは乳酸を巧みに利用することで、

筋肉ミトコンドリアを使いこなしているのでしょう。



ヒトも速筋で生み出された乳酸を、遅筋や心筋で使い回す仕組みを有しています。

この乳酸の使い回しになくてはならないタンパク質が細胞膜のタンパク質装置の、

トランスポーターです。

速筋の細胞膜には乳酸を送り出すための乳酸トランスポーターのMCT4が多くあり、

この「乳酸の送り出しトランスポーターMCT4」のチカラで送り出された乳酸は、

遅筋や心筋の細胞膜にある「取りこみ役」の

乳酸トランスポーターのMCT1のチカラで、

遅筋と心筋の筋細胞内に取りこまれます。



遅筋や心筋には「乳酸の取りこみトランスポーターMCT1」が多いので、

持久運動によりMCT1は増大する。

この事実により速筋をあまり使わないヨーガや太極拳などの

持久的なエクササイズの実践はMCT1を増やす養生効果がある、

と見込まれます。

指圧も持久的な他動運動なので、

恐らくはMCT1の増産に貢献すると予測できます。




「乳酸の取りこみトランスポーターMCT1」の増産という機序に

着目することで、またひとつ最強養生法の分子レベルの鍵を獲得できそうです。



乳酸トランスポーターMCT1を増産することで、

乳酸の取りこみを促進し、遅筋や心筋の筋細胞内ミトコンドリアを活性化する。





ということで、

乳酸はHeel(悪役)から

Heal(癒し役)へ、

そしてHealから

Hero(英雄)へと

ついに、一大飛躍を成し遂げました!

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2016.05.18 | | コメント(4) | トラックバック(0) | 細胞宇宙

コメント

 

先生、素晴らしい!
目から鱗!すっと腹に落ちました!


2016/05/18 (水) 09:00:00 | URL | かおちゃん #tJwXaRLI [ 編集 ]

すばらしい!

乳酸が悪いわけじゃない、
作った乳酸が代謝できない状況になって
しまった体を代謝できるようにしたら
たくさんのエネルギーがミトコンドリアで
生成されて、元気はつらつ!になるわけですね!

それにしても、Heel→Heal→Heroへの
進化の道を見出す何で、さすが、ハリィ~!

何事も無駄はないんですよね。
全てが意味があって、循環しているし
役に立っている。。。

何か(誰か)を悪者にして、自分は悪くないと
安心しようとするのが、私たち人間の悪いところ
ですよね。。。

2016/05/18 (水) 16:15:21 | URL | ひろみ #3USpdlJ2 [ 編集 ]

皮膚多いですね。

まさしく、指圧、マッサージの有効性の証明ですね!

薄着になってきたので皮膚刺激もやりやすいし、

今日もお灸&青竹踏みに励みます。



スタップ細胞も何やら風向きが変わってきたかもですね。

2016/05/18 (水) 16:16:39 | URL | あるご #yNvNoxY. [ 編集 ]

みなさんの、コメに感謝!


かおちゃん、宿題の答えがようやく解けだした。

そんな気がする今日この頃です。

乳酸の分布と、ガンの頻発部位に何の相関もない。

このことひとつをとっても、チマタの通説の怪しさが浮き彫りになります。




ひろみさんも、乳酸に対して早くから害悪説とは違う意見も紹介されてましたよね。

自分も以前から代謝産物の乳酸に何の害があるのだろうか、とチマタの説とは異なる見解を持っていました。

アカデミズムの本流(東京大学)ですでに乳酸害悪説に異を唱えて地道に研究されている方があり、本当に感謝です。

バクテリアたちは、代謝産物を通してコミュニケーションをとり、コロニーを形成します。

恐らくはミトコンドリアの祖先のαプロテオバクテリアは、乳酸の祖先と共生するなかで、

乳酸を利用する仕組みを獲得したと、わたしは推測しています。

長い長い生命進化で培われたエネルギー産生の機序に、なにひとつ無駄などない。

そんな新たな気づきが到来しています。

差別され侮蔑され続けた分子、乳酸が何か東洋医学がこれまで受けた仕打ちとフラクタルに一致します。





あるごさん、皮膚には乳酸菌が常在菌として棲息し、汗や皮脂を栄養源に乳酸を分泌します。

この乳酸クリームが紫外線から肌を守り、天然の抗生剤として機能し、病原性のバクテリアの繁殖を抑制しています。

STAP細胞に関しては赤血球の産生する乳酸と関係があるかもしれませんね。

このあたりは千島学説とかなり密接に関連します。

ただ、まだ再現実験がどのようなものか、詳細は知るよしもなく、様子見、スルー、でいたほうが無難です(笑)

2016/05/18 (水) 20:20:01 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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