仮説は踊る



お陰様でトリニティウェブ連載の

「サルでもわかるミトコンドリア編」の第12話も、

高ポイントを獲得し、第11話に続いて、

トリニティセレクト8選にランクインです!



さて、久しぶりに乳酸に関するネタを検索しておりましたら

東大の先生が実に素晴らしい研究をされているのを

発見しました。



古い生理学では凝りの原因分子、

悪の権化として蔑(さげす)まれてきた乳酸なる分子が、

実はミトコンドリアのエネルギー源となり、

心筋や遅筋のミトコンドリアが速筋で生み出された乳酸を

取りこむことでエネルギーに変換している、というのです。




えっ、つまり乳酸はワルモノではなく、イイモノ ← で、

しかもミトコンドリアにとってのエネルギー源 ← だって!

目から鱗、細胞生理学に衝撃的なコペルニクス的な展開が起こっています。




はは〜ん、なるほど、そういうことだったのか!

20億年前にミトコンドリアの祖先のαプロテオバクテリアは、

嫌気性バクテリアの乳酸菌の仲間が産生する乳酸が欲しくて、

乳酸菌コロニーにうっかり接近したのかもしれない。

そのうっかり者のαプロテオバクテリアがパクッと乳酸菌の一種に食べられた?

そうして乳酸菌の一種に取りこまれたαプロテオバクテリアは、

その乳酸菌の一種の体内でヌクヌクと分裂増殖を開始して、

まずは乳酸菌の一種が産生する乳酸を使ってATPを産生しはじめた?

やがて酸素濃度が上昇しだすと、バタバタと嫌気性バクテリアたちは

絶滅していった。しかしαプロテオバクテリアが住み込んだ乳酸菌の一種は、

この酸素濃度の上昇する危機を、αプロテオバクテリアの酸素呼吸の能力に

頼ることで生き延びた?

こんなアイデアを煮つめると、

原始真核生物の誕生秘話に新しいエピソードが追加できそうです。




ようは、アレだね、インセンティブ、ご褒美ね。

共生という仕組みには、片方か両方にとって何らかのメリット、

インセンティブがなければ起こりえない。

αプロテオバクテリアにとって嫌気性バクテリアと共生するインセンティブは、

エネルギー源となる乳酸の獲得だった、という仮説なんか、とっても面白いでしょう。




わたしも本ブログを開設してすぐに、この乳酸問題を記事にしています。

その名も「凝り問答」のシリーズです。

その際には凝りの正体は乳酸と変性タンパク質がくっついた乳酸タンパク質では、

と記載していました。

それ以後の乳酸に関するコメントにおいても、

私は一貫して乳酸を単なる害毒分子とみなす立場を取らずに、

あくまで分子変換のサイクルの中間産物であり、

これもまた何らかの役目を担う重要な分子という位置づけを行ってきました。

このような洞察はひとえに、臨床における指の下の実論とのマッチングから

導いた考えです。

その温めてきたアイデアがどうも、

ビンゴーーーーー!!!!!!

のようです。



ハリィー流ミトコンドリア論に、さらに厚みが増す。

そんな嬉しいレポートを読みました。

東大の学者さんは、やはり優秀ですね。



正統なアカデミズムに学び、正統なアカデミズムを越える。

馬の骨の脳内で、仮説は踊る。

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2016.05.12 | | コメント(3) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

コメント

参考資料


「乳酸は悪者か?」
https://biz.arkray.co.jp/lact/hatta/

2016/05/12 (木) 06:04:52 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

「乳酸に関する美し過ぎる相関性が生んだ思いこみ」
http://www.gelifesciences.co.jp/newsletter/biodirect_mail/chem_story/132.html

2016/05/13 (金) 00:48:18 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

乳酸はエネルギー源としてミトコンドリアに利用される


乳酸菌を含む発酵食品になぜ健康増進効果があるのか?

それは乳酸菌が産生する乳酸という代謝産物がエネルギー源としてミトコンドリアに利用されるから!!!!!!

つまり乳酸菌を含む食品&飲料はミトコンドリアへと乳酸を送り届けることで、ミトコンドリアを活性化するのです!!!!!!

こういうことだったんですね!




いやはや、乳酸菌ブームの渦中でミトコンドリアとの関連に言及した方が誰かいましたかね?

乳酸分子・害悪論の一般への悪しき浸透が、乳酸菌の正しい認識まで歪めていたとみなせます。

腸内常在菌が産生する乳酸も、きっと腸壁から吸収されて通常の人体生理におけるミトコンドリアの活性化に一役かっていることでしょう。




乳酸は筋肉疲労の産物にあらず。

乳酸は筋ミトコンドリアの栄養源となるために筋中で生み出される自家生産の宝の分子。

その宝の分子をこれまで散々にコケにしてきた生理学の常識。

常識とはかくも恐ろしく、ロスが大きいのです。




常識や通説、定説を徹底的に疑う。

ナニゲ信者を脱しなければ真実には到達できない。

乳酸は疲労分子でも凝りの原因分子でもないとわかった今、

わたしの脳内では次々に新しい仮説が生まれています。




そもそもハードな無酸素の負荷強度の高い運動などすることのない普通の生活者に、

とてつもない固い凝りが生じるのです。

無酸素の解糖系の亢進、などでこのような凝りの発生を説明できないわけです。

ガン細胞においては細胞接着分子のカルシウムタンパク質が活性を失うことは、よく知られています。

カドヘリンが活性を失い放出されることで、カルシウムの沈着がそこかしこで起こる。

筋細胞がこのカルシウムで硬化することが、癌の方に見られる極端な筋肉の堅さではないか?、と以前から私は推測しておりました。

乳酸が凝りの原因分子であり、乳酸が筋肉を硬くするという通説を信じるナニゲ信者たちは、

このような別のオプション機序にはいっさい関心がなく、頓着しません。

オッカムの剃刀にザックリやられている(笑)

リン酸カルシウムがどうも凝りの原因分子ではないか、ともすでに取りざたされています。

これもカルシウムが災いしているという見立てです。

本来、カルシウムは細胞内の小器官である小胞体に蓄積されているものです。

その小胞体の何らかの機能不全も、カルシウムの放出を引き起こす遠因かもしれません。

小胞体ストレスという病態は、小胞体のなかに変性タンパク質←が溜まる結果、小胞体というタンパク質製造ラインがストップすることをいいます。

カルシウムの一極集中、局在性が保たれない原因も、また多岐に渡りそうです。




細胞生理はこのように常に多岐に渡る生命現象です。

原因をひとつに決められない。

これが生理現象の基本です。



すべての原因を乳酸のせいにして、乳酸さえ駆逐すれば万病が治る、とするこれまでの通説、常識は今後、大きく崩れ去ることでしょう。




味噌、醤油、漬けもの、梅干し、たくわん、納豆、ライ麦パン、・・

発酵食品はミトコンドリアを活性化する!

ブラボー!!!!!



2016/05/13 (金) 05:52:32 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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