テキトー 8

昨年末に仕入れた3冊の本のうちの1冊を最速で読了しました。

題名は「皮膚感覚と人間のこころ」

著者は皮膚科学の第一人者である傳田光洋博士。




自分は傳田博士の前三部作である

「皮膚は考える」「第三の脳」「賢い皮膚」の

すべてを読み込んでいます。

それゆえに、今回は前作と重複する箇所も多く、

そんなに期待はしていなかったのですが、

最新作となる本作も、またなかなかに読み応えがあり、

新しい発見がございました。





今回この本を読んでみて、最もビックリしたポイントは、

皮膚細胞それ自体が「トール様受容体」を有しているという点です。




この「トール様受容体」とは、これまで何度もマクロファージについて言及した際に、

耳たこになるまで連呼し続けた、あのトールライクレセプターのことです。

ようは免疫細胞のマクロファージの細胞膜にあるフック状の馬蹄形細胞外領域という

この異物を認識する異物認識機構であるトールライクレセプターが、

皮膚にも備わっていたというのです!





これは、考えようによっては、

皮膚そのものがマクロファージと同等の免疫細胞だ、

と言い換えすらできそうな、

自分的にはパラダイムシフトな発見でした。





皮膚のもつ潜在的な能力は、計り知れません。

愛情ホルモンとして脚光を浴びているオキシトシンというホルモンを、

皮膚は合成し分泌しています。

また脳細胞が合成するホルモンはすべて皮膚も合成します。

色を識別する受容体を皮膚はもち、色や光りすら認識します。

耳では捉えることのできない高周波音を皮膚は捉えます。

どうも、皮膚細胞はすべての細胞の根源では?

そんなマルチな皮膚細胞の実力が、傳田博士の本を読んでいると見えてきます。




皮膚を相手に商売する鍼灸指圧師には、

傳田本はマスト中のマストの必読書です。




ちょっとした気づきですが、

もしかしたら、皮膚細胞からマクロファージが分化したのでは?

なんて珍説も思いつきました。

なぜなら、皮膚細胞はトールライクレセプターを備えて、

一酸化窒素を分泌します。

実は、マクロファージはトールライクレセプターで異物を認識し、

一酸化窒素を使って異物を消去するのです。

やってることがまったく一緒。






はい、そんなこんなの、

ハリィーのブック・レビューでした。

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2016.01.10 | | コメント(3) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

コメント

脳内ウォーミングアップ良し!

只今からトリニティに提出する原稿作成に入ります。

はい、それだけよ〜ん(笑)

2016/01/10 (日) 06:18:50 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

私が始めて今村様のサイトにお邪魔するようになった頃、
特に惹かれた内容が、皮膚が第三の脳であるという話でした。

ちょうど、「一級品を握ったときの感覚という栄養素が」などという記事を書いている時に、今村様がこの記事を上げたのも、私にとって面白い偶然の一致でした。

何かその皮膚感覚に意識を持っていこうとすると、すごく違った意識状態に入るような気がするので、すごく興味深いなぁと思っていたのでした。

そういえば、昨日、妻にマッサージをしながら、
どこで読んだか「宇宙人の中に、物に触っただけで、見なくても色を感じ取る奴らがいるらしいよ」などという話をしていたところでした。w
そいつらすげー!w

2016/01/10 (日) 08:59:04 | URL | akechi #- [ 編集 ]

手触り


akechiさんのブログの美についての考察は、

なにかすごく共感できますね。

なにげに「走美性」なんて言葉が閃いて、自分でもビックリしてます。

審美眼や美しいモノに共感するセンスというものも、

最終的に細胞レベルのある種の意思と通底するのでは、

とそんな事を最近、読んだ本から思いつきました。

そういう意味では、最後の判断はやっぱり手ざわりですね。

昨日は欲しかった小ぶりのサラダボウルを探しに、

あちらこちらのお店を探索してきました。

ハイプライスなものからロープライスまで、なかなかコレと

気に入るモノが見つからなかったのですが、

最後に、ようやく、それらしい物件に到着できました。

お値打ちプライスの350円 × 5(笑)

でも、これが一番、色んな意味で扱いやすそうだったんです。

審美的には及第点ですがね。

でも、今後のために欲しいモノが色々と見つかって、これはこれでよい旅でした(笑)

九鬼周三、字が違うかもだけど、哲学者のクキシュウゾウが

「粋の構造」

のなかで、美について語っていましたね。

細胞膜には38億年の手ざわりの記憶がプールされている。

手で触ると、最終的にコレだという判断ができますね。

皮膚は第三の脳なんてもんじゃあない。

すべての判断の根源。

2016/01/11 (月) 09:34:48 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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