道を遊ぶ 7

鍼灸指圧師をやっていると

「先生、ガンなんかの患者さんを治療すると治療した側の術者がもの凄く疲れるとか、自分の気が患者さんに取られてなにか自分の精気がゴッソリと減ったような気がして、ある私が知っている治療師はそういう重篤な患者さんを診ていると、もういてもたっていらなくなって大声を出して外へ飛び出すなんて聞いたことがあるけど、先生はそういう経験はないの?」

みたいな質問をよく受けます。

それで、こんな質問を受けると私は

「ガハハ、なんで外へ飛び出すのよ?その患者さんが気を悪くするじゃん。もの凄く失礼だよ。おもてなし失格だって!う〜ん、そういう気が取られるとかってのは、たぶん、まったくないわけじゃあないけど、あまり意識しないことにしている。あえてそういう風にイメージすると、自分の身心がその通りに反応して、自分でそういう状態を誘導しそうだからね。ただし、例えば自分が扱った末期のガンのお爺さんを治療した時には、鍼を打っている際にそのお爺さんの皮膚面と接触している自分の手肌の部分がまるで氷でも触っているみたいに冷たくて、これ冗談でも作りばなしでも、誇張でもなくて、本当に氷より冷たいんじゃないかってくらいに痺れてきてもうピリピリと痛くて、その時は心底、治療後に身体が寒気が止まらないというか、そんな経験をしたことはある。だいたい癌の末期になるとその凝りの固さは尋常じゃなくなってくるから、むろんそういう凝りを触るとね、それなりになんとなく疲労感はあるけど、そんなワーッって大声あげて、外へ出るなんてことはしない」

と答えるんだけど、そうするとまたクライアント様はたたみかけるように、

「でも邪気というか、そういう良からぬ気みたいなモノを先生も感じる事は感じるわけ?」

とこうくるから、そうするとまたアタシは

「う〜ん、その邪気と正気という問題はこれは便宜上というか机上のイデアな産物というか、ようはこれが邪気でこれが正気と明確に分けることは実践の場では果たして出来るのかどうか、私はまだそのへんはスルーしていて、だから安易に邪気という言葉を連発することは差し控えているんだけど、でも邪気と正気という分け方はとても分かりやすいから、ここ2000年はよく検証もされずに使用されてきたことは事実だよね」

なんて答えにもならないことを答えます。





俯瞰すれば今、自分が到達しているフェイズ(階層)は、気はわかるし、ある程度それを操作できるが、ほぼフリーズしてしまっている気のカタマリを簡単に動かすレベルにはまだ到達していない、といったところだと自分で自分の治療レベルを認識している次第です。

はっきり言えば、まだ現段階の自分の治療の腕では器質的病変の極致のような衰弱しきった患者さんを即座に治すなんてことはできませんが、果たしてこうした器質的病変の進行している患者さんを即座に治せる治療師など、この世に存在するのでしょうか?




そこかしこに、奇跡的な治療ができることを吹聴する様々な治療師や治療機器の存在がほのめかされておりますが、指先の向こうの気の世界を足かけ26年間見つめ続けてきた鍼灸指圧師は、こうしたチマタに流布する奇跡のナントカはほとんど口からデマカセのウソ八百だ、と推測しております。

そんなアンタ、だから1回でもいいからね、癌の末期とか、パーキンソン症候群とか、筋ジストロフィーとか、リウマチとかといった器質的病変の進行した凝りを実際に触ってみなよ。

たぶん、そんなとてつもない凝りを触った瞬間に、たとえどんなシロウトさんであろうと、一瞬でチマタに流布する奇跡治療のウソ臭さが理解できるはずだから。





万病が治る? 難病を治す? エエーッ、奇跡の治療だって?

てやんでぇ、ウソも休み休み言えってぇの、このイカサマ野郎がぁー!




あのな、ホンモノの治療師ってのは、これはハッキリ言ってもう治せないとわかっていても、それでも請われれば誠実に応対し、

その治せないだろう中でもなんとか少なくとも自分が治療したその瞬間だけでも、ほんの少しでも気持ちよくなって

ほんの少しでも楽になってくれれば、と願いもがき、闇の中で手探りで這いつくばって泥をすすりながら前に進むように、

気の光りを求めて経絡の中をさまよい、そうしてかすかな気の光りを見つけて、その光りを頼りに治療することで

束の間の安堵を感じ、ある種のその治療に対する神の裁定、

「お前の治療は間違っていない。よくやった。イエスだ!」

という神の声を聞き取ることで、

ほんの一瞬、救われるのです。




これが本当の奇跡の治療なんだよ。

一瞬で治すんじゃあない。

一瞬の連続の中でもがき苦しみ、その中から命の声を聞くこと。

これができるのがホンモノの治療師なのさ。




でも、こんなこと誰も今まで言わないから、

そう、はじめて聞いたでしょ?



なんだか最近、やたらと奇跡の手当てネタみたいな世界にアタシは触れてるけど、

実際の奇跡の手当て世界ってのは、綺麗事の世界じゃあない。




治療師は患者さんの発する膨大な情報場の中に入る。

その患者さんのフォースフィールドに入らなければ治療できない。

大声をあげて外へ逃げることは絶対にできない。

でも、その修羅場の中からしか命の声を聞くことはできない。

命の声がもしも、もはや余命いくばくもないと言っても、

それでも、なにがしかの答えを見つけようと・・・





キレイゴトだけをキレイに言うのは誰でもできる。

綺麗事だけを言うのではなく、治せなかった自分の失敗談まで言う治療師がホンモノの治療師です。

うちら鍼灸指圧業界のカリスマの中には、こうした失敗談や経験をちゃんと告白できる立派な治療師もいます。

チマタのインチキ治療師やインチキ治療機器の誇大広告には、決して騙されないでください。





簡単に治るなんてものはね、つまりたいしたものじゃあない。

簡単に治せないもののなかで、もがく者にしか本当のことは言えないのです。




人間の身体はDNAがひとつとて同じものがないように、

72億人のすべてがそれぞれ異なる体質を有しております。





ある者に効いた治療が、べつな者にはまったく効かない。

あたりまえなんです!



自分に効く、自分に合った養生法は、自分で作りだすしかありません。

ポンジュースをたまに飲むみたいなね(笑)






ほっ、今回の記事は少しは気迫と内容があるかも。






クマゼミが、美人美人美人、って鳴いてます(笑)

えっ、なんのこと〜♪

だって、

美人

と書いてドイツ語風に読むと、シャンじゃん!



ラファエロはシャンがお好き(笑)

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2015.08.09 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

コメント

(内容)希薄じゃない気迫…

v-32
感じました! お疲れ様でしたv-218

いや、でも、こういう話題って、言葉にした瞬間から、なんとなく虚しくなって来るんですよね。

まぁ、またいつか、生身でお会いして、「オフ会トーク」に盛り上がる日が遠からず来る事を願っています。

あ、それと、「偶にはOKなジャンクフード扱い(?)」のポンジュースですけど、一応 果汁100%ですし、愛媛の方々の「おもてなし精神」が伝わって来る良心的で優しい商品だと、私は感じますYO!


あ、それと、「シャンシャン」で気づきましたが、ニイニイゼミは

「你〜 你〜 你〜」

(あなた、あなた、そこのあなたぁ〜〜〜!)


・・なんですネ!


昆虫系宇宙人のアタシとしては、彼らの気持ち、わからなくもないですが、

広葉樹が植えてある我が家の庭も、はす向かいの神社も、彼らが鈴なりで、ちょっと うるさ過ぎです。

朝は耳元で起こされるし、夕飯時も家族の声が聞こえないくらい。

もうちょっと、遠くで鳴いて!!

(こちら周辺では、7月中旬から羽化が始まって、下旬には死体が散見されるから、まぁ、寿命的には2〜3週間ってところでしょうか)


ではでは、ご家族揃って、楽しいお盆休みを!

2015/08/09 (日) 10:17:41 | URL | sasara #v14okzU2 [ 編集 ]

いよいよ昆虫型・第4次産業革命の時代が到来か?

もうちょっと前から昆虫の体構造を研究して、産業に応用するブームが静かに始まっているんだけど、

松本零示や寺沢武一らのハイテク系の漫画家からすれば、ようやく時代が追いついてきたか、

といった感じでしょうね。

寺沢先生の漫画コブラには、昆虫型宇宙人のベガ星人が出演する「雷電の惑星」という話があるんだけど、

そのラストがね、小学生のアタシには実に印象的で、その後、30年ほど経過して、

白黒だったのが、CGフルカラーになってまたベガ星人に再会してと、

おなじ話をいったい何度読んだかというくらい多くの話を再読していて、

とにかく漫画コブラから受けた影響はかなりありますね。

昆虫は実に脳などテキトーで小さいんだけど、神経節として脳を分散しているし、ミニマルな構造は軽量化に役だっていて、

その体重の30%〜50%は共生バクテリアの重さで、これら共生菌の産生する抗生剤的な分泌物によって、外敵となる菌類から身を守り、

ツルツル、カチカチした外皮はクチクラと呼ばれる最強の装甲で、地球上でもっとも繁栄している最強の種族こそが昆虫なんですね。

だからあらゆる意味で昆虫に学ぶことは、恐らくは人類の進化にとって有益かつ必須な事項となっていくことでしょう。

さしあたり、まずは昆虫の脱皮とヒトの脱皮をフラクタルに哲学するなんてね(笑)

すでに秋の虫らしい鳴き声も今聞こえてきますし、義義義とアブラゼミが夜になって鳴いたりしてますもんね。

昆虫少年がまたぞろ想像力をたくましくする今日この頃(笑)

2015/08/09 (日) 20:20:53 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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