気を観る 18

先週、地元の常連さんに、

「先生、発酵食品が免疫力を上げるって言うけど、これって本当?」と聞かれたので、




「ほら、発酵食品ってのはいわゆる細菌つまりバクテリアが例えば糖質を乳酸に変えることで、酸っぱいあの沢庵もそうだけど、味噌とかの味もね。ようは発酵菌が産生する分泌物によって美味しい味になるから、みんな旨い旨い!って食べてるんだけど、確かに旨いのもあるんだけど、こと免疫力を上げるという観点で言えば、これは外来菌といって腸内にもとから棲んでる常在菌からしたら敵なの?」

「エッ?発酵食品が敵?」

「そう、このあいだ大本営放送局でも特集が組まれて話題になった腸内フローラね、人間の腸内には常在菌が叢(むら)を形成していて、これら腸内常在菌叢の菌類が口から入った栄養素を分解したり、二次産物である乳酸やビタミンやセロトニン前駆体やドーパミン前駆体などを生み出すことで、ヒトは正常な生理を営み健康でいられるというアレね。これはもうそこそこ常識じゃん!」

「うん、先生は随分と前からそのことを私に教えてくれてたから、あぁ、ついに時代が先生に追いついてきたとあの特番を見て感慨が深かった(笑)」

「いや、こんな腸内フローラのことは、もうねそのスジの権威である光岡知足博士が何十年も前から提言していたことだから、べつに私の専門じゃあないけど、光岡博士も触れていないだろう腸管免疫の主役である免疫細胞のマクロファージの細胞膜レセプターの問題ね、このトールライクレセプター、略してTLRについてがこと発酵食品と免疫という問題において一番重要な点なの」

「なになに、なんだかそれはまだ聞いたことがないわ!」

「ほら、さっき発酵食品の発酵菌は外来菌で敵だ、って言ったでしょ?でね、この外部から腸管内に侵入してくるバクテリアってのは、基本的に腸内フローラにとっては敵ってのはすぐに理解できるでしょ?だってもしもドカドカと土足で腸内に踏み込んでもとから棲んでいた腸内フローラの居場所を横取りされて、DQNみたいにドヤ顔で歩き回って、そこら中を占拠されたら、腸内フローラの居場所がないじゃん。腸内フローラはその個々人に固有のアイデンティティーみたいな構成になってるから、それが乱されるということは健康な生理バランスが崩れるということ。その代表が腸チフス菌とか赤痢菌とかO157とか、コレラ菌とかね、こういった病原菌のたぐいは即座に病的反応を誘発する。だからそういった外来菌に対する滅菌殺菌器官として強酸の胃液で殺菌する胃袋という器官があるんだ」

「じゃあ、発酵食品の発酵菌もみんな胃で殺菌されちゃうの?」

「基本的に発酵食品の発酵菌だって、胃液でキレイサッパリ殺菌されちゃうね。でも菌体成分といって胃液で分解されたあとの残滓みたいなものはちゃんと腸まで届くから、これが丸山ワクチンと同じような免疫活性化の役割を果たすというわけ。ここからが免疫の何たるか?の最重要部分になるんだけど」

「前振りだけで、もうもの凄い情報量!あと、ついて行けるか不安になってきた(笑)」

「ギャハハ、こんな話はもう話し出したら延々と続いちゃうから、ここからはザックリと核心だけ言うけど、ほらさっき言った腸管免疫の主役のマクロファージの細胞膜レセプターのトールライクレセプターTLRがウンヌンというアレね、このマクロファージの細胞膜には、外来菌やその菌体成分であるバクテリアの細胞壁の多糖成分とかあとはウイルスとかヒートショックプロテインなんかのいわゆる抗原と呼ばれる分子を捕捉してキャッチして捕まえる武器としてのレセプターが備わっていて、この人体や腸内フローラにとっては異物や異種となる分子を完璧に仕分ける能力がマクロファージには備わっているんだよね。だからどんな分子が入りこんでもこの腸管免疫で待ち受けてる腹腔マクロファージによって捉えられて、しかるべき判断が下される。このマクロファージの細胞膜レセプターによるしかるべき判断こそが免疫力の活性化というわけ」

「やっぱり先生に発酵食品と免疫に関する話を振ったアタシが間違いだった(笑)もうかなりお腹いっぱい、というかこれだけのことを言える人ってなかなかいないよ、先生」

「いや、それはね、研究者とかならもうゴロゴロこんなレベルを越えてる御仁はぎょうさんいてはるけど、そうこのねマクロファージの細胞膜レセプター研究の第一人者ってのは日本人の研究者で大阪大学の審良静男博士なんだけど、アキラ博士の名前がまだぜんぜん一般化してないの!ということはマクロファージの細胞膜レセプターについて、まだまったく一般化してないってことなんだけど、自分はすでにブログでこのことは何度も取り上げていてね」

「先生のブログはまだ読んだことないもん、アタシ」

「うん、それはとくに読めとは言いません。なにしろエキセントリックでアヴァンギャルドなブログで、ヘタ打つともう記事が長大で誰も読まない、読みたくない文の総量になるから、もう見た瞬間に重くて読めない人もいっぱいいるはず。一時は祭りみたいにアクセス数が激増したけど、最近、ちょっと落ち着いてきたし。まあ、そんなにいつまでも付いてこれるファンばっかりでもないね」

「でも、新しく連載始めたんでしょ?」

「そうそう、養生アルカディアね!まあ、色んな切り口で、幅広い間口を設けて、いろんな入り口を作るのはイイことだよね。そうそうれでね、結論としては発酵食品はカラダに良くて、免疫力をアップするけど、その真のメカニズムは腹腔マクロファージの細胞膜レセプターに秘密があるってことね」

「ここに来て、先生とこうして色んな話をして、いつも感心するけど、これだけ言える人ってほんといないと思う。遠くから来る患者さんが増えてきたのも頷けるわよ」

「そうね、昨日は東京から、その前の日は宮城県は仙台市から、ほんとは今日は大阪からみえる方がいるはずだったんだけど台風で来週に延期で、今月末には九州から泊まりで来院される予定のクライアント様があるんだよ」

「いよいよ、全国区ですね、先生。アタシたち地元民のことも忘れないでね」

「もちろん、地元の常連さんあってのハリィーですから!」

「エッ、なにそのハリィーって?」

「あっ、なんでもないっすよ。まあ自分のブログでのあだ名みたいなものですから、気にしないでください」

「あ〜、でも発酵食品と免疫の話は、またひとつ賢くなった気分で、先生ありがとう!」

「いやいや、こんなのは朝飯前で、また何でも聞いてください。答えることができることは答えるけど、答えることができないことは答えられないから(笑)」




なんて、話しました。

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2015.07.21 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

コメント

このブログで「どうして食べなきゃいけないのか」教えていただきました。私にとってそれが最大の収穫です。目から鱗でした。結果、自分の体と相談して(とはいえ、直感そのものですが)本当に食べたいものだけを食べるようになってきていると思います。ただ与えられた「えさ」への反射や、いろんな欲望や焦りの類いが紛れ込んでいるのがわたしの「食欲」だったようです。ただこれまでの習慣的な思考は簡単には変わらないのですぐに元の木阿弥に。それを防ぐためにも毎日ハリィー先生のおはなしを楽しみにして居ります。感謝あるのみ!!

2015/07/21 (火) 09:47:18 | URL | M.H #- [ 編集 ]

感謝返杯!

ここぞのときの、M.Hさん、

いつもコメント頂きまして、ありがとうございます。

今の世には少食健康法に代表される食べないトレンドが次第に大きくなってきていて、

実は私はこの少食トレンドはもの凄く危険であると認識しております。

糖質制限なども、もちろんこのトレンドの範疇に属しますが、

こうした制限食がもたらすある種の抑制的なストレスはそれこそ、大いなる災厄のような気がしてなりません。

ヒトはパンのみにて生くるにあらず、

しかし、やはりヒトはパンのみにて生くる。

食べるという欲求は生きるという欲求と同義であり、

ヒトは老化して自然にものを食べなくなると、だいたい1週間で自然寿命が尽きて大往生が訪れます。

腸管免疫のマクロファージの細胞膜レセプターだけでなく、実は腸管上皮の受容分泌細胞の細胞膜レセプターもまた、

食べたものを判別しつつ、必要な消化酵素を分泌するスイッチとして機能しています。

ですから、食べることで、よりインシュリンをはじめとする膵臓や胆嚢や胃や小腸が分泌する消化酵素が旺盛に分泌されてきて、

このことにより、さらに人体の酵素反応が活性化し、つまり元気になるという仕組みです。

食べることで情動が落ち着き、食べることで身体が温まり、食べることで免疫力が活性化し、食べることで腸造血がなされ、美味しいものを食べて美味しいと感動するのがヒトという生き物なのです。

ということで、私は時に大食いもしますし、普段は昼食は基本的にご飯はおかわり。

少食トレンドなど、どこ吹く風の又三郎で今後も行きますので、よろしくお願い申し上げます(笑)

運動量と食べる量は比例するわけで、よく身体を使う職業の者が少食なんざやった日には日干しでニボシで干物になっちまうぜ!

2015/07/21 (火) 19:45:12 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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