躰を創る 16

東洋医学という医療の枠組みからイメージするものは、鍼灸指圧などの物理療法と生薬医療の漢方薬という二つの顔であることは言うまでもありません。

また医療というよりも養生というカテゴリーに拡大するとそこには様々な長生法である食養や、導引などのエクササイズや、気功や按摩などいわゆる東洋式の健康法のたぐいが含まれてきます。

ザックリとまとめて東洋式養生法というカテゴリーを創れば、上記の鍼灸指圧や漢方薬部門からあらゆる養生法のすべてが包含されてしまうと言えます。

こうした中国を発祥とする医術養生体系は専門的には中医学体系と呼ばれております。

ではこの中医学の由来はどこにあるのか?というと、これは漢民族が中国を支配した今から2300年前頃に成立したと言われており、つまりは中医学とは漢民族に伝承されていた漢医学であるとも囁かれます。

ご存知のように中国大陸には55部族もの少数民族が暮らしておりますから、それぞれの少数民族が独自の固有の医療養生システムを保持しているはずですから、ただ多数派のいち民族である漢民族だけの医療がなぜ国策医学として体系化されたのか、は少し色んな意味で考察の余地がございます。

まだるっこしい論説はしたくないのでアッサリと結論めいたことを提示して本稿の核心に迫りますが、古代中国において国家というものを安定させるために必須なマインドコントロールとは、つまりは国王を絶対的な権力者として神・カミのように崇めることだった。

宗教儀礼のなかで国王を神の使いか、もしくは神そのもののように演出することで国民を洗脳して、国王の意に従う国民を創り、国家を国王の支配下に収めた。

これが古代国家の成り立ちだったとまずは強引に認識してみます。

ではこの国王を神のように崇める王朝にとって邪魔な存在とはいったい誰であったのか?

わたしがみるところ、恐らくはシャーマンであった巫医がもっとも邪魔な存在だったのでは、とかねがね感じておりました。

神の代弁者もしくは神の使いは国王ただひとりでなければ、国王の権威は保てません。

55部族の少数民族にそれぞれその民族が信頼する神の声を伝えるシャーマンが居り、それぞれの少数民族は何か困ったことが発生したり、病気になった場合にはまずこのシャーマンを頼り、シャーマンのアドバイスにより身心の安定を得ていたとすると、

やおら国王などを持ち出されても、自分たちの信頼するシャーマンのアドバイスを優先します。

ようは殷王朝がキョウ族を徹底的に弾圧し復活しないように首を落としたおびただしい遺体を穴の中に埋めたように、国家とは常に支配の邪魔になるシャーマン的な勢力をしらみつぶしに潰すことでその強大な支配力を維持すると言えます。

薬草の知識に長けた「賢い女( ※ 賢い男も含む)」であった中世欧州の「魔女」たちは、国家が制定する国家宗教の支配の邪魔になるがゆえに魔女狩りに遭い、魔女裁判のうえ火炙りに遇されたのです。

その数は30万人とも言われます。

国家なる化け物は支配の邪魔になるものを徹底的に弾圧してかかります。

本シリーズの始まりの枕に引用した沖縄のシャーマンであるユタのエピソードを思い起こせばお分かりのように、この日本という国家も近世江戸から近代日本に舵を切る明治維新の際に、

ユタを弾圧したと同じく東洋医学を弾圧し、それに替わる国策医学として西洋医学を採用したことは誰もが知るところです。

民衆が手軽にできる自治的な医療があれば、国家が威張って厚生事業を展開する必要などありません。

グローバル医薬ビジネスはその国や民族が保持していた固有の自治的医療や養生法をメディアや国家政策をつかって、蚊帳の外へと追いやることで巧みに世界の医療マーケットを創造し、莫大な利益を吸い上げる医療ビジネスを展開してきたのです。

ここまでの本稿の論説で何を言いたいのか?というと、

ようは中医学もまた恐らくは国家医学となる過程で当時のシャーマンたちを惨殺したかもしれないし、また東洋医学を文字文献に体系化する際にその医学コンテキストの中からシャーマン的な要素をすべて排除した可能性がある、と言いたいのです。

インド医学やチベット医学における経絡図は体内を走行するのみならず、体表にまで浮上し、カラダを繭か卵のように皮膚上から気の粒子が包み込む経絡図が描かれ、あたかも天地とつながっているように経絡の行き先が空中や大地へと自由に連なる絵図などが記載されています。

どういうことか?

つまり中医学はこの自由気ままでアヴァンギャルドな経絡をこの小さな体内に封じ込めてしまったのではないのか?

そう本来はヒトという存在はインド医学やチベット医学が描く経絡イメージのように、天地とダイレクトに接合した文字通り天人合一で自由な無限の可能性を秘めた神のような存在だった。

これはヒトが天地父母である大宇宙と常に一心同体の身体観だ。

しかしこの天地宇宙と通じていた経絡イメージを中医学においてはただ体内を周遊する今の私たちが教育された経絡図に矮小化してしまった。

いったいこれにはどんな意味があったのか?

ここにひとつの国家戦略があった!とわたしはずっとココロのなかで考えておりました。

先日にsasaraさんがご来院された際に、ふとそんな話をしたのですが、ここにきてリアルにこのことが気になり出しました。

ヒトは本来的に宇宙や地球と一心同体な天人合一な存在であるのなら、国家などという卑小な存在の前にひれ伏すことはおかしな話で、

まずもってヒトはこの大宇宙の理や気に我が身を同化し恭順すべき存在なはずです。

鍼灸指圧術には実は治病という側面ではなく、本来は宇宙と同化できるヒトの周波数調整という非常にスピリチュアルな側面もあったのではないのか?

なるイメージがここのところ我が意識界に降臨しております。

病気を治すのではなく、身心の調整調律をするために鍼灸指圧を受ける。

こうした新しい鍼灸指圧の受け方が広まることは未病治医療の普及にも貢献できます。

精気神をつなぎとめ天人合一に目覚める新しい鍼灸指圧。

そんなニューパラダイムの東洋医学の地平が今、眼前に姿を現しています。

「相互治癒、相互変容」の結果、いよいよ自分の中で新しい東洋医学が胎動を始めました!

養生文明・クオラムセンシング・ムーブメントを先導するは

新しい東洋医学に目覚めたオレ様、ハリィーだぜい!

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2015.06.20 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

コメント

ユタの弾圧と。

ユタの弾圧と、修験道弾圧・漢方廃絶は、同じ文脈にあるように思えます。


そういえば、経絡を新の王莽が解剖をして、それで確定した・・てような記事を読んだことがあります。

それもきっとなにかあるのでしょうかね。


儒教の国家神話で、すべて支配したい古代帝国の思惑。


華佗や古代の医者が「バカにして怒らせて治療する・笑い話をして馬鹿笑いをさせて治す」っ話は、現代医学では「トンデモ」でしょうが、心身の密接な関係をいうと、真っ当な話ですし。


まあご承知でしょうけど、なにかまあ話の枕にでもなれば。

失礼しました。

2015/06/20 (土) 17:47:26 | URL | 忠武飛龍 #- [ 編集 ]

魔女=賢い女=薬草医

欧州中世において魔女狩りが徹底されて、その替わりに薬草を扱える特許権を薬剤師のみに認め、

魔女がおこなっていた産婆役を男の医師が執り行うようにしていったのも、

ユタ狩りと修験道弾圧と日本鍼灸・日本漢方のランク外通告と、廃刀令、廃仏毀釈と

すべて同じ文脈の出来事と認識する次第です。

宋学は朱子学がメインな潮流で、この朱子学という儒学を江戸期は国策アカデミズムとして採用するわけですが、

支配体制を敷くには儒教が都合がよい、というのは何となくうなずけますね。

朱子学は気の上位に理という概念を創設して、この理のアイデアを掲げたことで奔放でアヴァンギャルドな生命力の源である「気」を手なづけてしまったように感じます。

しかし本来は理という概念など架空であり、気一元論こそが無限タオ道の真骨頂なわけで、

ここ数世紀の文明の動向をみても、今後は気フォースをすべての根本原理に据えたメガトレンドを生み出すことが

人類を存続させていくうえではマストな条件になると確信しております。

易経はボチボチと手がけています。

まだまだ知らないことばかりなので、ひとつ貴重な情報提供を飛龍さんにも頂いて、

21世紀版の気フォース一元論を深めていきたく思っております。

貴重な情報を頂きまして、有り難うございます。

2015/06/22 (月) 07:40:18 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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