躰を創る 14

「周流する惟(た)だ一気   天地は人と同じ
 
 天地は故(ことさら)に息(や)まず 人為(じんい)は斯(ここ)に窮する有り」

                          陸游・著『剣南詩稿』より






中国の歴史において宋の時代(西暦960年〜1126年)の300年間に文化文物が花開いたことはつとに有名であるが、

この時代に文人(ぶんじん)や士太夫(したいふ)と呼ばれる一種のインテリエリートの地位が確立されて、彼ら文人たちが宋時代の文化をリードしたとも言われている。

養生法の探求というカテゴリーにおいても、この宋時代の文人たちが非常に興味深い独創的な見解を数多く遺しており、

詩人として有名な白居易(白楽天)、『東坡養生集』12巻を表した蘇東坡、養生探求において蘇東坡にまさるとも劣らぬ旺盛な関心と実践を示した詩人の陸游が、

宋時代の養生探求の三大家と目されている。

冒頭の詩は『宴坐』と題した詩人の陸游85歳の作品である。






意訳すれば

「この大宇宙はただひとつの気が周流することで維持されており 

人にとっての天である外部環境も

人そのものである内部環境も

この周流する大宇宙のひとつの気で養われている

大宇宙の気は滞って止まってしまうことはないが

人における気の流れは滞って止まってしまうことがある」

とでもなりましょうか。







「躰を創る」ということの究極はこの陸游の詩に表現されているように、

「天地人の気を融合していくこと」

と言えます。







つまりカラダのどこにも気の滞りがなければそのカラダは天地宇宙と一体と言えます。









天地も人も カオス(混沌)にしてコスモス(秩序)

医術という秩序を果たしたならば  あとは混沌に任せるが宜しい

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2015.06.17 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

コメント

初めまして

飯山先生や亀さんのサイトをみて、興味がわきました。

興味の分野が、私とぴったり{趙宋など大好きですし、易も仏教もいいです。}なところが多いですし。

また伺わせてもらいます。

浅学菲才ですが、よろしく。

2015/06/18 (木) 16:29:58 | URL | 忠武飛龍 #- [ 編集 ]

はじめまして!

「播州武侯祠遍照院」ブログオーナーの忠武飛龍 さんですかね?

以前に「 死んだ切り分けた臓器を見ても、生きて動いている人間の治療にあまり役に立たない」というタイトルの記事にて、

こちら養生法の探求の記事をピックアップして頂きまして、まことにありがとうございました。

なにぶんこちらも単なる野人ですので、浅学非才の誹りは真逃れませんが、

3.11後という未曾有の危機的事情ゆえに今後も情報発信に努めていきます。

中国の思想史を概観すると儒・仏・道の三教がインタラクティブに影響しつつ、特異的に発展した気の思想と実践法が

こんにちまで2000年以上ものながきにわたり継承され洗練されて今に至っているこの奇跡には改めて驚きますね。

西欧のアカデミズムがとっくにパージしてしまった生気論をひたすら探求し深めていったのが東アジアの気の医学の歴史でした。

養生文明の再興には気の思想は必須となります。

どうぞ、お力添えのほどお願い申し上げます。

2015/06/19 (金) 05:22:46 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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