47年前のエビデンス

【施灸によって、白血球数が著しく増加することについては、既に青池正徳博士や原志免太郎博士によって報告され、針灸界でもこのことは常識になっている。だがこれらは無病の動物に行った実験であり、原志免太郎博士の如きは、家兎に0.5グラムもの大灸をすえた実験である。0.5グラムの灸というと、人間の大人の拇指頭大にも相当する大灸であって、人間の体よりも遙かに小さい家兎にとっては、大火傷に該当するような過大な熱刺激である。だからこの実験を人体にあてはめて考えることは、妥当でないように思う。その後にも、人体に施灸した実験報告があり、白血球の増加が認められている。だが、それらは病体に施されたものでなく、正常な人体においてなされたものであった。そこで、病気のために白血球が著しく減少したような人間の場合に、灸を施して果して白血球が増加するであろうか。そうした実験報告がほしかった。ところが、私は子宮癌手術後にレントゲン照射をやって、それが過剰となり、骨髄における白血球の再生能力が低下して再生不良性貧血症となった患者の治療を引受けてやったことがある。それは2例だけであったが、2例ともが長期間病院に入院し、輸血をつづけ、どうしても白血球が増加せずに困っていた。お灸をはじめると白血球が増加しはじめ、根気よく針灸治療を継続することによって、白血球数が正常数に回復し、遂に治癒したのである。これについては、日本針灸治療学会で発表し、会誌にもその報告がのっている。ところが、本年(43年)になって、よい1例を得た。これは50才前後の男性で、睾丸に悪性腫瘍が出来、それを手術したが、転移と再発を予防するために、コバルトとレントゲンの照射を患部と腰臀部とに繰り返し行った。その結果、著しく白血球の減少を来たし、血液1ミリ立方に対する白血球数が3000以下となってしまった。もう既に生命にとっての危険信号である。病院側では、これが正常値(5000)にもどるに、少なくとも数カ月以上かかるといって心配していた。私がこの患者に、9月に全体的な治療を施して灸したところ、約1ヵ月の施灸で、今まで3000以下だったものが5000となったのである。病院側でも、この成績を見て非常におどろいているとのことで、私も非常にうれしい。私としては、この治験によって、人間の病体に施した灸によって白血球数が著明に増加したという実証を得たのが何よりうれしい。】代田分誌「針灸臨床ノート・下巻」医道の日本社より


被曝大国日本には被曝に対抗できる伝統医療が存在した。

しかし、その事実をいまだこの国の99%の国民は知らない。

そのへんに転がっていた医療こそ、被曝に対抗できる世界一の医療だった。

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2016.09.30 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

奇跡の理由



按摩が生み出した奇跡の実例 ←クリックしてご覧ください



「・・交通事故の結果、足の動脈血栓になった。切断しないと足の先から次第に腐ってくるという。そんな時、「いつまでも入院していても治らないんだったら」と、日本デザインセンターで同僚だった高橋睦郎君が、鍼灸師の先生を紹介してくれた。この先生の治療法は病院の治療法と真逆の方法でみるみる奇跡的に回復していった。入院を続けていると片足切断の運命にあった。僕にとっては彼は命の恩人である」
『この道 横尾忠則』中日新聞 夕刊 2016年9月14日




冒頭クリックはこのブログを開設して間もない頃に書いた記事だ。

A君が奇跡的に回復して大学に通っている逸話は当時、新聞記事にもなった。

その新聞というメディアに、つい最近に掲載された鍼灸の奇跡ネタが

この「」内に貼り付けたアーティストの横尾忠則氏の実話だ。

どちらも交通事故という突発的なアクシデントによる傷害から

鍼灸指圧により奇跡的に回復した実例だ。

冒頭クリックのA君の場合は厳密には鍼灸指圧師が行った奇跡ではない。

書かれているようにご家族による献身的な按摩により奇跡的に意識を

回復したのだ。しかし、これは原始的な按摩、

鍼灸指圧と位置づけても良いだろう。

再三にわたり奇跡という言葉をここで使用したが

なぜその奇跡が起こったのかを分析することで、

身体の持つ復元力の真相すなわち「奇跡の理由」にたどりつかねば意味がない。

なぜ脳死状態から意識が回復し、血栓が開放されて血流が回復したのか?

ひとことで言えば鍼灸指圧がもたらした分子ホルモンのチカラだ。

鍼灸指圧は一酸化窒素を産生する。

一酸化窒素は血管を拡げて血流を促進し、

免疫細胞のマクロファージを元気づけ、

認知機能を高める。

この一酸化窒素のチカラだけでもA君や横尾氏の状態が回復するだろう。

さらにオキシトシン、βエンドルフィン、ヒートショックプロテイン、

ATP、プロスタグランジンなどのホルモンが鍼灸指圧で産生される。

これら鍼灸指圧で産生量が増す分子ホルモンの治癒力により

A君は奇跡的に回復し、横尾氏は奇跡的に回復したのだ。

しかしこれら重篤な交通事故の後遺症だけに

鍼灸指圧は奇跡的に効くだけではない。

日常的なあらゆる疾患症状に鍼灸指圧は奇跡的な効能を発揮する。

それは鍼灸指圧が身体がもとから持っている分子ホルモンの

チカラを十全に活用できるからなのだ。

我が治療院でも、日々、驚くような治験例が生まれている。

奇跡はありふれた日常にある。

2016.09.28 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

脱コレアレ論

コレが万病の原因だから、

コレをもとから絶つアレを呑めば、

すべての病気は治る。

このコレとアレというシンプルな因果の論理で

アッサリとひとを洗脳するコレアレ論。

この恐ろしく幼稚なオッカムの原理主義とでも呼べる

論説がネットをはじめ書店の健康コーナーに溢れている。

いまもっともホットなコレアレ論が、

すべての病気の原因は活性酸素による細胞の酸化にあった、

とコレを説き、そこから抗酸化物質で酸化は抑制できる、

とアレを見せて、例えばだから

水素水を呑めば身体の錆びである酸化が抑制されて、

すべての病気は改善する、と落とし込む。

この酸化をコレと特定し、酸化を防ぐ物質をアレと

開陳してのコレアレ論の侵蝕率は目を覆うばかりだ。

病気の原因は実に多岐に渡る。

なにせ命はカオスにしてコスモスなフラジャイルな存在だから。

病気の原因よりもカオスにしてコスモスなフラジャイルな命を

健やかに養う分子を量産する。

さすれば自然に体調は整うだろう。

はい、これぞコレアレ論を越えるコレアレ論(笑)

2016.09.27 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

指圧女子

うちの治療院の地元の常連さんにIさんという御婦人がおります。

Iさんは4年前にシビアな手術を経験しました。

その手術の前から私の治療院に通い始め、

術前から術中、そして術後から現在まで、

温灸と指圧での手術によるQOL(生活の質)の低下を

バックアップしフォローする養生法を継続してきました。

その甲斐あってシスプラチンの副作用による末梢神経の痺れも

即効で完治し、下腿部にソケイ部リンパ節の腫れが出ることもなく

速やかに体調を回復し、今では元気に高校で教鞭を執っております。

ある時、Iさんはしみじみと

「わたしがこうして今、元気でいられるのは、

ここでこうやって指圧や温灸を、あれ以来、

すっと続けてきたからだと思う」と仰ってくれました。

昨今はコンベンショナルなガン治療に疑問符が提示されています。

たしかにいろいろとガン治療の周辺には問題が山積しています。

しかし、通常医療のシステムそのものに個人が抵抗できるかといえば、

それはほぼ不可能といえます。

そもそも医師たちもまたこのコンベンショナルなガン治療のシステムに

動かされる駒なのですから。

そうした抗えない流れのなかで、IさんのQOLをいかにバックアップできるか?

わたしはそこに狙いを定めて温灸と指圧をつづけてきました。

その成果こそ定期的に我が治療院に通う今現在のIさんの元気な姿です。

Iさんは筋金入りの相撲女子。

次回の来院時には豪栄道関の優勝ネタで盛り上がることでしょう。

相撲女子=指圧女子。

そう、これからはもっともっと指圧女子を増やしたいですね。

うちの治療院には指圧女子、かなり多いです。

90代から30代までがメインの指圧女子が

こぞって通う養生の桃源郷。

さあ、我が光伯堂で、

一酸化窒素とATPとヒートショックプロテインと

βエンドルフィンとオキシトシンの

分子ホルモンの仲間が、うずうずと

湧きいずる瞬間を待っている!

2016.09.26 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

枝豆さん

今年の夏は枝豆を栽培してみた。

これまでの経験では、いつ畑仕事に挑戦しても

成功したためしがない。

だから今夏の枝豆の収穫も全く期待していなかった。

結果は如何に?

はい、それがこれまでのジンクスを破り、

見事に美味しい取れたて、茹でたての枝豆を食べることができました。

やっぱり、さっき取ったばかりの枝豆には、

生気が溢れているというか、本当に旨いんです。

この枝豆の根には皆さんもご存知のように

根粒菌の一種が棲み着いており、この窒素固定細菌によって、

大気中の窒素が枝豆のなかのアミノ酸に変化して、

結果として枝豆を食べた者の体内に窒素源が

供給されるというわけです。

わたしたちは枝豆を通して土中菌とつながり、

土中菌を通じて大気中の窒素とつながっているのです。

つまり枝豆を食べるということは、

土中と大気と深く結びつく行為といえます。

よく食養生の世界では身土不二(しんどふじ)という言葉を唱えます。

この言葉をただ漠然と念仏のように唱えても別にありがたくも

なんともありませんが、こうして枝豆を自分で栽培して、

手塩に掛けて育てて、美味しく頂くプロセスを経てみると、

なるほど身土不二とは、やはり言い得て妙、

わたしたちと大地や大空はひとつながりである、

ことを深く実感しました。

わたしたちの体壁筋肉系と腸管内臓系が

インタラクティブにつながっているように、

わたしたちの躰は地球環境とインタラクティブに

ひとつの存在である、との思いを新たにしています。

少しずつ亀裂が生まれた地球との絆を修復し、

本当の意味で地球と健やかに共生できる文明を

一刻も早く創設しなければなりません。

枝豆のアルギニンが体壁筋肉系を指圧することで、

血管壁で一酸化窒素に生まれ変わり、

認知機能を活性化してくれました。

枝豆さん、もまた養生クリエイティブ・チームの一員です。

2016.09.25 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

カオスにひそむコスモス


体壁と脳と腸管の連環についての小コラム ←クリックしてご覧ください


この冒頭クリック記事は私がこのブログを書き始めた2012年1月15日から

わずか5日目の7番目の記事だ。

短いコラムだが、自分で言うのも何だがなかなかに含蓄がある。



体壁筋肉系と脳は神経を介して密接につながる。

また体壁筋肉系は神経を介して腸管内臓系ともつながる。

さらに体壁筋肉系は神経だけでなく、皮膚細胞や筋肉細胞が

産生する一酸化窒素やヒートショックプロテインやβエンドルフィンや

ATPやプロスタグランジンなどの様々な分子により、

血行性に全身の細胞とつながる。



つまり体壁筋肉系への鍼灸指圧は全身の細胞の調整になるのだ。



昨夜、睡眠薬がわりに久しぶりに

池波正太郎のエッセイ「日曜日の万年筆」新潮社を読んだ。

その巻頭の「私の休日」というタイトルの一文に

以下のように鍼治療に関する記載がある。



「・・去年の秋に神経痛にかかって以来、私は毎週の日曜日に、鍼と指圧の治療を
受けに、荏原の自宅から杉並の方南町まで出かけるようになった。
何故、日曜の治療にしたかというと、平日なら車輌の混雑で一時間余もかかるのに、
日曜ならば三十分で鍼医の家へ到着してしまうからである。
鍼を打った日は、どうしても躰がだるい。
帰宅して入浴すると、夕飯までベッドへころがって眠ってしまうので、
仕事にはならない。近ごろの私の日曜は、あまり仕事がすすまなくなった。
つぎの日から、疲れが抜けて元気になる。
だから月曜日に、根気のいる仕事へ立ち向かうことになってしまった。
鍼の治療のために、いまの私にとって、日曜日は他の人びと同様の休日になった。
そのかわり、治療を受けている一時間に、小説の構想をととのえる。
それが習慣となるように、自分を仕向けていると、ほんとうに習性となってしまう。
治療室のベッドへ、うつぶせになったとたん、連載中の、
いくつかの小説のイメージがつぎつぎに脳裡へ浮かぶようになってくる。
これはやはり、肉体がそのように反応してくれるようになるのであろう。
私は、仕事の行き詰りを頭脳からではなく、躰のほうから解いて行くようにしている」



冒頭クリック記事に登場するナチスのヒムラーも池波正太郎も、

自分の躰でマッサージや鍼や指圧を体験することで、

体壁筋肉系と脳と腸管内臓系のつながり、を感得したのだ。



皮膚を押すと一酸化窒素の産生量が高まり血管が

拡張し血圧が下がり血流が増し、認知機能が活性化する。

皮膚を押すと皮膚からATPの産生量が高まり認知機能が活性化する。

皮膚を押すとβエンドルフィンやオキシトシンの産生量が高まり

認知機能が活性化する。



治療室のベッドへうつぶせになって、肩や背中を押された瞬間に、

一酸化窒素とATPとβエンドルフィンとオキシトシンなどの

分子ホルモンがポップコーンがはじけるように湧いてきて、

脳活祭り、認知機能が活性化し、小説のイメージが湧いてくるのだ。



体壁筋肉系は実はクリエイティブな仕事に欠かせない器官だったのだ!



マリリン・モンローの胃ケイレンも、浪越徳治郎の指圧一発で解消した。

シャックリも胃ケイレンも、腸管内臓系の症状だが、

それが体壁筋肉系へのアクセスで雲散霧消するのだ。

これこそが京都大学生理学教室が解明した世界に誇る

「内蔵体壁反射、体表内臓反射」という原理だ。



生体システムというカオスにひそむ厳選としたルール、

コスモスを発見し、それを応用することで、

命を健やかに導く。それが養生法だ。



ヒムラー、ヒムラーのお抱えマッサージ師、

池波正太郎、池波さん専属の鍼医、

浪越徳治郎、マリリン・モンロー、

京都大学生理学教室、

そして鍼灸指圧師ハリィーこと養生クリエイターの今村光臣は、

体壁筋肉系と腸管内臓系のインタラクティブなつながり、

を発見し実感することで、ついにひとつならりにつながった。



ブラボー!

カオスにひそむコスモスは美しい。





2016.09.25 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

新生ハリィー



トリニティの新シリーズがスタート! ←クリックしてご覧ください




はい、ということで長らくご無沙汰しておりましたトリニティ誌上での

連載シリーズをリスタートしました。

題名は「カオスからコスモスを引き出す実践的養生法論」です。



前シリーズのラストでは次回のシリーズは免疫をメインにする、

と予告しました。それで免疫がらみでどんな論説を組み立てようか、

とツラツラと思案したのですが、免疫だけに焦点を絞ると、

ネタが狭くなるような気がして、もっと大きなスケールで、

論じる目論見でこのようなタイトルになりました。



現代科学は今や素粒子という最小レベルの世界から、

宇宙の大規模構造の泡モデルの最大レベルまで、

ひととおり説明できる程に進歩発展を遂げました。

古代人ではわかりえなかった宇宙の真実の一端の多くを、

現代人はすでに手にしているのです。



しかし、そうではあっても、

こと生体という生きた生身の命が見せる

驚異的な復元力や、逆にどうしようもない脆弱さ、が

いったいどんな機序で動いているのかについては、

まだまだわからないことだらけです。



命もまたこの宇宙と共に生きているのですから、

恐らくは宇宙を動かす原理と同一の原理が作動しているはずです。

その同一の原理を見つけ、それを応用すれば、

もしかしたら命をよりよく活かすことができるかもしれない。

そんな24年間の様々な思案、逡巡、実験、体験、立証から導かれた

私なりのクリエイティブな養生法論や、実践的な養生法のコツを、

この新シリーズでは公開していくつもりです。



初回の其の壱では、シャックリというごくごく当たり前にある生理現象に

スポットを当てました。

シャックリ止めの秘法は実はこのブログですでに公開済みです。

とはいえ、文字上ではその全容詳細を伝えきることはできません。

そして、その方法を真に他者に伝授会得させることは、

恐らくは至難のワザ、不可能に近いと思われます。



どんな情報も簡単に手に入る時代ですが、

文字上の情報では、やはり真のリアルのディテールを

伝えるには不向きです。

ではありますが、なんとか文字を使って、

養生法の面白さを伝えてみます。



シャックリという日常的な生理現象にも、

いまだやまいならざるをちす、の

未病治のカギがあるかもしれません。

内臓の何らかのメッセージがシャックリとなって現れる、のなら、

シャックリというメッセージを大切に受け取って、

体表から内臓へとこちらからメッセージを投げ返すことは、

養生をするうえで良いこと、必須なことかもしれません。



つまり体壁筋肉系を慰撫することで、

腸管内臓系を養生する、ということです。



ごくごく当たり前の誰も気にしないようなシャックリと言う生理現象から、

生体宇宙の養生原理をつかみ取る。

これぞハリィーの真骨頂!


変わることで、変わりなくありつづける。


養生クリエイター・新生ハリィーの挑戦が

幕を開けました!



では、今後とも本ブログならびに

トリニティ新シリーズをどうぞよろしくお願い申し上げます。

2016.09.22 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

セレブ越え

セレブという言葉が一般的になったのは、ここ15年ほどの出来事だろうか?

このセレブという言葉がいったいどういう意味を持つのか、

正確には知らない。

よくハリウッドセレブなどという使い回しがされるから、

そういったショービジネスの華やかな職業人を意味する場合もあるようだが、

恐らくは一般的な概念としては昔風な言い方で言えば

「お金持ち」や「大金持ち」、あるいは「成功者」や「成金」と

いう意味合いも含むように思われる。

ようは、人々が憧れるようなステイタスのある地位や職業や権力や財力を

総称してセレブと呼ぶのだろう。

こうしたセレブの周辺には、一般庶民が手の届かない高額な製品や商品が

溢れているように見受けられる。

クルマにしろ、時計にしろ、宝飾品にしろ、家屋敷にしろ、

およそ一般庶民のグレードとは一線を画す。

むろんだからこそのセレブなんだが、

べつにわたしにとってそれらはうらやましがるような憧れの対象でもないし、

そんな生活を心底希求することもない。

クルマは雨風しのいで無事に走ってくれればそれでいいし、

時計は持たない習慣だし、宝飾品には縁がないし、

家屋敷はいまあるものを維持していくので十分だ。

分相応、ひとそれぞれに応じたナリというものがある。

でも、オレも男だから100万円のクルマよりも、

1000万円以上もするようなスポーツカーの方が断然にカッコイイとは

思うし、そういう部分では憧れの対象にはなる。

でも、憧れと言ってもそれらを所持している人に対してではなくて、

あくまでそのカッコイイクルマに対してだ。

クルマではなく人に対して憧れる場合はまた別だ。

例えばわたしの子供の頃のヒーローは寺沢武一という

漫画家の代表作である「コブラ」というストーリーに登場する

主人公コブラが憧れの対象だった。

コブラの筋骨隆々の身体能力と、どんなに危険な状況に陥っても

冗談を言い、にやけた余裕をみせる。

そんなタフガイの活躍、男の美学に

男の子ながらに心底惚れたものだ。

19歳の浪人中に池波正太郎の「藤枝梅安」を読んで、

池波ダンディズムにはまった。

その後、どういうわけか梅安と同じ職業に就くことになるとは、

当時は夢にも思わなかったが、今では梅安と同じ鍼師であることは、

自分にとっての誇りだ。ちなみに小説ではあるが、

梅安が生まれたのは藤枝市で、自分が通った高校もまた藤枝市にあった。

高校を卒業し自宅浪人中に読んだ小説「藤枝梅安」が

その前後の私の人生に妙にシンクロしているのは不思議だ。

池波さんにはエッセイの「男の作法」で、男としての生き方を

教えて頂いた。刺身を食べる時は、わさびを醤油に溶いてしまわないで、

刺身にちょっと付けて、それを醤油につければ、

刺身をつける醤油はいつまでも汚れないし、

そのほうが綺麗に見えて旨い。

そんな刺身の食べ方まで細かく指導してくれる「男の作法」。

この本がもっと読まれれば、ダンディーな男がもっと増えるだろう。

男の衣装は二色をもって最上とする。

最近になって気づいたのだが、この池波流儀のファッションにおける

カラーコードが、完全に最近になって自分のファッションコードに

なってしまっている。赤と白、黒と白、青とグレー。

わたしは最近身につける服はほとんどすべて二色の組み合わせだ。

チンドン屋のようなド派手な出で立ちをしたこともあるが、

最近はめっきり池波ダンディズムに落ち着いたようだ。

このように自分にとっての憧れは、いつも自分主観であり、

デンツーメディアが捏造したマーケティングな流行りとは、

常に一線を引いてきた。

フンッ、なにがセレブだってぇの!

結局は、それってみんなの憧れではなくて、

勝手にそういうたぐいのものを憧れにすることで、

庶民に負け犬根性を植えつけてるだけじゃん。

いちばん腹が立つのがセレブの周辺には指圧の話題なんか、

いっさい出てこないこと。

指圧の素晴らしさを知らずして、なにがセレブだってぇの!

そう、わたしの治療院には近在からも遠方からも、

このブログを読んでくれた読者がこぞってご来院くださいます。

こうしたクライアント様こそ、わたしにとっての真のセレブなのです。

「カリスマ治療院なんかゴマンとあるのに、どうして私の治療院を

選んでくれたのですか?」と質問すると、

「ブログを読んでいて、先生ならと思って。

自分の住んでいる近くにも治療院はあるけど、

そこはブログをやっていないから、

どんなことを考えているのか、わからない」

そうなんです。

本ブログの読者の皆様は私が日々、何を考え、

どんなポリシーで治療をおこなっているのかを

十分にこのブログを読むことで吟味し、

これならと思って、クルマで2時間、3時間もいとわずに、

我が治療院まで足を運んでくれるのです。

自分主観で自分にピッタリとマッチする治療院を探り当てる。

そうしてエセセレブが知らなかった真の指圧の凄味を体感してくれる。

わたしのクライアント様たちは、とっくにセレブ越え、だったのです。

捏造された価値観に踊らされることなく、

自分独自の価値観に生きる。

それこそが生きる美学、ダンディズムではないでしょうか。

2016.09.21 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

光伯堂・バスツアーのご案内



静岡駅から光伯堂までのバスのアクセス方法←クリック プリーズ!




先週はこのブログを1年以上読んでくださっている初めての

クライアント様が2名もご来院くださいました。

おひとりはここ静岡県は駿河区にお住まいの男性が静岡駅発のバスで、

もうおひとかたは愛知県は名古屋市の西方にお住まいの女性がおクルマで、

はるばるご来院くださいました。

近在や遠方よりお越し頂きまして本当にありがとうございました。

遠方からお越し頂くクライアント様によく聞かれるのが、

静岡駅からバスで来るアクセス方法についてです。

我が治療院「鍼灸指圧 光伯堂」に静岡駅から来るには、

駅北のホテルアソシア前の14番乗り場から

「特急静岡相良線・相良営業所行き」に乗ると便利です。

このバスに乗ると静岡駅を出て東名高速道路をくだり、

吉田インターチェンジを降りて、だいたい45分で

光伯堂の付近に到着します。

光伯堂へ降りる停車場は「榛原病院入り口」となります。

平日と土日では降りる場所が違い、2箇所ございますので、

どうぞお気を付けください。

また帰りのバスのバス停は榛原病院入り口から静岡駅へ行くバスは、

15時台までしか回ってきません。

ですから、帰りのバスの停留所は光伯堂から150号線沿いを東に向かって

歩いて、丸紅エネルギーのガソリンスタンドの反対側、

ツタヤのやめた不思議な建物の前から静岡駅へ帰る段取りになります。

静岡駅からバスで光伯堂に来られるクライアント様におかれましては、

以上の旨を御了承くださいますことをお願い申し上げます。

この静岡駅発・体壁テーマパーク・光伯堂・バスツアーは、

実は遠方から来られる常連様には大変に好評を頂いております。

静岡駅付近の都会めいた景色が徐々に緑豊かな自然の景色に変わり、

大井川を越える辺りで、またガラッとひなびてきて、

吉田インターチェンジを降りると、やおら鰻の蒲焼きのお店が

増えて、吉田城を目にすると、お目当ての光伯堂へ。

そんなバスツアーの養生旅もまた良し、

の「鍼灸指圧 光伯堂」に、

今後ともよろしくご贔屓の程お願い申し上げます。



2016.09.20 | | コメント(4) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

体壁テーマパーク

「このあいだ、いつものように、肩が凝ってどうしようもなくなってきて、

ちょうど電気屋に行ったもんで、電気マッサージ器に15分間乗ったんだけど、

全然効かなくて、やっぱり、最後はココに来ないとダメだって気づいて、

ようやく今日、来たんだけど」

「ダハハ、でも、これだけ目一杯、指圧すると、いつも揉み返しが

来るんでしょ?」

「うん、でも、そのくらい強くやってもらわないとオレの場合、効かないし。

それで明日はまだヒリヒリと揉み返した部分が痛かったりするんだけど、

あさって頃になると、それが抜けてスーッと楽になる。

このスーッと揉み返しが抜けると共に身体全体が軽くなるのが、

ここでしか味わえない快感で、もうたまんないの」

「揉み返し、すら楽しめるってのは、かなり通だよね」

「本当はさ、先生にこんなに固くなった身体を押してもらうのは

申し訳なくて、もっと早く来ればいいんだけど、

オレもまだ若いつもりでいるから、

さすがに月いちココに来るのは、

まだオレのプライドが許さない(笑)」

「だいたいGさんと私は同い歳だから、

その気持ちはよくわかるね。

で、またそれだけ、凝ってからやると、

そのほうが気持ちよかったりするしね」




昨日はアラフィフ手前のわたしとおないどしの常連さんのGさんが

久しぶりにご来院くださいました。

Gさんはこちら冒頭の会話録にありますように、

揉み返しも楽しめる真の意味での指圧ファンです。

揉み返し、というのは揉んだ部位が

翌日になって筋肉痛のように痛むことを言います。

この揉み返しを、下手な治療師の失敗とみるか、

自然な生理現象とみるか、で治療師の評価が違ってきます。

ちなみに、わたしは揉み返しは治療の成功例とみます。

揉み返している部位の分子レベルにおいては、

変性タンパク質からヒートショックプロテインへの流れが加速しています。

凝っていた部位へとさらに凝るような刺激を与えることで、

凝りを治すヒートショックプロテインな機序を「強引に」引き出す。

これもまたひとつの治療テクニックなのです。

かの触手療法の創始者であった故・福増廣幸氏の談話のなかにも、

「ギューギューとわざと押して古い凝りを引き出す」

なる言葉が見られます。

優しく揉むこと、気持ちよく揉むこと、だけが治療ではありません。

あくまで最終的な結果として身体全体が軽くなったという体感を

引き出すためには、様々なテクニックが要求されます。

「先生の指圧はいきなり最初から

ジェットコースターが急降下するみたいに、

手加減なしで、マックスの力がかかってくるから、

ヒーッ!ってなります」

こんな事を言われたこともあります。

患者さんが来院して最初に触るファーストタッチは、

その日の治療の成敗を決めるうえで重要です。

本来なら優しくソフトに触れてスタートすべきです。

でも、時にはスーパーハードにいきなりジェットコースターを

急降下するように押すこともあります。

凝りが強いほどに、押した痛みもまた強く感じるものです。

その強く感じていた痛みは、1時間たっぷりと丹念に治療した後には、

すっかりなくなっている時もあります。

またそうではなく、施術後に、新たな痛みが生じている時もあります。

こうしたイレギュラーでバラエティーに富んだ治療の結果もまた、

すべて体壁筋肉系が魅せるありのままの自然の生理現象なのです。

時にジェットコースターの急降下におののき、

時に雲に乗るようなソフトな快感に酔いしれる。

体壁筋肉系は指圧というアトラクションを介して

テーマパークの様相を呈します。

あなたがまだ知らなかった未知なる体感。

指圧はあなたの体壁筋肉系に

快楽のテーマパークをプロデュースします。

体壁テーマパークへようこそ!

指圧は驚きと快感に満ちている。





※ 最近になりクルマで2時間、3時間の遠方からの

クライアント様が、お見えになる機会が増えています。

当院への主要道路からのアクセスにおいて最寄りのインターチェンジは

旧東名高速道路では、吉田インターチェンジから約10分、

牧之原インターチェンジから約25分、

新東名高速道路では島田・金谷インターチェンジから約35分、

などとなっております。

また我が治療院「鍼灸指圧 光伯堂」から南に200メートルほどの

ところに、スーパーのピアゴがございます。

ピアゴのお手洗いは少し前にリフォームされて、

たいへんに美麗となっております。

どうぞ遠方からおクルマでお越し頂く

お客様におかれましては、くれぐれもお気を付けて、

光伯堂グランドツーリング体壁テーマパーク体感ツアーを

お楽しみ頂きますようにお願い申し上げます。

2016.09.17 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

ミッション

乳酸という分子はミトコンドリアのエネルギー産生に必須の材料だ。

この乳酸という分子は通常生理においては、体内各所で代謝されている。

その一日当たりの乳酸代謝量は多い順に、

皮膚  35グラム

赤血球 35グラム

脳   30グラム

筋肉  19グラム

大腸  10グラム

となっている。

乳酸は糖を利用した結果、生じてくる分子だ。

赤血球という細胞にはミトコンドリアは存在しない。

赤血球は解糖系という糖の分解系だけを利用して

エネルギー産生をしている。

糖のみを利用してエネルギー産生をしているがゆえに、

赤血球には乳酸が多いと分析できる。

実は皮膚にはミトコンドリアが少ないとされる。

つまり皮膚は解糖系を主に利用する部位と言えそうだ。

だからかどうかは知らないがやはり皮膚の乳酸代謝量は多い。

さて、ここで注目すべきは脳や筋肉の乳酸代謝量だ。

ご存知のように脳は糖の代謝が盛んな部位だ。

乳酸は糖を大量に利用した場合に多く産生されてくる分子だ。

だから常に糖を大量に利用する脳で乳酸が多く産生されるのは当然だ。

また筋肉も時に糖を大量に利用する。

特に速筋を使うようなハードな筋トレをした時などに筋肉中のグリコーゲンが

大量に動員されて筋肉中で糖の利用が高まる。

その時に乳酸という分子が一時的に筋肉中に多く産生されてくるのだ。

この速筋で一時的に多く産生された乳酸は乳酸トランスポーターを介して、

心筋や遅筋に運び込まれて、そこでミトコンドリアに取りこまれて、

エネルギー産生がおこなわれる仕組みだ。

ここでさらに注目すべきは脳や筋肉にはミトコンドリアが多いという事実だ。

赤血球や皮膚はミトコンドリアが少なく、解糖系を主に利用するがゆえに、

乳酸が多く代謝されていた。

しかし、脳や筋肉にはミトコンドリアが多く存在するのだ。

もしかしたら、脳や筋肉のミトコンドリアはすでに競走馬のサラブレッド並みの

高効率乳酸代謝システムへと進化しているのかもしれない。

飢餓状態に置かれれば脳へと送るグリコーゲンも枯渇してしまう。

もしも脳へと糖が送られなければ脳が機能停止してしまう。

そんな時に外敵に襲われたり、天変地異に見舞われたら、

絶命の危機を迎えてしまう。

サバイバルの判断力を維持するだけのエネルギー源を

常に脳に確保しておくことは、生き延びるためには必須だ。

乳酸は糖を分解した分子であり、

実は糖の代用となるストック・エネルギー源とされる。

筋肉中のグリコーゲンをすべて使い切った後に、

ラストスパートの火事場の糞力のもとが、

なんと乳酸だったのだ!

だとすれば、脳に常に多く産生されている乳酸は、

火事場の糞力エネルギー・ストックと見なしてもいいかもしれない。

乳酸は長いあいだ、まるで排泄物や疲労物質と誤解されてきた。

しかし、こうして落ち着いて分析してみれば、

乳酸もまた人体を維持するうえで欠かせない分子である、ことがよく理解できる。

ゆめゆめ100年前の乳酸害悪論の誤説を反芻するなかれ。

乳酸研究の最前線ではすでに乳酸の汚名は晴れつつある。

昨日の中日新聞の夕刊には、オートファジーの特集が組まれた。

このオートファジーという細胞内リサイクル機構によっても、

乳酸は再利用されていると見込まれる。

ちなみに食品中に含まれる乳酸含有量は、

牛肉    0.9%

豚肉    0.9%

鶏肉    0.9%

赤身魚   0.6~1.3%

チーズ   1.3%

ヨーグルト 1.0%

ワイン   0.2%

日本酒   0.1%

醤油    0.1%

味噌    0.5%

などとなっている。

これらの食品はよく脳を活性化し、

筋肉を滋養するだろう。

乳酸の汚名を晴らす。

わたしに与えられた新しいミッションだ。

2016.09.16 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

グレリンの壺

グレリンという聞き慣れないホルモンは胃壁から分泌されるホルモンだ。

このグレリンというペプチドは腹が減った飢餓時に産生される。

一説によれば飢餓状態になるとグレリンの分泌が高まり、

このグレリン分泌の高まりは大脳皮質ニューロンの新生を促進する、

とされる。

腹が減っては戦は出来ぬ。しかし、腹が減ったら賢くなった。

人類史700万年においてヒトは何度も絶滅の危機に瀕するほどの、

飢餓状態を体験したことだろう。

そのお腹がグーグーとグレリンの咆哮で活発な蠕動運動をし、

腹が減って減ってどうしようもない時に、

人体は脳以外の部位の増殖を抑える替わりに、脳へと栄養を優先的に送り

人間らしい機能を発揮する大脳皮質を特異的に増やす仕組みを編み出したのだ。

それはひとえにヒトが賢くなることで生き残ろうという

サバイバルを模索した生物的かつ歴史的必然だったのかもしれない。

腹の皮が突っ張ると眼の皮がたるむ、などと落語にあるが、

たしかにお腹が満たされると思考は停止し、睡眠モードに突入する。

さて、このグレリンというミトコンドリアを増強し、

大脳皮質ニューロンを増やし認知機能を活性化するホルモンを、

もっともよく分泌させるツボのひとつが膝下にある足の三里というツボだ。

足の三里というツボは歩くときに

最もよく使う前脛骨筋という筋肉の起始部に位置する。

歩くことで足の三里が刺激され胃壁がグレリンで動き出す。

歩くことで足の三里が刺激され胃壁がグレリンで動き出すと同時に、

グレリンが脳に到達し腹が減ったと脳が認識する。

腹が減ったと脳が認識するとエサを求めて歩き出す。

腹が減ってエサを求めて歩き出すと、また足の三里が刺激され

胃壁からさらなるグレリン分泌が促進される。

足の三里はその位置は足にあるが、

まさに足の三里こそグレリンの湧き出す泉、いや壺だったのだ!

「足の三里はグレリンの壺」

こんなコピーを思いつくのは世界広しといえど、わたしくらいのものだろう。

歩き疲れて腹が減ってグレリンが分泌されて

ミトコンドリアが増強されて、認知機能が増したあとに、

やおら御馳走を食べる。

増えたミトコンドリアにたっぷりと栄養素が届き、

脳は満足感のセロトニンやドーパミンに満たされる。

こうしてヒトは食と歩行と脳機能が結びつき進化してきたのだ。

歩くことは生きること。

食べることは生きること。

考えることは生きること。

食べて、歩き、考えて、

歩き、考え、食べて、

考え、食べて、歩き、

生きることを楽しみましょう!

2016.09.15 | | コメント(5) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

三種の分子

神道の世界で三種の神器と言えば、

ヤタノカガミ、ヤサカニノマガタマ、クサナギノツルギが有名だが、

これから養生の世界で三種の神器と言えば、

一酸化窒素、グレリン、乳酸という分子をまずは覚えて欲しい。

これら3つの分子はハッキリ言ってまだまだメジャーではない。

というか、ほとんどの99%の一般人はまったく知らない分子だ。

たぶん、ここを毎日読んでくれている100数十人の

コアヨータンファンだけが特別に知っている分子が三種の分子だ。

この三種の分子がなぜ暗記せなばらならないほど大事か、

というと、この3つの分子こそヒト体内のミトコンドリア数を増やし、

ヒト体内のミトコンドリアの機能を強化できるからなのだ。

ヒトがこの酸素濃度が約20%の地球大気中で生きていられるのは、

ヒト体内に共生するミトコンドリアが酸素受容体になり、

ATPというエネルギー源&情報伝達ホルモンを産生してくれるお蔭だ。

もしもヒト体内にミトコンドリアが棲んでいなければ、

ヒトという生き物は酸素の毒性にやられて死んでしまう。

酸素という27億年前頃に増えだした新しい分子は

地球の原始的な生命体である嫌気性バクテリアに

とってはもともと猛毒だった。

だから嫌気性バクテリアたちは、今では酸素を嫌って土中やヒトの腸内など

酸素に触れない環境で細々とたくましく生き長らえている。

酸素環境の地上で燦々と太陽光線を浴びても平気でいられるのは、

ひとえにミトコンドリアが共生してくれているお蔭なのだ。

猛毒だった酸素のデトックス吸着剤になって酸化毒から細胞を守り、

酸素を電子受容体に利用することでATPというエネルギー源&情報伝達ホルモンを

産生してくれるミトコンドリアが共生したドメインこそ、

昆虫をはじめとする地上に生きとし生ける真核生物130万種だ。

わたしたちはミトコンドリア共生型の生命体だ。

ミトコンドリアが一緒にこの体内で生きてくれているお蔭でこの命があるのだ。

この体内に宿る神とも呼べるミトコンドリアを元気にし、

その生息数を増やす分子が一酸化窒素、グレリン、乳酸の三種の分子なのだ。

三種の分子は前稿で取り上げた方程式を思い出せばわかるように、

「 鍼灸指圧 + ハードな筋トレ = 三種の分子 = ミトコンドリア増強 」

だから、ふだんから鍼灸指圧に親しみ、時々はハードな筋トレをすれば、

鬼に金棒、ポスト311に三種の分子で、

これからの時代をケンシロウの如くにたくましく生き抜いていけるだろう。

なにせ三種の分子のうちの一酸化窒素は被曝防御の最有力分子として、

エビデンスが確保されているのだ。

理論は実際に役に立たなければ、わたしにとってはただの寝言だ。

ただの寝言だけは決して言うまい、と心に誓ってこのブログをやってきた。

寝言ではない真言こそ三種の分子と言える。

ミトコンドリアに着目して20有余年。

ついに三種の分子という強力なミトコンドリアの味方に到達できた。

この三種の分子はゼニなんか一銭もかけずに湧出が可能だ。

腹が減るような運動をする。

これだけで三種の分子の分泌量は高まるはずだ。

健康を手に入れるための夥しい情報が溢れている。

しかしそんな情報のなかに実のある情報はほとんどない。

そんな情報のなかにあるのは寝言に近いただのジャンクコンテンツだけだ。

そんなお粗末な健康カテゴリーに一石を投じる三種の分子という

シンプルな提言。シンプルだが実のあるコンテンツ。

まさに本ブログだから出来た快挙だ。

三種の分子があなたのミトコンドリアを増強します。

一酸化窒素、グレリン、乳酸の時代の到来です。

2016.09.13 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

理の実

前稿では、わたしのハードな筋トレには、

乳酸をわざと普段よりも多く産生することで、

乳酸をよりうまく活用できるサラブレッド型の生き物への進化、

という目的があることを記した。

乳酸研究の現場では乳酸が増えることでミトコンドリア数も増える

ことが予想されており、乳酸がミトコンドリアを増やすシグナル分子と

して機能していることを、これから実験立証していく段階に来ている。

ヒトはミトコンドリア数を増やせれば乳酸活用も容易になり、

ATPの産出も潤沢になることができる。

つまりミトコンドリア数が多いということは、

古典的に言えば「スタミナがある」と言える。

わたしはつまりこの「スタミナがある」タイプの人間になりたいのだ。

ということで、ミトコンドリアの数を増やし、

ミトコンドリアの機能を強化できる分子として、

今現在たしかなエビデンスが取れているのが、

一酸化窒素、グレリン、乳酸という3種の分子だ。

一酸化窒素はいわずと知れた鍼灸指圧で分泌量が増す分子の筆頭だ。

グレリンは空腹時の胃の蠕動運動に伴って胃壁から分泌されるホルモンだ。

乳酸は速筋を使うようなハードな筋トレをした時に分泌量が増す分子だ。

一酸化窒素は血管を拡張するホルモンとして有名であり、

また免疫細胞の司令塔であるマクロファージを活性化する分子でもあり、

さらに脳神経系の情報伝達にも関わる認知機能を促進するホルモンだ。

この一酸化窒素を旺盛に分泌するのが指圧をはじめとする鍼灸指圧なのだ。

そしてグレリンは体壁筋肉系を刺激することで分泌を促進できる。

特に足の三里の名で有名な膝下にあるツボを押すと、

胃の蠕動運動が高まりグレリンの分泌が増す。

というわけで鍼灸指圧は一酸化窒素とグレリンの

二つのミトコンドリア増強分子の分泌を促進できるのだ。

ここにさらにハードな筋トレをプラスすれば、

乳酸という、さらなるミトコンドリア増強分子を追加できる。

鍼灸指圧 + ハードな筋トレ = 一酸化窒素・グレリン・乳酸 =ミトコンドリア増強

という方程式がここに成立することがわかる。

理論を理論のまま二次元の世界で凍らせておくのではなく、

あくまで生身のこの身体の実践を通して理論を解凍し消化し、

血肉に変えて、実際の遺伝子セントラルドグマな分子レベルの

身体改造を体感するレベルにまで落とし込む。

理論から実践へ。

理(り)から実(じつ)へ。

実への落とし込み。

これがわたしの情報公開の真骨頂と言えよう。

理論は実際に役に立たなければ絵に描いた餅だ。

絵の餅は喰えない。

実際の餅を手に入れて焼いて食べてみて初めて餅の味はわかるのだ。

ミトコンドリアをただの一銭も余分なゼニをかけずに、

いかにして簡単に増強するか?

その方策を手の内に落とし込むこと。

それが達成できつつある。

手元に理の実を落とし込む。

餅は食ってこそナンボだ。

2016.09.12 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

パワー指圧

今日はたまの休日なんで、朝から懸垂や腕立て伏せを、

そこそこの回数すでにこなした。

不思議なもので筋肉は使っていないとしぼんでしまうが、

使い出すと、ある時から正のフィードバックが起動しはじめるのか、

以前と比べものにならないほどに、動きがよくなってくる。

懸垂の時に重く感じていた全体重が、それほど重く感じなくなると、

なんだか嬉しいものなんです。あるいは腕立て伏せをして、

たいして息も切れなくなってくると、やっぱり嬉しいもんです。

この速筋を使うハードな筋トレは私なりの実験も兼ねております。

実は速筋を使うハードな筋トレをすると、

速筋の筋細胞内のグリコーゲンが一時的に大量に消費されることで、

乳酸という分子がいつもよりも、

多く速筋細胞のなかに産生されてきます。

この速筋で産生された乳酸という分子はその後、

30分間から1時間以内に、

速筋の細胞膜にある乳酸トランスポーターによって血液中に運び出されて、

今度は心臓の心筋細胞や遅筋細胞内へと運び込まれます。

こうして速筋で産生された乳酸が心筋や遅筋の細胞内に運ばれると、

これら心筋や遅筋の細胞内のミトコンドリアが速筋で作られた乳酸を

エネルギー源として利用することで、またそこでATPが生み出される仕組みです。

つまりわざと速筋をハードな筋トレで酷使して

乳酸を普段よりも多く生み出すことで、

乳酸トランスポーターを鍛え、

心筋や遅筋のミトコンドリアの乳酸経路を活性化する、

というのが私の筋トレの隠された狙いのひとつなのです。

ようは競走馬のサラブレッドのようなキレのある乳酸活用型の

生命体に自分が進化するために、私は息の切れるようなきつい筋トレを

「わざわざ」自分に課して実践しているのです。

また先日、出先の土産物屋でカミさんが見つけた指圧棒なる秘密兵器が

今、俄然マイブームです。

筋肉は鍛えたあとにマッサージを受けることで、

炎症やガン化を未然に防ぐ機序が発動し、

筋肉内のミトコンドリア数が増えることが

カナダの大学の実験で判明しています。

ですから鍛えたあとには、必ず筋トレで使用した筋肉のケアが必須です。

ただし、自分は指圧師なんでほぼ毎日、ひとさまの身体のケアはしますが、

自分のケアをこの指で夜になってやるのは、もうしんどいのです。

そんな時に、この指圧棒が強い味方になるのです。

素人ではツボがわかりませんから、

なかなかこうしたツールも使いこなせませんが、

あたしゃあツボ師、プロの指圧師ですから、

なんなくこの指圧棒を使いこなして、今では

背中の手の届かない凝りや足の三里に超するどい圧力を

就寝前に負荷しています。

そんなこんなの積み重ねがわたし独自のパワー指圧の進化を

後押ししているようです。

また筋力がついてくると色んな利点があります。

パスタをゆでる鍋、これが重たいんだよね。

でも、筋力がついてくると、これがたいして重く感じなくなる。

まあそんな余得も筋トレにはあります。

でも筋トレで一番に狙っているのは、

なんといってもミトコンドリア数を増やすこと。

筋力はすなわちミトコンドリア数と等価と言っても過言ではありません。

ミトコンドリアが増強された指圧師によるパワー指圧を味わいたい方は、

是非、「鍼灸指圧 光伯堂」にご来院ください。

2016.09.11 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

命の揺りかご

昨日は常連さんのHさんご夫婦がラストオーダーの

いつもの時間にご来院くださいました。

いつもながらの楽しいブラックジョーク満載の話をしながら、

ふと、やはり指圧という手技は最早絶滅を間逃れないと、

そんな言葉が口をついて出ました。

「指圧の心 母心 押せば命の泉湧く」のキャッチフレーズで

一世を風靡した浪越徳治郎先生がご他界されたあとの空白の20年。

その長き20年のあいだに我が業界は指圧の啓蒙を怠ってしまった。

それが結果として無資格のエセマッサージの乱立を招き入れて、

今やこれらのジャンク代替医療が幅を利かせるご時世となった。

安かろう、悪かろう、はまさにデフレ・トレンドにはドンピシャだ。

なんのスキルも、コンテンツもなくとも、

見よう見まねで素人が指圧に似たことをやってしまう無資格リラク産業の台頭。

このジャンクマッサージの隆盛は本物を駆逐するに十分なインパクトがあった。

わたしたち有資格者の本物が今後生き残るには、いったい何をしたらいいのか?

そんなことに四六時中、思いを馳せるなかから、

自分にしか言えない事だけをこれからはここで公開していこうと決意した。

そうして脳裏に降臨した言葉が「養生クリエイター」だった。

本ブログを開くと左側にカテゴリー欄があります。

今夏、その一番下に最新カテゴリーとして

「養生クリエイター」がエントリーされました。

これからの記事はすべてここに収められます。

Hさんの地竜穴を昨日に押していて感じたのですが、

指先にマックスのパワーが乗ってきています。

指圧は力ではない、と私は言っていますが、

もちろん力なくして指圧などできません。

まず十分な力を乗せた指圧ができる。

これはプロの指圧師に当たり前に要求されるスキルです。

なぜここ最近になって指先にマックスのパワーが乗ってきたのか?

たぶん、それは今年になって筋トレを継続しているからでしょう。

わたしももうじき47歳。50の坂が見えてきました。

寄る年波を実感する今日この頃です。

筋肉は使わなければしぼんでしまいます。

しぼんだ筋肉ではパワー指圧はできません。

今年の正月1日に親戚に正月の挨拶回りに行った際に、

ある従兄弟に開口一番、「みつおみ、お前、なんだか痩せたな?」と

言われました。これがもの凄いショック療法となりました。

次の日、いてもたってもいられずに筋トレバーを振りたくって、

「チャンバラエクササイズ」がスタートしました。

チャンバラは手首を痛めることがわかり、6ヵ月経った頃から、

懸垂と腕立て伏せにプログラムを変更しました。

この8月は少し筋トレが中断しましたが、

ここのところ再開し、ようやく中断前の筋力が戻ってきました。

マッチョでムキムキになるつもりは毛頭ありません。

だって、今まで買ったお気に入りの洋服が着られなくなっちゃうからね(笑)

仕事に必要なパワーが出せるだけの筋肉は確保する。

この絶対必須の命題をクリアするために、

これからも毎日の筋トレに精進する所存です。

指先に十分なパワーが乗り、そこにさらに意念を乗せる。

その先にワン&オンリーのわたし独自の指圧宇宙が広がるのです。

指圧宇宙は大宇宙と共感呼応します。

指先のビッグバンは宇宙創生の響きです。

今日も患者が待っている。

この指先に命の揺りかごが宿ります。

2016.09.10 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

新しい生命観

凝りというある種の生理現象に、これまで肯定的なイメージはなかった。

そもそも凝りとは何なのか?を深く追及した者などないのに、

ただ漠然と凝りは筋肉細胞に乳酸が蓄積した結果生じた悪しき邪毒であり、

この凝りが原因で血流が悪化し、あらゆる病気の原因になる、と

このような否定的なマイナスイメージがこれまでの凝りに課せられた偏見だった。

この凝りのマイナスイメージにひとやくかったのが乳酸という分子だった。

乳酸という分子は細胞が糖を利用してATPを産生する際に発生する中間分子で

あるが、この単なる糖の分解分子をこれまで100年間、

生理学や一般常識は徹底的なワルモノと錯覚してきた。

筋肉を酷使した時に血液中の乳酸濃度が高まる。

筋肉を酷使したあとは疲れる。

よって疲れた時に増えている分子こそ疲労の原因分子だ。

であるのなら乳酸が疲労分子だ。

このあまりに短絡的かつ単純な誤解により100年前、

乳酸は疲労の原因分子と誤解されワルモノに仕立てあげられてしまった。

それからはずっと乳酸はまるで細胞活動の排泄物や汚物として扱われてきた。

しかし、この乳酸を排泄物や汚物や疲労分子とみたことはまったくの間違いである、

ことが近年の乳酸研究で明らかになった。

すでに本ブログでは何度も報じているように、

乳酸はミトコンドリアのエネルギー源となる立派な動力分子であり、

乳酸が増えることでミトコンドリアが乳酸をより迅速に

利用できるようにミトコンドリア数が増えることが予想されており、

つまり乳酸はミトコンドリアを増強するシグナル分子として機能していると

仮説が立てられて今後、その立証研究がおこなわれていく予定だ。

つまり乳酸は細胞活動の栄養源であり絶対に必須の分子ということなのだ。

乳酸の真相がこうしてわかってみればまさに理路整然、

生理現象には是も非もなく、邪も正もなく、善も悪もなく、

すべてこれ必要があって生じたカスケード反応の連鎖であることに気づく。

ということで、乳酸の汚名は今後、少しずつ是正されていくはずだが、

あおりを受けてゴッチャゴロミソに

ワルモノにされた凝りの汚名を返上しなければならない。

だいたい乳酸という分子は決して筋肉内に蓄積されることはない。

乳酸は筋肉内で糖を大量に利用するようなハードな運動をした時にだけ特異的に

増える分子だ。だから日常生活で生じる凝りとは何の関係もない。

肩こりや首こりは、肩や首の筋肉をハードに酷使した時に生じるわけではない。

むしろ肩や首の筋肉をずっと静止したままにして、動かさない時に、

肩こりや首こりは発生する。だとすれば乳酸と、これらの肩こりや首こりが、

なんの関係もないことはすぐに想像できるはずだ。

凝りが乳酸の蓄積で生じる生理現象でないのなら、

いったい凝りはどんな分子レベルの機序で起こる現象なのか?

わたしの仮説では凝りの分子レベルの原因分子は変性タンパク質、とみている。

流水は腐らず。

この宇宙は常に動くことで動的均衡を保つ。

筋肉も動くことでATPというホルモンが産生される。

ATPをもとに筋肉内の変性タンパク質もオートファジーを通じて分解される。

だからもしもずっと筋肉を動かさないと次々に産生されてくる変性タンパク質が

溜まっていく。筋肉を動かすことでヒートショックプロテインが分泌される。

ヒートショックプロテインは変性タンパク質を修正するカナメとなる分子だが、

ヒートショックプロテインが産生されないと変性タンパク質が溜まっていく。

こうしたオートファジーの不能、ヒートショックプロテインの分泌低下など

を原因とした変性タンパク質の滞留が凝りの分子レベルの原因になる、

とわたしは仮説を立てている。

しかし、乳酸が害毒分子でないのと同じく、変性タンパク質も害毒分子ではない。

変性タンパク質は分解されてアミノ酸になることで、また新たなタンパク質の

原料となる立派なリサイクル資源なのだ。

だから凝りを押していると押圧ストレスに応じて細胞核セントラルドグマが、

ヒートショックプロテインを産生して、この指圧によるヒートショックプロテインに

より細胞内に滞留していた変性タンパク質は次々に分解されて修正されていく。

また押すことで皮膚はATPを産生するがATPを使って変性タンパク質を分解する

ATP型オートファジーの起動により、やはり変性タンパク質が次々に修正される。

指圧という単純な手技が引きだしたヒートショックプロテインとATPという分子が、

変性タンパク質を修正することで凝りの原因が解消されるのだ。

凝りに溜まっていた変性タンパク質というリサイクル資源は、

こうして指圧により新たな生を受ける。

凝りのなかの変性タンパク質のよみがえりを演出する手技が指圧だ。

凝りは指圧により新たな命を得てよみがえる。

凝りが修正された時、ひとはまた新たな活力を得るのだ。

凝りは乳酸が溜まった悪しき邪毒のカタマリでは断じてない。

凝りは変性タンパク質というリサイクル資源が詰まった命のパワースポットだ。

凝りという手がかりがあるから私は患者を治療できる。

もしも凝りがなかったら、わたしは治療の現場で手がかりを失い、

どうしていいのか、なにを指標にすればいいのか、路頭に迷う。

凝りという羅針盤があるから迷わずに治療ができる。

治療師生活24年、わたしは凝りに導かれてここまで来た。

3万を越えるわたしが触った凝りたちよ。

本当にありがとう。

あなたたち凝りがいてくれたから、わたしは治療師として生きて来られた。

凝りこそがわたしに命の真相の一端を教えてくれた最大の恩師です。

命のことは命に聞け。

凝りのことは凝りに聞け。

凝りに命の何たるか、を聞き続けた治療師だから

みなさんに凝りの何たるか、をアドバイスできるのです。

凝りも触らず、命にも触れずして、

凝りや命について何かを理解することなどできません。

3万タッチのひとつひとつの現場では、

さらに何十万の圧力対話が患者とこの指先で交わされた。

そのすべての圧の重みがわたしの生命観を醸成したのです。

何十万タッチ、何百万プッシュ、一指一圧の繰り返しの24年。

そのおびただしい圧力が負荷されたこの指先。

この指先の厚み、親指の爪のひずみ、人差し指と中指の第二関節の巨大なタコは、

わたしの道友、勲章、ダイアモンドに勝る大切な宝物です。

汝の凝りを愛せよ。

凝りを愛することで生まれる新しい生命観。

それを提示できるのはわたしだけだ。

2016.09.08 | | コメント(7) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

無限の可能性

この8月の終わりに同じ市内で開業していた指圧師が亡くなった。

まだ50代の若さだった。

親しくお付き合いしていたわけではないが、

わたしが当地の鍼灸師会の支部に在籍していた当時は

よく顔を合わせていた間柄だった。

御香典を置きに行き、葬儀場の後ろに貼られた生前の元気な姿の

写真を見ると、彼女の声や姿がまざまざと思い出された。

ここ数年でこの地区の指圧師が彼女も含めて3人も他界された。

時代の流れか、はたまた単なる自然現象か、それはわからないが、

残存組が果たさねばならない野望はでかい。

そう、わたしはこれからも指圧を止めることなく実践し、

指圧の素晴らしさを世界にアピールしつづけるのだ。

Kさん、Nさん、Mさん、天界から我が奮起を見守ってください。



ひとの体壁筋肉系に発生する凝りに指圧をして、

指を当てていると、その凝りが自然に動き出して、

凝りがみずからの意思で、みずからの凝りをほどいていく、

という事実は、恐らくは、いままで誰も知らなかったことだろう。

凝りが勝手に動き出し、勝手にほぐれていく。

これはまぎれもない事実だ。




昨日の最後に来院した地元の常連さんの腰の凝りはいささかシビアだった。

右腰に非常に強い凝りがあり、押すと痛む。

その凝りに左手の親指を当てて指圧をしていると、

うまい具合に凝りが動き出した。

この右腰の凝りが動き出すと、その動きは全身へと伝播し、

顔や肩や手先や足先が面白いように律動した。

そうして1時間近く、この右腰の凝りと対話した。



一箇所の凝りが動き出すと、全身へとのその動きが波及する。

この事実もこれまで誰も知らなかったことだろう。



①「凝りは自発的に動くもの」

②「凝りの自発的な動きは全身に波及する」

この二つの事実は私が発見した新しい生命の知見だ。



生命の持つ自律的な治癒力を引き出すこと。

これがわたしの指圧の特徴だろう。



ひとの体壁筋肉系には、

無限の可能性が秘められている。

2016.09.07 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

One&Only

指圧という手技には道具は必要ない。

必要なのはこの手だけだ。

だからやろうと思えば誰だって指圧くらいは出来そうに思う。

ただし、それはあくまで素人レベルの指圧風の何かが出来る、

という程度のことである。

指圧をプロが業としておこなうには、

そんな素人レベルの指圧風の甘っちょろいレベルでは

到底通じない。

凝りは百人百様、千変万化だ。

そのすべてに適応できる術がプロには要求される。

癌の末期の凝りを何人も触ってきた。

膵臓ガンの末期に肩から肩甲骨の両脇に出現した凝りは、

まるで亀の甲羅のような膨隆を見せた。

その固いことと言ったら、押している指が痛んだのを思い出す。

膀胱癌の末期の男性の凝りは独特だった。

それは固さもさることながら、その冷たさが尋常ではなかった。

鍼を打つ手先が痺れるほどに冷たいのだ。

鍼を打ちながらこちらの体温が奪われていくのがわかった。

鍼を打ちながら寒気を感じたのはこの時だけだ。

ひとの身体が氷なみに冷たくなることをはじめて知った。

肝臓ガンの末期の凝りは背中全体がすべて鉄板のように固かった。

乳ガンからくる肩こりもそれはそれは固かった。

癌に付随する凝りとはこういうものをいう。

しかし、これらの癌に付随する凝りもわたしは決して敵とはみない。

果たして人体に生起する生理現象に敵や味方があるのか?

生理現象はあくまで適応の姿だ。

内外環境の変化に細胞核セントラルドグマが応答し、

しかるべき分子を発動しているそのありようが生理現象なのだ。

だから、生理現象には敵も味方もない。

あるのは命のあるがままの姿、それがあるだけだ。

24年間で3万タッチ以上の凝りを触ってきた。

そうしてわかったことのひとつは、

命は摩訶不思議でカオスでコスモスでフラジャイルな存在だ、

ということだ。

凝りも命のひとつの顕現だ。

凝りもまた摩訶不思議でカオスでコスモスでフラジャイルな様相をみせる。

でも、うまくいくと、凝りは自発的に勝手に動き出して、

みずからのちからで凝りをほぐしていく。

この凝りの自発的な運動を引き出すことこそが、

プロの指圧師の妙技なのだ。

凝りを取るのではなく、

凝りをほぐすのではなく、

「凝りの自発的な運動を引き出すこと」

これができてはじめてプロの指圧師と言えよう。

果たしてそのレベルに到達しているプロの指圧師がこの地球に

何人存在するだろうか?

思うにそれほど多くはいないはずだ。

いや、もしかしたらわたしだけかもしれない。

ワン&オンリー。

ひとつにして唯一のワザの追及。

24年間の臨床はすでにそんなワザをわたしに授けています。

今日も86歳のスーパーおばあちゃん、市井の達人のOさんが

来院されます。

定期的な凝りのケアが、あの背筋の伸びとアクティブな生活を

支えているのです。

日本が生んだ手技の宝は、こうして知る人ぞ知る通人に愛されて、

いまなおしぶとくそのワザを伝承しております。

日本の指圧よ、永遠なれ!

2016.09.06 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

市井の達人

先日、いきなり治療院の玄関がバンッと開いたので、

ビックリして見に行くと、見知らぬ男性が立っていた。

初めましてでも、こんにちは、でもなく、

その男性が早口で喋った内容は、

かいつまんで言えば我が治療院の所在を知り、

ここの治療を受けてみれば、とアドバイスされたゆえに、

こうして出向いた、とのことだった。

それなら、ちょうど良い。

今、患者さんがいない時間だから、やっていきますか?

と尋ねると、件の男性は、

「ここは保険は利かないよね?」と質問された。

だから自分は「はい、ここは実費診療ですよ」と応えた。

それから、またなんだか早口で色んな事を喋ったのだが、

どうも肩こりが酷いらしく、それは退職前の仕事に

就いた初めからの症状だったということだ。

実費診療のところにも、保険診療のところにも、

あらゆるところに行ったが、いまだに肩が痛いと嘆いていた。

そんなお喋りのなかで、3回は「ここは保険が利かないよね?」

と繰り返し私に尋問した。

いくら患者さんがいない時間だからと言っても、

こちらにもやりたいことや、都合がある。

いつまで、こんな無駄話が続くのだろうか?

と不安になった頃、ようやく用事があるから、

と帰られた。

保険診療が安い、と言っても、前もって随分と払わされているわけで、

実際に安いのかどうか、大いに疑問ですよ、とココまで出かかったが、

止めておいた。

物言えば唇寒し秋の風。





こんな事もあった。

若い頃からの大の指圧ファンで御年86歳のスーパーおばあちゃんのOさんが、

先日、いつものルーティーンの日課で我が治療院に来院された。

Oさん、いつものように歯切れ良く言うには、

「わたしらん友達は、施設なんかに入っているのが、

一杯いるけど、あんた、月に10万、20万も払って、

5年も10年も、死ぬまであそこでああやって、

寝たきりで過ごすんだよ。

それを思えば、こうやって週に1回、

月に4回、ここに来たって、幾らにもならない。

その幾らにもならないお金を惜しんで、

結局は、ああして寝たきりになって、

施設に毎月何十万も死ぬまで払い続けるのは、

ほんとに馬鹿馬鹿しいと思うよ。

でも、こんなこと、口が裂けても大きな声では言えないの。

そんな事を言った日には、アンタはお金があるから、

そうやって行けるだの、何だのとホントにうるさく

世話を焼くんだから。

ここだけだよ、こんな事が言えるのは」





命とお金、いったいどっちが大事なんだろう?

死んで墓場に持って行けるのは、

炭酸カルシウムの残滓である「お骨」だけ。

その、しゃれこうべ、だって生きているあいだに、

手を掛けて手入れしなければ、

キレイなカタチには残らない。

死んでもオシャレしたければ、

生きているあいだに身体に手をかけなければダメよ。




色んなひとがいるもんです。

ミリオネアしか出来ない豪勢な生活だって、

命あってのもの。

その日暮らしのつましい生活だって、

健康なら、それこそ本当の意味で幸せなんだよ。



健康な命のために身銭を切る。

そんなことが当たり前の常識になれば、

この国の医療費問題なんか、すぐにカタが付く。



86歳のスーパーおばあちゃん、

市井の達人のOさんの人生哲学から、

学ぶことは大きいです。

2016.09.05 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

養生の極み

「ここのところ凄く体調が良くなって、

顔のケイレンもあと一息で完治しそう」



昨日に訪れた常連さんが開口一番に放った言葉だ。

このYさんという患者さんは50代の御婦人で、

主訴は顔の左側の筋肉の頻発するケイレンで、

それを治したくて我が治療院に通い始めた。

最初は月2回を3ヵ月ほど続けて、

あとは月1回の治療で半年を経過した。

都合10回ほどの治療で、主訴の改善を見ている。

施した術は指圧のみだ。

初診時の顔の筋肉の固さは、かなりの強度だったのを覚えている。

それでも初診時に、顔の凝りが自発的に動いたので、

これはイケルと予想した。

予想を現実化できたことは治療家としては嬉しい限りだ。

顔面部の主訴であっても、もちろん顔面部だけを治療するわけではない。

むしろ顔面部よりも顔面部に通じる様々な部位の凝りを

動かすことを目標に治療してきた。

更年期の女性は、やはり血の道を整えることが大事だ。

だから腰の付近の血流や足の血流を良くすることが肝要だ。

またYさんは事務職でパソコンを凝視する時間が長いから、

肩こりや首こり、背中の凝り、上肢、上腕の凝りを取ることも大事だ。

こうした総合的な全体の凝りを動かすことで、

顔面部の血流を上げていった。

お陰様でYさんの顔の血流が良くなり、

顔面部の血色はキレイなピンク色に変わり、

見違えるほどに良くなった。

ご本人がそのことを一番よくわかったからこその、

冒頭の言葉と言えよう。





話が変わるが先日、自動車メーカーのホンダが、

スポーツカーのNSXのニューモデルをリリースした。

日本のものづくりを象徴するクールジャパンな素晴らしい車だ。

私もこんなカッコイイ車を乗り回してみたいが、

なにせ販売価格は優に田舎の建て売り住宅一軒分に相当する。

残念ながら子供の頃に100円玉をつかんで駄菓子屋に出向き、

フェリックスのガムやよっちゃんイカやシゾーカおでんを買うように、

気軽に手が出るシロモノではない。

高額な商品にはそれ相応なプレミアムなステイタスがつく。

一般人は簡単に手が出ないのもステイタスな世界の魅力だ。





自分が治療師になって早24年が経過した。

開業後に触った凝りの数は

仕事やプライベートを含めて、

3万はくだらない。

3万タッチの凝りと共にこの24年間を過ごしてきた。

患者の凝りをいかにしてほぐすか、

患者の体調をいかにして良くするか、

そればかりを追及する日々を生きてきた。

そんな治療という職業を生きるなかで、

わたしの価値観もだいぶ変容した。

モノがどんなに優れて素晴らしく高額であっても、

そのモノが頭痛を治す事は出来ないし、

便秘を改善するわけでもないし、

体調を良くすることもない。

高価な貴金属にどれほどのパワーがあるか知らないが、

ダイアモンドで頭をさすって頭痛が治った、なる事実はない。

モノはあくまでモノでしかない。






指圧という手技はモノではなくワザだ。

ワザは目に見えるシロモノではない。

そして指圧という手技は患者と治療師の

あいだだけで完結するワザの世界だ。

だから指圧の価値はそれを受けた患者にしかわからない。

大多数の人にアピールできるモノではないがゆえに、

指圧の素晴らしさを伝えることは至難を極める。

指圧がNSXよりも価値があると声高に叫んでも、

世間の嘲笑を誘うことは必至だ。

しかし、指圧はどんな高額なモノよりも優れた価値がある、

と私は常々考えている。






本当に価値があるとはどんな事を言うのだろうか?

治療師にとって、最も大事なことは、

患者を楽にすることに尽きる。

患者の悩みの症状が改善されることは、

治療師にとっても、これほど嬉しいことはない。

わずか10回の治療で冒頭のYさんの症状が改善されてきた。

かかった費用は4000円×10回分だ。

たったそれだけの金額と見るか、そんなにかかったと見るか。

評価、価値観は別れるところだろう。





ひとの命に値段は付けられない。

ひとの命の重さは地球1個の重さに相当するとも聞く。

体調が良くなるということは、

命の調子が良くなるということだ。

クルマの調子を良くするための整備費に

わたしたちは毎年、幾ら使うことだろう。

そのくせ、自分の命の整備には、

ほとんど費用をかけない。

スマホゾンビではないが、

現代人はあまりにモノに支配され過ぎていないか?




有形のモノの価値はわかりやすい。

そのカタチのかっこよさ、

そのモノの機能性、

こうしたモノがアピールする広告効果は

実にわかりやすい。

しかしそれに比して無形のワザの価値はわかりにくい。

指圧がどんなに素晴らしくても、

それは指圧を受けた患者にしかわからない。



いや、待てよ。

指圧をした治療師には、

その指圧の価値はハッキリとわかるのだ。

わたしが指圧の素晴らしさを伝えなくて、

いったい誰が伝えるというのだろうか?





指圧はどんな高額なモノよりも価値がある。

なぜなら命の調子を良くすることができるからだ。

命ほど大事なモノはない。

命あってのクルマ、貴金属、家、人生だ。

その命を良くする指圧には、

だからNSXが足もとにも及ばない価値がある、

と、これからは声を大にして唱えよう。

世界中のどこに体調を良くする医療があるだろうか?




体調を良くすること。

これまさに養生の極みなり。

2016.09.05 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

わたしの仕事

「昨日やって頂いてたら、今日はもの凄く肩が軽くて、

ここ2、3年でこんなに肩が軽いのを体験したのは、今回が初めて。

なんで、1回の治療でこんなに楽に軽くなったんですか?

これも先生が言っていた凝り自体がもつ力ですか?」

「あっ、昨日の治療でそんなに楽になりましたか?

それは良かったですね。

そうですね、昨日も言ったけど1回の治療で

こんなに凝りがほぐれたということは

Kさんの凝りが活きた凝りだった証明になるね」

「先生がうちの母の凝りはパワーがある活きた凝りだって、

言ったら、母はメチャクチャ笑ってた」

「そうそう、Kさんのお母さんはほんと得な体質だよね。

凝りは強いんだけど、すぐにほぐれて、

3ヵ月くらいは持つんだもん。

コスパが高い凝りだよね」

「先生、アタシの凝りは母の凝りとは違うの?」

「まあ、少しは違うけど、でも活きた凝りだから、

1回の治療でこんなに今回は軽くなったわけだし」

「触っていて、これはヘンな凝りだとか、

これは少し病的な凝りだとか、そういう事はわかるんですか?」

「うん、例えば癌の末期なんかには特有の凝りが出現するね」

「それってどんな凝り?」

「1時間押してもビクともしない凝りかな。

固いというけど、あの固さはハンパないね」

「本人たちは、それで平気なの?」

「う〜ん、でも、あれだけ固くてもそのなかでバランスを取っているみたいね。

でも、やれば軽くなって楽に感じるみたい」

「先生、そもそも凝りって何なの?」

「うん、ほら昔から凝りは乳酸が溜まったもの、って聞いたことあるでしょ?

でも、この凝り=乳酸という常識は、今から100年前に作られた常識で、

最近の研究では乳酸は筋肉内には溜まらないという新しい知見が発見されていて、

だから、凝り=乳酸という常識はすでに時代遅れの間違いだったことが

証明されてる。じゃあ、いったい凝りは何だ?

という新たな疑問が生じているわけだけど、

凝りはハッキリ言って、そんなに単純なものでもなくて、

まだまだ未知な病症と言えそうだね」

「へぇ〜、そうなんだ。凝りって不思議なシロモノだったのね。

知らなかったわ。でも、先生が昨日も言っていたけど、

この凝りがあるから、凝りの力でまた身体が蘇るのよね?」

「結果としては、そう言えるね。

凝りの生命力を引き出せたから、Kさんの身体は

昨日の1回の治療でこんなに軽くなったんだ」

「でも、本当にこんなに軽い身体は久しぶり!」





凝りは忌むべき悪しき邪毒のカタマリ。

この、ここ2000年来の東洋医学の常識を、

私はこれからひっくり返します。

凝りは決して忌むべき悪しき邪毒のカタマリではありません。

凝りは自分の身体の使い方の歴史。

凝りは自分が生きたアカシ。

そう、凝りは自分自身、自分そのもの。

この身体があるから、今の自分がある。

この凝りがあるから、今の自分がある。

今の自分があるのは、この凝りのおかげ。

この凝りはあなたの苦しみや喜びを共に

わかちあった同士であり、友だ。

あなたの悲しみや苦しみのすべてを

あなたの凝りは知っている。

あなたの凝りはいつもあなたと共にある。

汝の凝りを愛せよ。

自分の凝りを愛おしみ慈しみ、

労苦をねぎらい、その凝りを押したとき、

あなたの凝りはよみがえり、

あなたにまた生きる力、

生きるパワーがよみがえる。

凝りがあるから人は生きていられる。

凝りがあるから無限の治癒力を引き出せる。

凝りは命そのもの。

凝りの力を引き出すことが、

わたしの仕事だ。


2016.09.04 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

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