キモ

手つかずだった活性酸素とフリーラジカルについて少し活字をあたってみました。

ひとことで言えば、「人体の生化学反応において中間産物として生成されてしまうもの」

ミトコンドリアにおいて電子の受け渡しによってエネルギーを生み出す過程では必ず活性酸素が生じる。

しかし、それをまた還元する酵素は用意されている。

活性酸素が疾病の主原因とする活性酸素害悪説が主流であるが細菌を殺したり血圧調整に役立ったりもしている。

いってみれば善悪二面を併せ持つアンヴィバレントな物質。

腸内常在菌を善玉菌と悪玉菌というへんな表現で差別するのと同じで、活性酸素・フリーラジカルについても一面的な評価は禁物と感じた。

養生法という観点からの覚え書きを少し。

抗酸化酵素という活性酸素・フリーラジカルを消去する自前の酵素には代表的なものにSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシターゼがあります。

そして生体内で作ることができない抗酸化物質にはビタミンC、ビタミンE、ビタミンA(βカロチン)があります。

つまり抗酸化物質を含む食品の摂取は活性酸素・フリーラジカルの弊害を取り除くために有効。

たとえば活性酸素によって細胞膜のリン脂質二重層を形成する不飽和脂肪酸が脂質ラジカルへと変化し細胞膜が老化変異してしまうのをビタミンCとビタミンEが協調して防ぐそうです。

これは放射線障害におけるペトカウ効果(低線量被曝によって容易に細胞膜が破壊されること)の予防になるのではと推測します。

桜沢如一の食養術の薫陶を受けた秋月辰一郎博士が原爆症を発症させない栄養指導をしました。そのキモは塩気を摂ることでした。そしてその塩気を摂る方法は「ごま塩」にあったと記憶しています。

自分があたった本には、以下の食品類に抗酸化物質が存在すると書かれています。

ゴマ、ハーブ、豆類、ターメリック・ショウガ・コショウ、緑黄色野菜、緑茶・ウーロン茶・紅茶、ココア、ワイン、トマトジュース。

トマトジュースに関してはアメリカにおいて放射線障害による白血球減少症を防いだのはV8というトマトジュースだった、などという情報も311後には見られました。

汝の食を薬とすることができれば、未来はそんなに暗くないのかもしれません。

希望を持つことは人体の生化学反応を活性化します。あきらめたらHSPの分泌が消失したという事実もあります。

希望を持ち続けましょう。

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2012.03.29 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 内部被曝

ストーンズ

前記事の続きです。

細胞生理の中で挙げてない機能がありました。

エンドサイトーシスです。これはファゴサイトーシスとピノサイトーシスの総称でありまして、早いはなしが細胞膜が細胞外の物質や液体を飲み込んで細胞内に取りこみリソソーム内の分解酵素で消化分解して細胞内へと必要な養分を放出する機能です。イメージとしてはパックマンのように、外膜を口をとがらせるようにして細菌などを挟み込む絵を想像すればいいかと存じます。

このファゴサイトーシスという機能を使って外部の細菌を捕食するのが白血球の一種であり自然免疫という原始的免疫機構で活躍するマクロファージです。

ピノサイトーシスは液体のみを飲み込む場合を言います。

生命の円滑な流れとは、タンパク質の合成→運搬→修復→分解→(再)合成→の繰り返しがうまく進行していることではないかと、最近とみに思います。

そしてこのタンパク質の流れの触媒になるのが、ヒートショックプロテイン・HSPであり、その動力源となるのがアデノシン三リン酸・ATPであり、そのような反応に必要な体内温度が37度である。

とすると、そんなに複雑な養生法はいらなくなります。

ミトコンドリアを活性化するような生活。

このたった1つにポイントを絞った養生法でも十分に健康を維持できそうです。

ミトコンドリアは好気性バクテリアが起源です。つまり酸素を使ってエネルギーを作り出すことを可能とした最初の生命体です。

酸素が十分に細胞内まで届いていればミトコンドリアは生き生きと細胞内呼吸をおこない、ビタミンや必須栄養素やミネラルを使ってATPを合成してくれます。

酸素を細胞へ届けるには良質なヘモグロビンが必要です。動脈を流れる赤血球のヘモグロビンにある鉄4個のうち2個に酸素がくっつき、あとの1個には一酸化窒素、もう1個には二酸化炭素が結合しているそうです。酸素が必要といっても細胞が必要とする酸素はこのくらいが適量ということのようです。

そしてこのヘモグロビンの構造は葉緑素に酷似しています。かねてより生命体内で原子転換がおこなわれているのではないかとルイ・ケルブラン博士などが指摘してきました。

肉食動物であるライオンはゼブラを倒すと真っ先に腹の皮を食いちぎり、消化過程にある草とゼブラの腸管が分泌した消化酵素を一緒に摂取します。

だから「ライオンは肉食動物」と呼ぶよりも、「草食動物の消化器官を借りて生きる肉食動物」、が正確な表現かとも思えます。

北極海に棲むアザラシもコケ類を食べるそうです。

葉緑素→赤血球、というサイクルが生命の決まりなのかもしれません。

ホウレン草の缶詰をグチュッとつぶして飛び出したホウレン草を飲み込むと怪力元気百倍になるポパイというカートゥーンはまんざらでもなかったということです(笑)

故・二木謙三博士は貧血症には、「青い葉っぱと日光浴」というたった2点に絞った養生法を提唱されております。

ミトコンドリアは太陽光線によっても賦活します。

ポパイと世界的医学者の慧眼に敬意を表します。

2012.03.28 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

ローリング

「行く水はかくの如く昼夜をわかたず」

鍼の師匠がよく口ずさんだ言葉です。

畢竟、生命現象とは「流れ」ではないでしょうか。

円滑に細胞生理が維持できていれば健康といえます。

細胞生理の流れを滞らせないためのカナメとなる機能や物質をあげてみます。

ユビキチンプロテアソーム系(エネルギー依存性たんぱく質分解機能)
オートファジー(飢餓応答性たんぱく質分解機能)
酵素(5000種類あるうちの3000種類は腸内細菌が作り出す、抗酸化物質のSODなどは特に重要)
腸内常在菌(消化、物質合成、感染防御)
ATP(細胞内小器官のミトコンドリアが作る命の動力源)
HSP(タンパク質の合成、運搬、分解の介添え役)
37度の体内温度(酵素反応に必要な温度)

まだあるでしょうが、自分の頭の整理のためもあって暫定的に以上を挙げてみました。

「流水はくさらず 戸枢はくちず」

2012.03.27 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

押せば・・・

数年前から美容鍼(びようしん)なるムーブメントが業界に起こっています。

もとはハリウッドのセレブなぞという方々がその美容鍼治療を受けたのがきっかけとも聞いております。

顔面部に鍼を刺すことに抵抗を感じなかったのはすでにボトックスという注射針によるシワ取り治療が一般化していたからだそうです。

発祥がアメリカと言いきれるのか定かではありませんが日本の女優さんが美容鍼で小顔になったなどという記事も目にしました。

さて私が美容なるものに興味を抱いたのは今から20年余も前の鍼灸学校の学生の時です。

東洋医学の本場、中国から特一級美容技師の僕義長(プー・イー・チャン)氏が来日し、美容按摩のセミナーが開催されました。

その講義に出席したのが自分の鍼灸指圧による美容法の開発の原点です。

さて、今思えば僕先生の術は洗練されておりました。腕全体がムチのように、いや、身体全体が同時連動するゴムのような動きで指先へと「意念」を収斂させた術でした。

あえて言えばイチロー選手のようなパフォーマンスでした。

中国は気功や太極拳の本場です。僕先生の動きの中にそのような悠久の体術の記憶を感じとることができました。

私は独自の指圧による美容法が得意です。動きは少ないですが術後の血行の良さは格別です。

圧ストレスとも呼べる指圧法はストレス対応で分泌されるヒートショックプロテインの分泌を促進します。ヒートショックプロテインはタンパク質の修復や分解、合成の介添え役です。硬化の進んだコラーゲン繊維もヒートショックプロテインによって軟化し再生される期待があります。

皮膚と血管壁からは圧力によってNO(一酸化窒素)が合成されます。このNOによって血管やリンパ管は拡張され皮膚や表情筋の細胞へと酸素や栄養が供給されます。酸素や栄養が十分に細胞へと到達すれば、細胞内小器官のミトコンドリアが活性化し盛んに細胞呼吸を始めます。これにより命の動力源であるATPが合成されます。ATPは皮膚のイオン勾配のエネルギーです。弾性を保った若々しい皮膚はカルシウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオンが皮膚層においてそれぞれ別々の深さに片寄って分布しています。これが皮膚のイオン勾配です。ところが老化して硬化、乾燥した皮膚では皮膚のイオン勾配は消失し、均等にイオンがばらけてしまっています。これは皮膚のイオン勾配のエネルギーであるATPの供給量の減少と関係がありそうです。したがってミトコンドリアを活性化する指圧法が結果として皮膚のイオン勾配を修復し、皮膚のハリやツヤを取り戻してくれる可能性があるのです。

また指圧による適度な皮脂と汗の分泌は顔面部に棲まう皮膚常在菌80万個の栄養源です。これらの常在菌は皮脂と汗を分解し天然の酸性クリームに変えて皮膚を保護してくれています。

美容指圧後のしっとり感は皮膚常在菌が喜んで皮脂や汗を分解した結果でもあるのです。

「指圧の心 母心 押せば命の泉湧く」、という秀逸なコピーで一世を風靡したのは指圧師の浪越徳治郎氏です。

いや実に素晴らしいコピーではないでしょうか。

【 押せば「ATP、HSP、NO、イオン勾配、皮脂、汗、皮膚常在菌、ハリ、ツヤ」の泉湧く 】、なんですから。

顔も、もっと押さなきゃもったいない。タダで美が手に入るんだから。

押せば丸美(まるび)の泉湧く。

おそまつ。

2012.03.25 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

命本主義社会

今年はマヤ歴において何か特別な年であると、少し前からささやかれていました。

それが何を意味するのかは皆目見当が付きませんが、多くの問題が山積しているのは間違いありません。

311後に露見した様々な欺瞞も含めて、今の地球における人類のシステムはもう行きづまってしまっていることは確かです。

すべての原因をひとつのものに集約するのはあまり知的とは思えませんが、ひとつには資本主義なるシステムもこのどうしようもない現状の元凶の一因と推測しています。

なにもかもカネなるものに換算して考える資本主義という思考パターンはいったい誰に植えつけられたのでしょう。

近代という文化が入りこむ以前の我が国は、それはそれは穏やかな文明を有しておりました。

江戸期に来日した異邦人たちは、この日本国の住人の心底人の良い性格に惚れてしまいます。

水夫たちはもう自国へは帰りたくないと上官を困らせたそうです。

ユートピアは足もとにありました。

では江戸期のような文明に戻れるのか?

これはすぐには無理でしょうが、その江戸文明のスピリットから何かを学ぶことは可能です。

江戸時代のベストセラー本に「病家須知」があります。

病人のいる家庭はみんなこの本に書いてある手当法を知るべし、という言わば家庭の医学百科。

つまり江戸期においてはセンモンカである医療者だけを頼りにするのではなく、自分の病くらいは自分の手で治してしまおう、という自治精神が存在したのです。

近代になるとこのような自治精神はなぜかすたれていきます。専門家である医療者に身をゆだねることを善とする思想が徹底的に植えつけられていくのです。

それは自治的な土着医療が中央主権的な専門家医療に移行していく過程でもありました。

土臭い医療、指と肌が触れあう医療、心身の深部をもみほぐす医療、因果を共に考える医療、土着の伝統医療の良い面が近代資本主義になぎ倒され切り捨てられてきました。

自分の主治医は自分です。自分の身体のことは自分しかわからない。自分の心が何を思い、自分がどうやって身体を使っているのかは自分がいちばんわかってる。

自分の命くらい自分で把握したいものです。

命をもとにした社会システムの構築が次世紀の課題です。

みずからの命の鼓動を感じるそのきっかけ作りも我々の仕事です。





2012.03.21 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

ウィンド&ファイアー

「火で治せぬものは不治である」

はギリシャ医学の父ヒポクラテスの言葉です。実は西欧にも熱を使う医療がありました。

それは焼きごてのようなもので皮膚をジューと焼いてしまう焼灼法でした。絵でしか見たことがありませんが、強烈なイメージが残りました。

そんな治療法しか知らなかった西欧人のひとりであるケンペルが江戸期に来日した折りに、我が国の灸治療を見て目を見はります。

そしてつぶさに日本の鍼灸術を記録し西欧へと紹介することになります。

この時に日本の鍼の刺入スタイルである管鍼法(かんしんほう)という管(くだ)を使って鍼を刺す方法が西欧に知れたことが、のちの注射針の開発につながったとの伝聞もあります。

医療文化は意外にも古くから東と西を行き来していたのです。

さて、お灸と言えば熱い=火傷(やけど)という単純な発想が生まれてしまうのは、やはり啓蒙不足の感を否めません。

灸の気持ちよさ、安全さについてのアピール不足に関しては自身も含めて反省すべき点です。

現在の灸の手法は、「よりマイルドにより気持ちよく」です。

直接灸という昔ながらの直接に皮膚にひねった艾(モグサ)をのせて線香の火を点火するタイプであっても、灸点紙というアルミ箔が真ん中に貼ってある灸熱緩和シールを使います。それによって燃焼温度の伝導がゆるやかになります。

温灸は文字どおり、温かいお灸です。温灸器を皮膚に当てて輻射熱で皮膚を面であたためます。とくに女性に喜ばれるお灸ですし、不妊症などには絶大な効果を発揮します。温灸に使う筒艾(つつもぐさ)には薬草を16種類も混入したタイプがございます。この薬草の香りを医療へと応用した起源は古くは中国最古の地理学書である山海経まで遡ります。当時は「衣冠療法」と呼ばれていました。香りをまとう医療です。温灸によって皮膚温はちょうど40度〜43度付近になります。少しあつめのお風呂に浸かった感じです。この温度帯で活性化するのが皮膚センサーのTRPV1という受容体です。この温度受容体が活性化することで、皮膚から浸透した温度入力情報は、神経や免疫系、内分泌系へと伝えられ、体内の動的プロセスを円滑にする生化学反応が活性化します。生命現象とは酵素反応であり、この酵素が反応するためには至適温度が必要です。そして酵素反応の触媒となるのが分子シャペロンであるHSPなのです。つまりお灸治療によって酵素反応に必要な温度とその酵素反応を先導するシャペロン分子であるHSPを同時に獲得できてしまうのです。そして薬草の香りも身にまとう事ができるのです。まさに一石三鳥の温熱治療です。

「お灸って気持ちいい」、「お灸をしてもらっていたら寝てしまった」、「お風呂に入るときに香りがフーとしてなんとも言えない」、が実際の治療現場で聞かれる言葉です。

古代マヤ人は古代中国人が経絡(けいらく)と称した生命エネルギーのルートを、「風の脈」と呼んだそうです。

火をおこして風を呼ぶ治療。

一陣の風があなたを健康へと導きます。

2012.03.20 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

ともしび守りて

世界中を見渡して、歴史的な俯瞰をも考慮して、やはりお灸という医療文化がかくも洗練されて大衆へと行き渡った国は、我が日本国をおいて他にはございません。

特筆すべきは、幼き頃より二本の箸を使い食べ物をはさんで口に運ぶ繊細な食事法。

日本独自の手先を器用にしていく文化的ベースがあったればこそ灸文化が洗練されたと私は認識しています。

米粒大のサイズにお灸をひねる、というのはやはり繊細な手先、感性ぬきには成し得ないものでしょう。

ただ、このお灸という文化遺産も今では風前の灯火(ともしび)です。

と思っていたら、最近、あいついでテレビなるメディアがお灸を取り上げたそうです。

なんでも「お灸女子」という言葉があって、自分でお灸をすえる20代〜30代の女性にスポットを当てた特集が報道されたとのことです。

いわくちょっとした「お灸ブーム」だそうで。

鍼灸師の身から言えば喜ばしい現象ではあります。ここは素直に喜びましょう(笑)

都心の銀座あたりでは鍼灸師が主催する灸の扱い方講座なども開かれておりますから、そのような手ほどきを受けてお灸に親しむならこれほど良いことはありません。

江戸期には惚れた男の名前を花魁がお灸の火傷で消す(もちろん別れたから 笑)なんて色っぽい噺もあります。

そのくらい大衆まで一般化したのは江戸期においてでありました。

さて、この灸の温熱効果の科学的説明が今までは難しかったのですが、昨今の生命科学の最新知見と照らし合わせることで、非常に明快な理論で説明が可能となりました。

灸治療によって分泌されるもっとも有効な物質と同定されるものの一つが熱ショック蛋白質(ヒートショックプロテイン)と呼ばれるものです。

分子シャペロンとも言われるこのHSPの働きとは、ひとことで言えば体内の動的恒常性を維持するためのタンパク質の合成修復解体の先導役としての働きです。

この分子シャペロンがあるからこそ、生命現象のかなめの酵素(も、タンパク質から成る)反応が維持できるのです。

そして昨今、ようやく日の目を見た細胞内リニューアル機能のオートファジーにも、分子シャペロンが介在しています。

身体に熱を加える医療、もっと言えば火を手なずけて医療に応用した文化。

灸治療の歴史をさかのぼれば、恐らくプレ四大文明までいくと私はにらんでいます。

古代マヤ文明においては、灸治療も盛んに行われていたとも聞いております。

古くて新しい灸治療の新展開。

新たなスピリットを吹き込み、医療文化の「灯火」を守っていく所存です。

小さな声で「ファイアー 笑」です。

2012.03.19 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

食薬一如

汝の食を薬とせよ 汝の薬を食とせよ

たしかこんな言葉があったかと記憶していますが、巷間よく使われるのは「医食同源」というワード。

食材のほとんどが中国の本草書(薬草書)の中にみられることから、「薬と食材は同源」という意味で作られた言葉と推定されるこの「医食同源」という単語。

この言葉は実は1970年代に我が国、日本で作られた言葉なんです。てっきり古い中国思想かと思っていた方も多いと思います。

また「薬膳」という言葉は1980年代にお隣の国、中国で作られた言葉です。意外にもかなり新しい言葉なんですね。

「医食同源」も「薬膳」も、古くから伝わる中国の養生観かと思っていたら、全然そんなことはなかった。面白いですね。

漢方薬のいちスタイルである生薬を煎じてその温かい液体を飲む「湯液・とうえき」というジャンルの起源は薬草スープにあります。

殷の宰相であった伊尹(イイン)はもとは料理人であって国王のために薬草スープを作ったのが湯液の始まりです。

湯とは中国料理ではスープを意味します。

漢方医学の聖典「傷寒論」は伊尹(イイン)の「湯液経」を基にしたと言われます。

つまり漢方薬の代表的なやり方である煎じ薬、正確には「湯剤」の起源は、国王の治病のために料理人が苦心して編み出した薬草スープにあったのです。

さてそんな古い背景も加味して料理を俯瞰すると、やはり「食も薬もひとつの如し」の感がより一層深まります。

風邪の予防に薬味をタップリ入れたスープを作る。これも国王もとい家族のための湯液なのです。

近所のスーパーで、八百屋さんで新鮮な野菜や果物、お肉や魚を仕入れて、手をかけて料理すればこれがまさに「食薬一如」のライフスタイルなんです。

お母さん(最近はお父さんも)こそが家族の主治医だったのです。

ゆめゆめ食をあなどるなかれ。

「食は神なり」

の言葉を遺したのは、ネットも携帯電話もない時代に世界中を駆けまわり、多くの人々に食の重要性を説いたマクロビオティックの創始者である通名ジョージ・オーサワこと本名「桜沢如一」その人です。

さて、本日も心して御膳に向かう所存です。

2012.03.12 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 食薬一如

さるもも礼賛(改めて)

キウイの原種は中国揚子江沿岸のオニマタタビでこれを改良したものが現在のキウイ。主産地はニュージーランドですが、実は日本で初めてキウイを栽培した方は静岡県の掛川市におられます。昨年、キウイフルーツカントリージャパンに伺って、少しだけオーナーご夫婦と会話することができました。

花がなるのは5月頃で、その時期が一番神経を使うそうです。何しろ受粉に適する期間が3日ほどで、この受粉をうまく人の手でしてあげないと、未熟果や奇形果になってしまう。だからけっこう受粉の時期はピリピリしてしまうそうです。見かけとおり?デリケートな果実なんですね。そしてもぎたてを食べるなんてことはキウイの場合は不可能で、エチレンガスのむろに2週間ほど入れて、追熟処理をして初めて食べることができるのです。原始的な植物の性質を維持しているのか木には雌雄の別があります。このオーナーご夫婦の手作り感溢れるキウイのテーマパークの印象は強烈で、子供たちも時折思いだし、また行きたいとのたまいます。何とも心地よい施設でした。

さてキウイはビタミンCが豊富であり、疲労物質(乳酸タンパク質)分解作用のあるクエン酸も含むたいへん優れた果物ですが、自分が注目する成分はタンパク質分解酵素アクチュジンです。

肉料理の際にキウイの果汁をふると肉が軟らかくなるとの記述もみられます。さて私は免疫の観点でこのアクチュジンに着目しています。

細菌の細胞壁もウイルスの殻も主成分はタンパク質です。ガン細胞の膜もタンパク質です。これら三者は、身体が異物と判断し免疫機構を使って排除中和しますが、その目印になるのが外殻や外膜を構成する異種タンパク質ということになります。

ではアクチュジンを摂取したらどんな利点があるのか?たとえば細菌やウイルスがついた食品を食べたり、呼吸器からそれらが侵入した場合は、おそらくアクチュジンも胃液(タンパク質分解酵素ペプシンを含む)と共に細菌やウイルスの分解処理をするのではないか、という期待があります。通常は気道や気管支や咽頭や口腔、鼻腔の粘膜や腸扁桃パイエル板M細胞などの免疫の関所で異物は食細胞によって処理されます。でもそれらの前段階で、たとえば口腔内や胃内でアクチュジンが作用して異物を分解してくれるのならそれに越したことはありません。

ということで今後もキウイに熱視線です(笑)

2012.03.11 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 免疫強化

鮮度

ケラチノサイトという表皮細胞は常に垢(あか)として剥離していきます。

腸管上皮細胞も24時間で新しい細胞へと交替します。

この外部環境との接点である二つのセンサー細胞はいつもまっさらな新鮮さを維持しています。

新しいセンサーが常に用意され、外部情報を受容しているのです。

この鮮度を維持するという仕組みこそ、命の働きのキーかと存じます。

オートファジー機能もまさに細胞質の鮮度維持と言えます。

人体60兆個の細胞がいつもフレッシュであるならば健康と言えましょう。

そのためには食べ過ぎない、よく眠る、体内外の保温、少し汗をかく、などの基本的なことを守れば良いのではないでしょうか。

食は養生の基本ですから、ひとこと追加するなら新鮮な野菜や果物は常時摂るといいでしょう。

一昨日、近所のスーパーで静岡産のキウイを買いました。

キウイと人との関わりはこれまた古く2千年前の中国ではすでに生薬として利用されていたようです。

久しぶりに羊桃(キウイの別名1)のジューシーな酸味を堪能しました。

風邪の初期には1時間に1個、このキウイを食べると3個ほどで風邪が退散する、などという記述もみられます。

風邪でない平時にも是非、時々頂いたらいい果物でしょうね。

猿桃(キウイの別名2)礼賛になってしまいました。

2012.03.07 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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