上級編

ぽんぽん周りについて

腸管免疫という言葉をご存知でしょうか?読んで字の如く腸管における免疫機構のことです。これは小腸の絨毛のひだがゆるくなって扁平になった部位に存在します。ここの部分をパイエル板M細胞と呼びます。このパイエル板M細胞をたとえば冷凍庫で冷やしたつ〜めたい物などをたくさん食べて冷やすと、あっさりとこの免疫機構は失われます。ということはここが感染源となり、あらゆる細菌やウイルス、異種タンパク質、異物がこのM細胞の膜を通過し体内へと侵入するのです。これでおわかりのように、腸管免疫とは口から侵入した細菌などの外敵から身を守るたいへん重要な機構なのです。一説によると人体の免疫の70%はこの腸管免疫に存在するとされます。プリオンという狂牛病の原因物質も実はこのパイエル板M細胞から侵入するそうです。

ではどうしたらこの腸管免疫という関所の活性を保つことができるのか?ひとことで言えば「冷たいものを摂取しない」に尽きます。タンパク質などは胃において4時間ほどかけて消化されるそうですので、食べ物はある程度はあたためて小腸へ送られるようにはなっています。それでも冷えたものは厳禁です。冷たいものは摂取しない。あたたかいものだけを食べる、飲むようにする。これだけでインフルエンザに罹患する確率は断然低くなります。そしてこの冷たいものに注意することは万病の予防になると理解して下さい。

唾液1ミリリットル当り平均10の7乗個もの大量の細菌が棲息しています。ミュータンス菌という乳酸菌の一種やマイコプラズマなども口の中の常在菌です。これらも食べ物と一緒に胃へ送られ、胃酸に耐えて生き残れば小腸へと送られ大腸へと移行し便となって排泄されます。食べ物に付着して入りこむ細菌も同じ流れです。空腹時には胃酸のpHは1.5にまでなります。金属も溶かす強酸です。唾液というアルカリ性の消化液と混ざった食物が胃に入ると胃酸のpHは5くらいまで薄まります。そして肉塊などのタンパク質のかたまりは胃において4時間ほどかけて胃液に含まれる消化酵素ペプシンの作用で消化されます。その過程で食物と共に侵入した細菌などは胃酸によって殺菌されます。胃の役割は食物の一時貯蔵、食物の消化(主にタンパク質)、食物の殺菌です。

このように口腔と胃での消化殺菌を通過できた細菌類を待ち受けるのが腸扁桃パイエル板M細胞の役目なのです。耐酸性の細菌やウイルスは小腸まで侵入します。この時にもし冷たいものをがぶ飲みしていて、M細胞が機能麻痺状態であったら確実に細菌やウイルスが体内に侵入してしまいます。パイエル板に待機する白血球の活性が冷たいもので失われるのです。ですから侵入した細菌やウイルスを捕捉しても消化できずに、その細菌やウイルスを抱えたまま全身へとその白血球がばらまかれてしまいます。これを播種と言います。

さていわゆる乳酸菌などの発酵食品を摂取すると腸管免疫の力をアップできるという説についてなんですが、私は少し懐疑的です。というかもう少し考察の余地がありそうな気が致します。腸管に存在する腸内細菌の種類は100種類以上、総重量にして1キログラム、総数は100兆個と言われます。また皮膚常在菌の総数は1兆個、顔だけで80万個です。この皮膚と腸管の二つの上皮を覆う常在菌も人体を防衛するかけがえのない仲間です。肉眼では見えないがゆえに意識するのは難しいですが、この常在菌という仲間なくして人体の生理を維持できないでしょう。そして腸内細菌は個々の人間に顔の違いがあるように、固有の菌叢を形成しています。腸内細菌にまでちゃんとアイデンティティーが存在するのです。その固有の菌バランスは容易には変化しません。口から入った乳酸菌をはじめとする菌たちはあくまで通過菌として2〜3日間のみ腸内に居ることが許されています。その後は便となり排泄されます。固有の菌叢の住人である菌たちにとっては、食事由来の菌は異邦人なのです。でもここで外来の異邦人である菌と固有の定住菌である常在菌との交流があるのかもしれません。それによって腸管内の細菌叢がゆたかになって常在菌の活性化につながる可能性があるのでは、と私は考えます。腸内細菌叢が豊かになると、腸内環境が整い、パイエル板M細胞にも好影響が出る?のかもしれません。マクロファージという食細胞にとっては異種タンパク質の細胞壁で構成された食事由来の菌たちは格好の標的でありそれゆえにマクロファージが活性化する、という奇説も私は考案中です。以上から『食事由来の菌は決して腸内では繁殖しない。でも腸内常在菌の活性化にはなる』が私の考えです。

まとめ

冷えたものを決して飲食しない。(インフルエンザが蔓延している時期は常温の飲み物、生野菜、ヨーグルトなどもできれば気を付けて摂取しない方が良い)

発酵食品には腸管免疫を活性化する作用があるかもしれない。

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2012.01.31 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 免疫強化

インフル対策事始め(中級編)

免疫の要となる部位について

1、のど周り

飲食と呼吸を介して外部環境と接するアクセスポイントである呼吸器の入り口の鼻腔と、消化器の入り口である口腔。この二つの入り口を守る関所である鼻腔咽頭と口腔咽頭。これらを総称してワルダイエル扁桃リンパ輪と呼びます。ここは白血球を造成しており外部から侵入する細菌やウイルスに即座に対応するシステムが作動しています。鼻から侵入するものは鼻腔のみで処理し、口から侵入するものは口腔で処理します。粘膜であるので粘性物質で覆われた器官です。この粘液で捕捉することも外敵から身を守る人体の防衛術です。ですからまず、のど周りの粘膜を乾燥から防ぐ。これが単純ですが最も重要なことです。

口について

食べ物に付着して侵入する細菌やウイルスは口腔の粘膜が処理します。しかし、口呼吸という口を開けて呼吸することで侵入する空気に乗って襲来する細菌やウイルスの処理は口腔粘膜ではできません。よって口呼吸は厳禁です。口は常に閉じておく。特にインフルエンザが蔓延する時期はということです。マスクの意味もこのへんにありそうです。

鼻について

鼻から入ってくる空気はいったん鼻腔内を通過します。その際にあらかた粘膜が粘液で細菌やウイルスを捕捉してしまいます。そして100%の湿度を与えられた空気だけが肺へと送られるようになっています。だから基本的には無菌状態の新鮮な空気しか肺には入れないシステムです。でも、鼻腔内が極度に乾燥してしまって粘液がカラカラになれば細菌もウイルスも捕捉できずに肺へ侵入する危険が高まります。肺へ入っても肺胞マクロファージという白血球が即座に対応しますが、鼻腔内で処理できれば言うことはありません。この鼻の穴の乾燥を防ぐにはどうすればいいのか?一般化している方法かは定かではありませんが、私が実行している方法があります。それは馬油を綿棒に付けて鼻の穴に入れて奥から壁面へと貼付する方法です。ソンバーユという製品を使用しています。通常は夜寝る前に一度だけでしたが、今は寝る前、出勤前、午後の出勤前と3回も貼付しています。また無香料タイプは顔に塗りますが、ソンバーユ(ヒノキ)というヒノキの香りタイプを今回から鼻へと使用し始めました。これはヒノキの精油成分ヒノキチオールに強力な殺菌作用があることから、その効果を狙っての使用です。清涼なハッカに似た香りがたいへんよろしいです。ヨーロッパにおいてコレラが蔓延した時期に、精油業者にコレラ罹患者が出なかったこともこのアイデアの源泉になっています。私自身も養生法の探求中ですのでライブ実験中ということです。花粉症対策も兼ねています。まずは鼻粘膜で細菌や異物を捕捉してしまう。ここがポイントです。

まとめ

口を閉じておく
ソンバーユを鼻の穴内に塗る

2012.01.29 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 免疫強化

インフル対策事始め

基本的なインフルエンザに対する養生法をいくつか列挙しておきます。

よく眠る 

1,身体を水平位に保つと体幹部も頭部と同じ血圧90ミリHgに下がり、全身へ血液を送るポンプの役目の心臓がようやく少し休まることができる。

2,関節部が重力から解放される。関節骨頭である関節部の膨らんだ部位で白血球が合成されるとも言われる。だからここを重力負荷から時々解法することは白血球合成の促進になるという説がある。関節をいたわることは身体をいたわることであり万病を予防すること。

3、睡眠時に白血球が活躍し、身体中がクリーニングされ細胞のリモデリングが行われる。一晩で肉塊にして1キログラム、1兆個の細胞が生まれ変わるとも言われる。よって寝不足でいると全身の活力が失われていく。しっかり寝ると良いコンディションが保てる。



しっかりと湯船に浸かる入浴法

1,アルキメデスの原理で体重は9分の1に減殺されるので、やはり関節荷重が解放される。

2、40度以上の熱めの湯に15分ほど浸かるとHSPと呼ばれるタンパク質が身体中に分泌される。このHSPによってすべてのタンパク質合成、解体、再生、修復が促進される。



鍼灸指圧 

1,今まで述べた通り、皮膚というクスリ箱を自由に開ける術なので縦横に利用すべき療法。風邪の予防のみならず万病の予防に是非。



薬味の摂取 

1、匂いの強いネギなどの薬味類には強力な殺菌作用がある。ショウガやネギ、玉ねぎ、わさび、みかん類などの抗菌力、抗ウイルス力に関してはソビエトのボリス・ペトロヴィチ・トーキン博士の研究を嚆矢とする。フィトケミカルであるショウガのショーガオール、ねぎのイソシアネート、緑茶のカテキンなども有効成分。

2012.01.28 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 免疫強化

アンチ(脱&推)

エコノミクスという経典を信奉する機械帝国の信者さんが経営する国で、果たして脱が可能なのかという疑念は常につきまとう。

それでも脱のムーブメントは加速させ1機たりとも早急に停止させなければならないのはわかってる。

でも、脱と推は水と油であって永遠の断絶があるだけ。そこをすりあわせる事が可能な合理的な論争や新たな価値の提示ができないものかと思う。

脱も推も納得がいくオチがなければ、どうにもならないような気もする。

たとえば今ある原発の敷地内にガスタービンコンバインド式の発電プラントを立地し送電線はそのまま使う。働いている方もこちらに移行する。このようなやり方はすでにアメリカのコロラド州のフォート・セイント・ブレイン (Fort St. Vrain) で成功している。原子炉だけを閉じて、天然ガス用のボイラーを横につくって、タービンの建物など、ほかのものはそっくりそのまま使えたそうです。そしてコロラド州の小児ガンの罹患率は全米いち低くなったと、米科学者のアーネスト・スターングラス博士は仰っていた。

乳がん罹患率の高い地区を追った米研究者のグールドらの調査も衝撃的です。

エコロジーという言葉が一般化しても自然破壊は食い止められていない。脱原発という語の普及が果たして実効性があるのか今試されている。

推進派とは今さえ良ければの刹那主義で生きる人のこと。

たしかにもう戻れない。プルトニウムを手に入れた人類はすでに宿痾を宿してしまった。

どうすべきか?

高木仁三郎氏の如くすべての人間が自分の問題と引き取らなければならない問題。

自分もさらにさらに学ばなければならない。

2012.01.27 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 内部被曝

後(ご)の先(せん)をとる一皿

内部被曝を防御する「食から摂取できる有効成分」として名前があがっているものには、乳酸菌、酵素、ビタミン、ミネラル、不飽和脂肪酸、アミノ酸、クエン酸、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、ムチン、植物繊維、動物繊維(キチン・キトサン)、フィトケミカル、カテキン、ポリフェノールなどがあります。

クエン酸のストロンチウム排泄効果などはマウス実験などによって有効作用が認められています。

311後に有効と思われる食を試してみて、自分が食べてみて「おいしい」と感じて長続きしている一皿があります。

「干しブドウとクルミ、アーモンド、カシューナッツ、マカダミアナッツ」

最初は勘で始めました。後に干しぶどうの果皮に今もっともホットなポリフェノールとされるレスベラトロールが存在することが判明しました。

このレスベラトロールという抗酸化物質は、いわく、長寿遺伝子サーチュインのスイッチをオンにする、細胞のエネルギー供給源であるミトコンドリアを増やす、活性酸素を中和する、などの霊験あらたかな効用から世界の研究者が注目している物質です。そしてこのレスベラトロールは脂溶性です。

干しブドウと一緒に食べる堅果類であるナッツに豊富に含まれる植物性油脂。この不飽和脂肪酸と一緒にレスベラトロールを摂取すると体内に2者がうまく吸収されるのではという期待もあります。脂肪酸は細胞膜の原料でもありますから、ペトカウ効果に対抗するためという狙いもあります。

あとは普通に干しぶどうにはクエン酸や鉄分などのミネラル、ナッツ類にはすでに述べた植物性油脂やビタミンEをはじめとするビタミン類、カルシウムなどのミネラル類も含まれます。

この一皿、太古の原人時代の食である果穀食を彷彿させるノスタルジーあふれる逸品と自負しています。

人間の歯の形とその構成比を見れば、人間が何を食べて進化してきたのか?また現在、何を食べていいのか?がわかるとも申します。

臼歯+切歯と犬歯の比率は7対1です。穀物と野菜、果実を7、肉や魚は1の割合が本来は人間が食べていい食の黄金律です。

しかし人間は料理をしますから、もう少し大らかな基準でも良さそうです。料理とは半分先に消化作業をしてしまうような効果があります。

消化の難しいタンパク質は味噌においてはすでにアミノ酸に変化しています。味噌は発酵による分解です。

タコと里芋を一緒に煮る。ぶり大根。これらが調理による消化の典型的な例でしょうか。ジアスターゼ+タンパク質。海の物と山の物の抱き合わせ。これも人間の叡智です。

311後の一皿に「干しブドウと堅果」などいかがでしょうか。

いずれも近在のスーパーで手に入るものです。

2012.01.26 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 内部被曝

海よ

人体60兆個の細胞がひたる海である体液。この生命を養うメディウム(溶媒)の組成は古代の海水にほぼ等しいと言われます。

その身体に海を宿し海中から陸上へと進化した我々の祖先。哺乳類の別名は「海をはらむ族(やから)」

このミネラルの宝庫である体液の恒常性を維持することも健康でいる上で重要です。
常に良質なミネラルを補給していれば、新たに侵入する核種の蓄積を防げます。

「ミネラル飽和状態バリアー」も311後の養生法のひとつです。

うちでは近所のスーパーで買うことができるモンゴル産の岩塩を使用しています。「1億年前の塩」のような商品名です。

特別なことや特殊な高価なものを使用しなければ健康になれない、なんてことはないです。ありふれたどこでも手に入る安価なもので健康は維持できなければなりません。

近所のスーパーで普通に買える。これも重要なポイントです。

海洋汚染は深刻です。英セラフィールド再処理工場が30年間にわたり垂れ流した2分の1トンのプルトニウムがその海域を高度に汚染し、のちにその海岸で何も知らずに無邪気に波と戯れた周辺の子供たちの白血病の罹患率を10倍に引き上げた実例がすでにあります。

多糖体を含む昆布。この海藻は海水中に漂うミネラルをはじめとする94種類のエネルギーをその葉面から直接吸収し、ひと夏に13メートルも伸びるという。

ミネラルの力は偉大です。

実は肥田舜太郎先生の食のアドバイスの中核も「良質なミネラルの摂取」にあります。
そうすることでミネラル代謝を促進し、早いサイクルで核種を排出するのが狙いでもあります。

母なる海を汚染した。今もって信じられないことです。

2012.01.24 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 内部被曝

インナー・ウォーズ

細胞が分裂する際にDNAの2本鎖のスパイラルがほどけ1本になる。その時に細胞内に侵入した核種が放射線を照射することで1本鎖になったDNAが内部被曝する。そうするとその次世代の細胞へ転写すべき情報がつまったアデニン、グアニン、シトシン、チミンという4つの塩基で作られたコードが切断される。細胞が再生され新生される際にそのコードの傷が何らかの異変を新生細胞にもたらす。

このようなメカニズムが細胞分裂の盛んな細胞にとって内部被曝が脅威となる理由。子供は生まれた時には30兆個の細胞数。これを24歳までに倍の細胞数である60兆個に増殖させる必要がある。その過程だからどんなことがあっても子供の被曝、とくに内部被曝を避けねばならないというのが真っ当な見解です。

大人の場合は皮膚、腸管上皮、骨髄造血幹細胞、髪の毛、爪などが細胞分裂の盛んな部位。だから被曝すると髪の毛が抜け、爪がはがれ、口腔内に炎症が起き、下痢をし、皮膚にアレルギー様の症状がでたり、鼻血が出る、などの典型的な被曝症状が出現する。

原爆の炸裂時の放射能を至近距離で浴びる「直爆」の場合はより早く激しくこの被曝症状が出現する。爆発後、数日経た街を訪れてそこに漂う大気や水などから核種を体内に摂取する「入市被曝」でも、場合によっては直爆に近い激しい症状を呈する。湾岸戦争終結後にイラクの任務に赴任した兵士が帰国後9ヶ月を経て発症し2年間の闘病の末に40代の肉体が80代の老人にように変貌し亡くなったケース。このような従軍兵士の帰還後の症状はいわゆる「湾岸戦争症候群」の名として人口に膾炙している。

上記のような激しい症状とは違うが、やはり「入市被曝」同様に飲食や呼吸を通して核種を体内に摂取し内部被曝したことに気づかずに、ある日、突然に身体が言うことを聞かなくなる。原因がわからず2日ほどして少し動けるので今まで通り会社に行く。でもまた身体がおかしくなる。そんなことを繰り返すようになる。これがいわゆる戦後、内部被曝した核種によって長く被爆者を苦しめることになった「原爆ぶらぶら病」

私たちが311後に常に欲していたのは、正しい知識であり、どうすれば内部被曝を防御できるのかというその情報の「厚み」だった。そしてその厚みを増す役目を担う者こそが医療関係者であろうと私は考えます。いな、もしその任を引き取る責任を感じないのなら医療者として存在意味はないでしょう。

肥田舜太郎先生が仰っている言葉を自分は上記の如く解釈します。厚みを増すために私は情報を選択し考え続けました。

まだ「内なる闘い」は始まったばかりです。

2012.01.24 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 内部被曝

イノチ

命という語を「胃の血」と読むことも可能です。

脊椎動物は海水から陸上へと進出した後に、腸管造血から骨髄造血へと造血器官が移動します。これは骨髄がリン酸カルシウムなどのミネラル集積部位であるからで、造血に必要なミネラルを取り出すのには骨髄で造血する方が都合が良かったからとの説もあります。従って骨とは人体にとっては血液の生み出される最も重要な部位とも言えます。その骨にストロンチウムやプルトニウム、ウランなどは蓄積し、そこでα線やβ線を放射し続けて周辺の骨芽細胞や幹細胞などを被曝し活性酸素を産生し細胞膜を破りDNAを傷つけます。骨という「血液の生み出される子宮」が痛めつけられてしまうのです。とても悲しく恐ろしいことです。

また千島喜久男博士による腸管造血説もいまだに真偽はつかないまでも一部では根強く支持される学説です。これは食べたものが消化されて小さな分子や元素になり、腸管上皮の内膜を通過した時に体内に血液が生じるという学説です。この説にのっとるのなら、食というもの、いな、口から入るものすべてが非常に重要なものと位置づけられてきます。まさに胃を含む腸管で作られる血という意である「胃の血」が人間の血液の質を決定し生命力を左右することになります。

腸管上皮のセンサー細胞である小腸基底果粒細胞。この「受容分泌細胞」である腸管上皮のセンサー細胞の起源は腔腸動物のヒドラに行き着きます。このヒドラという生物は外皮と内皮の二重構造で口と肛門を兼ねた穴がひとつ開いた非常にシンプルな構造体です。しかし、人間もしょせんはこのテントのようなシンプル構造を高層ビルディングにしただけの「張りぼて継ぎ足し構造」であることには変わりありません。つまり最も重要な部位とは、外皮である皮膚と内皮である腸管上皮の二枚の皮とも言えます。この腸管上皮のセンサー細胞である基底果粒細胞も皮膚のセンサー細胞である表皮ケラチノサイトも、ともに圧力や温度や痛みや栄養物質などの情報をセンサー細胞が受容することで機能しています。1種類でなく多種類の食べ物を食べることでセンサーがより活用でき腸管上皮が生き生きとする。鍼灸刺激などの適度な情報が皮膚へ与えられることで皮膚センサーが体内へとホルモンや神経伝達物質を分泌し内部環境と外部環境の均衡が維持できる。そして外皮と内皮というこの「二つの膜」にこそ、心や情動、認知機能が存在するとの説もあります。

以上の考察により

=(骨の保護+腸管上皮の活性化+適切な皮膚施術)もX、Y、Zに加えたいと思います。

「骨の保護」では、ミネラルの摂取、骨休めである十分な睡眠、重力の負担から関節を解放するしっかりと浸かる入浴などを挙げます。

「腸管上皮の活性化」は腸管に人体の免疫の7割が存在し腸管を冷やすと腸管免疫の力が落ちるとの説もあるので、「腸管の保温」は厳守です。

「適切な皮膚施術」とは、今まで述べた通り「皮膚というクスリ箱」を開く術こそが鍼灸指圧であります。

=(骨+腸管上皮+皮膚)

2012.01.22 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 内部被曝

(X+Y+Z)

長崎型プルトニウム原爆の開発主導者であったオッペンハイマーとエンリコ・フェルミはハンフォードで原爆開発の作業をすることで自分自身が「内部被曝」してしまう事を知っていた。だから作業後には必ずロス・アラモスのマンドール医師のもとへ駆けつけ「キレーション」という点滴を受けていた。この「キレーション」とは大量のビタミンを配合した点滴治療で、体内に発生したフリーラジカル(活性酸素)を消し、重金属を体外に排出させる効果があるという。『参照・肥田舜太郎 鎌仲ひとみ「内部被曝の脅威」ちくま新書』このエピソードから学べるXは「大量のビタミンを食品を通じて摂取」していればもしかしたら「キレーション」的な効果が期待できるかもしれないということ。では大量のビタミンをどうやって摂取するのか?普通の食事からとなると「フレッシュな野菜や果物をビタミンが壊れない調理方法で摂取する」が適当かと推察できます。サプリメントなども出回っていますが、自分は自然な食事から必須な栄養素を摂るのが身体には一番自然なことと考えます。

カナダのマギル大学の研究者たちは1960年代と1970年代に、海藻に含まれる多糖体がストロンチウムをつかまえて体外に排出させることを発見しています。またソ連のブレックマン教授たちは漢方薬の人参成分を含む十全大補湯や補中益気湯などに放射線障害を防ぐ力があることを実験で確認しています。これを追試実験した日本の科学者によれば有効成分は人参サポニンではなく数種類の多糖体であろうとの見解を発表しています。またチェルノブイリにおいてはリンゴの果皮に含まれるペクチンという成分を摂取すると体内のセシウム137の数値が有効に下がることが実証されています。このペクチンとビタミンを組み合わせたビタペクトなるサプリメントは有効であろうと日本のある研究者は発言していました。このような事実から「多糖体を含む食品を積極的に摂取する」をYとして推挙します。

体内に侵入した核種は、通常は食品に含まれるミネラル類であるカルシウムやマグネシウム、鉄、カリウムなどと同じように扱われます。つまり必須ミネラルと勘違いして身体はそれらを積極的に取りこみます。セシウムがカリウムと、ストロンチウムがカルシウムと勘違いされて取りこまれる、という話しは311後にもよく聞かれました。ウランは鉄と、プルトニウムも鉄などと勘違いして身体は蓄積してしまうようです。銀河系の生成過程で生じた金属の粒であるミネラルは人間にとっても必須な構成要素です。しかしこの人体の「走ミネラル性」が逆に内部被曝の場合はあだとなります。ヨウ素131の甲状腺への蓄積を防御する有効策はご存知のとおり、あらかじめヨウ素剤を摂取して甲状腺細胞内をその人工ヨウ素で飽和状態にしておくこと。こうすることで新たに入ってきたヨウ素131が甲状腺へ入りこむことを防ぎ、体外へと排出されてしまう。チェルノブイリ事故ではこの方法をポーランド政府が実行した結果、ヨウ素剤を飲んだ子供たちの甲状腺ガンは100%防げたとも言われます。以上のミネラルの動向から考察するならZは「体内に必須なミネラル類を摂取しミネラル飽和状態としあらたな核種の侵入を防ぐ」となります。

その他には、桜沢式食養法の結核患者への応用を自身の病院で実践していた長崎の医師・秋月辰一郎先生の貴重な経験談はたいへん参考になります。ネット上でも311後に話題となりましたのですでにご承知の方も多いと思います。原爆の放射能を浴びて運ばれてきた患者さんたちが呈する症状がレントゲン宿酔というレントゲン過照射時の身体症状に似ていることから、秋月先生は独自の対策をたてます。これは先の桜沢如一の陰陽論の薫陶を受けていたからこそ想起できた対策です。要約するのなら放射能は身体を緩め弛緩させ細胞膜まで破いてしまう。それを防ぐのは細胞を引き締める力のある塩や玄米や味噌、海藻、カボチャを摂取すること。そして砂糖類などの細胞を緩める作用のある食品を禁忌とする。この方法で秋月先生は病院の職員や入院患者からひとりの原爆症も発症させなかった、と言われます。


=(ビタミン+ミネラル+多糖体)
 ※ 秋月式栄養法も考慮する

以上、何かの参考になりますれば幸いです。

2012.01.22 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 内部被曝

(α+β+γ)

養生を「命をはぐくむ」と解するのなら本来は真っ先に取り上げるべき話題です。

311後に顕在化した新たな健康危機である「内部被曝」

「内部被曝の脅威」とは、細胞の6兆分の1という小さな世界で起こる現象ゆえ肉体感覚でとらえることが難しく、なかなか危機感をもつことすら難しい現象です。

しかし、核種が体内に侵入すれば、たとえ微量でも容易に細胞膜を破り活性酸素を大量に発生させDNAを切断します。

アブラム・ペトカウは1972年に「液体の中に置かれた細胞は、高線量放射線による頻回の反復放射よりも、低線量放射線を長時間、放射することによって容易に細胞膜を破壊することができる」ことを実験で発見しました。のちに言うこれが「ペトカウ効果」です。

米医師であるヘレン・カルディコットは「物理学者たちは、核原子力時代を始める知識を持っていた。医師たちは、それを終わらせるための知識と信頼性と合法性を、いま持っている」と発言しています。

また、自身も広島で「入市被曝」を体験し、戦後60年間「原爆ぶらぶら病」に悩む患者さん達の診療にあたった医師である肥田舜太郎先生は、日々、生命というものと対決している医療関係者が被曝に無関心でいることは許されないという主旨の厳しい言葉を投げかけています。

顕在化した内部被曝という現実。医療に携わる自分に突きつけられた課題です。

2012.01.21 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 内部被曝

有資格者対策(主に自分へ)

「ツボを消す」の記事で触れたことにもう少し追加します。

東洋医学とはわたしにとっては「大きな物語」です。言ってみれば映画「ロード・オブ・ザ・リング」のような壮大なロマンの世界。根底となる世界観も、その生み出された背景も、想像力をかき立ててくれる大好きな世界です。それと同時に実践では極めて実用的であり速効性のある医療です。「痛い」と言って来院した患者さんが「あれっ、痛くない」と言って帰ることはよくあることです。そのくらい速効性も完備しています。

では、なぜツボ理論に関して「嘘であり大いなるフィクション」と言ったのか。いやもっとはっきり言いましょう。この東洋医学を取り巻く世界には多くの誤謬がつきまとっています。

東洋医学の理論が整理されたのは漢の時代。政治的にも国家を安定させる必要があったがゆえに医療も統合された。ここにすでに政治と医療の結びつきを見ることができます。つまり人民を支配するための医療という要素が入りこんでいます。医療に関する知識を専門分化し、専門家が扱うものとする。そうして民が自身の手で自分や家族を癒すスベを奪っていく。こうすることで医療が既得権益化する。医療家集団を配下におさめる。このような流れが漢の時代にすでにできてしまったのではないか、と推察してみるのです。

さらに現在の鍼灸師たち。「素問」「霊枢」「難経」「傷寒論」をバイブルと思ってないでしょうか?あくまでその時代の宇宙観であり、身体観であり、薬学であり、理論なんです。時代が変われば人も変わる。人体の生理だって変わってきている。そのままを適用するにはあまりに古い理論ではないでしょうか。わたしは科学万能主義者ではありません。でも理論なんか知ったこっちゃない、って身体が言ってるような気もするんです。ツボの名前。ふむふむしかり。でもね、ツボさんはね「オレの名前なんかどうだっていいよ、とにかく言いたいことがわかってくれりゃあね、あんた、間違った身体の使い方してるんだから、それ言いに来ただけよ」かもしれないんです。理論を当てはめようとするとその理論を通してしか身体に向き合えなくなる。リアルな肉体や心と本気で向き合うならいっぺん理論はすっ飛ばすくらいの度胸も必要じゃないかと思うんです。理論を無視しろではないです。理論もリアルも大事。

「自然哲学に立脚した東洋医学はどこまでいってもエコロジカルであり人に優しい医療だ」

「エ〜、ホント?あんた本気で言ってるの?とっくに政治的で家元的で秘匿的で排他的になってるよ」

ということなんです。無資格者のほうが人に優しい医療を実践していても何も不思議じゃない。医療とは心でする仕事なんだから。心がキレイな無資格者と心がどろどろの有資格者ではどちらが良い医療を実践できるのか?自ずと知れたことです。

自省と自戒をこめて自分へ。

2012.01.20 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

ボディコン

ナチス親衛隊長であったヒムラーは持病の胃ケイレンに悩まされていた。毒殺を恐れて薬という薬はすべて拒否していたのでマッサージ師を雇うことにした。このマッサージ師は腕が立ったようでヒムラーの胃ケイレンが起こると、たちどころにツボを押さえて治してしまう。そうしてお抱えのマッサージ師はヒムラーに寵愛され仕える事になる。それからの日々、折に触れこのマッサージ師はヒムラーに改心を促すことをし、そのかいあってかヒムラーは後にナチズムを自己批判する急先鋒へと変貌する。ケストナーはその小説でこのマッサージ師を、頭の中まで揉みほぐした「奇跡の手」と賛美した。

このヒムラーとマッサージ師のエピソード。わたしには実に多くの示唆を与えてくれます。

皮膚は脳や神経と同様に発生学では外胚葉由来の器官です。皮膚の大きさはすべて足して拡げると畳1畳ほど。重さは約3キロ。人体最大の臓器とも言われます。そして近年解明されてきたデータからは脳と同様のホルモンや神経伝達物質を皮膚が合成していることがわかり、記憶や情動、認知機能、心とも密接に関わるのが皮膚であるとの認識が広まり始めています。

つまり皮膚を揉みほぐすことは、すなわち脳を、心を揉みほぐすことなのです。
ケストナーは感性で真理を見抜いたのです。

ボディーをコントロールすることで、マインドコントロールが解除されて正常な人間性を取り戻す事ができる。

心と身体はひとつなんです。心を解き放つことが身体を柔らかくする。身体を揉みほぐすと心を解き放つことができる。

身体って意外と政治や思想とつながってるのかもしれません。

たまにはマッサージ師の指に身をゆだね脱洗脳するのも悪くない。

2012.01.20 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

ツボを消す

身体には361または365のツボがあり、そのツボを結ぶラインを経絡(けいらく)と呼ぶ。そしてその経絡中を目に見えないエネルギーである気が流れている。

「そんなものは嘘であり大いなるフィクションですよ」、と鍼灸師自身が言ったら物議を醸しそうですが(笑)あえて言います。東洋医学の根幹にかかわるこのツボ理論。私は「よくできた作りばなし」と考えます。「作りばなし」、ここがポイントです。

無いものを作りだしたのではなく、あるものをそういう風な言い方で表現した、が正しい認識です。

ツボとは体表上に出現する内臓からのメッセージ、または体表上に現れる身心からのメッセージ。それは伝えたいことがある時にだけ出現するもの。

だからツボの地図として皆さんが知っている経絡人形の如く、目には見えないけれど全身にはツボがあるんだ、というのは少しニュアンスが違うんですね。

ツボは出現するもの。そして正常化すれば消えてなくなるもの。

ツボの声を聞くのが鍼灸師。ツボを消す仕事が鍼灸指圧治療。

ツボとして感覚するものは、いわく痛み、痺れ、重さ、だるさ、硬結、湿り、かさつき、くぼみ、盛り上がり、指でなでると止まる部位、など。多くの顔をツボは持っています。少しツボに話しかけてみます。

わたし「お疲れ様、いつもありがとう。おかげで達者に暮らしています。今回はどんな御用でお越しになったのでしょうか?」

ツボ「旦那さん、最近少し働き過ぎです。おまけに暴飲暴食したんで肝臓さんや腎臓さん、胃さんや膵臓さんがみんな言ってます。少し養生に気をつけなさいって。それを言いに来ました」

さて、治療行為はかくも楽しき時間かな。

ツボの声に耳を傾け身体と対話する至福の時を鍼灸指圧で味わってみてはいかがでしょうか。

2012.01.18 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

ノミ取りボンド

お猿さんのノミ取り行為や毛づくろいはグルーミングとも言われます。このグルーミングが実は按摩マッサージ指圧の起源ではという見解もございます。たしかに仲むつまじくノミ取りに勤しむお猿さんからは恍惚感を感じないわけでもありません。タッチケアの原点であるグルーミング。ここにも皮膚科学の光が当たっています。

近年の研究から催乳ホルモンとして有名なオキシトシンというホルモンを皮膚が合成できる事が発見されました。このオキシトシンというホルモン。実に重要な役割を担っています。ホルモンが血液中で働くのは通常の生理学では常識ですが、何とこのオキシトシンを人間の鼻に向けて噴霧すると、その噴霧された人間は他人を信頼するようになったという結果が一流雑誌のNatureに掲載されたそうです。

またオキシトシンを注射すると不安感が軽減するという報告もあります。情動の安定、他者との関係性の維持にきわめて重要な役割を果たしているのがオキシトシンというホルモンなのです。オキシトシンも皮膚というクスリ箪笥の「引き出し」に仕舞われた「宝物」のひとつです。

皆様、少し「青い小鳥」のしっぽが見えてきましたか?(笑)

「青い」と言えば、最近見たDVD「アバター」の登場人物?たちは青いボディでした。この映画のメッセージは「ボンド」という語に集約されているように感じました。311後に盛んに使われだした言葉である「絆・きずな」。英語になおすと「ボンド」。

東洋医学では古くから天(外部環境)と人(内部環境)が一体になることを理想とし、その境地に至る事を「天人合一」と表現し、そこへ至る道を「タオ」と呼びました。天人合一すなわち天人ボンドですね。

草木と一体になるのが漢方薬治療。人と人が触れあい一体になる医療が鍼灸按摩。

鍼灸指圧治療がうつ病に効果的である事は最近は少し常識となりつつあります。なぜ精神の安定に鍼治療が効くのか?答えは、鍼治療によってオキシトシンやβエンドルフィン、ドーパミン、エンケファリン、サブスタンスP、プロスタグランジンなどのホルモン類が皮膚から分泌されて全身の内分泌器官や脳も刺激を受けて同じようなホルモンを分泌するからだろうという事、です。

子宮では臍の緒でつながれていた母子は、出産後は授乳というつながりで「きずな」を共にします。そしてようやく独りで立てる頃に離乳します。独りで立ち歩けるようになっても「おんぶ」に「だっこ」で「きずな」が切れる事はありません。この「おんぶ」に「だっこ」も実はとても大切な行為なのです。母子の「きずな」形成には目に見えないお互いの匂い物質が関与しているとの意見も散見します。

お猿さんは、熱心に「おんぶ」に「だっこ」してますね。よっぽど人間よりも子育ては上手かもしれません。

青い惑星とのボンドもそろそろ取り戻す時代です。

2012.01.16 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 細胞宇宙

NOと言える時もある

昨今の政治状況を鑑みますと、どうも未だに我が国はNOと言えない政治が続いているような気がします。鍼灸医学の歴史を振り返るとそこにはやはりNOと言えなかった悲しい史実を垣間見ることができます。

明治維新では戦陣医学としてドイツ医学が採用される代わりに、あっさりと漢方医学は主流から転落してしまいます。その後、待ち受けていたのはGHQによる鍼灸禁止令でした。ここで奮起したのは鍼灸業界だけではなく東洋医学に理解を示す医師たちでした。

そのひとりである石川日出鶴丸博士はアメリカ側の交渉人に鍼を打つことまでして、鍼灸医学の必要性を説き、結果として鍼灸は存続を得たとも言われております。今現在もこうして鍼灸師という身分が成立し、鍼灸や按摩指圧の治療行為が永続できているのは、こうした先人のたゆまぬ努力のお陰であります。

石川博士の系譜では、京都大学生理学教室で長き実験によって立証された「体表内臓反射 内臓体壁反射」理論はあまりに有名です。これはひとことで言えば、内臓と表皮がつながっていて、もし内臓に異変が生じれば体表のあるポイントにその情報が伝えられる、という理論です。今風になおすと、皮膚と内臓はインタラクティブな関係にある、となりますか。この理論がツボの現実性を初めて科学的に解明したとされます。

科学時代にはやはり科学のお墨付きが必要です。

自らの身体に60年の余もお灸をし続けて108歳もの長命を達成された灸博士の原志免太郎博士も著書の中で、科学の精査をもって初めて鍼灸医学の真価が世にアピールできると仰っておりました。そして実際に家兎に灸をされてその血液像を調べることで、灸治療がもたらす白血球の増加活性化、赤血球の増加を立証してみせました。この両博士は西洋医学のアカデミー出身でありながら東洋医学界に偉大なる貢献をされております。感謝の念を禁じ得ません。

実はNOと書いて一酸化窒素と読みます。この一酸化窒素なる物質は皮膚を圧迫することで表皮と血管で作られます。つまり指圧や按摩、鍼を打つことで体内に一酸化窒素が分泌されて血管やリンパ管が拡がり体液の流動性が高まります。そして新陳代謝が活発になり身体がシャンとするのです。

せめて表皮と血管くらいは時々NOと言わしめましょう。

2012.01.16 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

クスリ箱は皮膚にあり

漢蘭折衷派の医師である新宮涼庭は携帯用のクスリ箱にある文句を刻んでおりました。
箱の後面には「医師は自然の下僕である」「訳して曰く、人身は、本来、元気がある。医師の技は、ただ、その奴隷にすぎない」。前面には「解して云う。元気は何れも自然の運行である。医師は病に臨んで、自然の運行の欲するところが如何なるかを視るのみである」

オランダ商館の人たちを漢方薬を使いあざやかに治療した名医でもあった新宮先生。クスリ箱のメッセージは非常に謙虚で崇高であり100年の余経った現在も輝きを失わない言葉ばかりです。

人体の生理現象を自然現象と捉え、あくまでそのプロセスの邪魔をしない姿勢こそが医師たるものの立場だという主張。これはまさにヒポクラテス思想であります。どこへ身体がいこうとしているのか?その声が聞こえれば自ずと治癒の道は見つかるのかもしれません。私も常々、心して治にあたりたく今また思いを新たにしました。

さて、身体の持っている潜在力は計り知れないものがあります。そして未だ未知な部分も多々あります。たとえば鍼を打つとなぜ痛みが和らぐのか?なぜ眠くなるのか?なぜガンの予防になるのか?多くの疑問が今、皮膚の新たな科学的データにより解明されてきました。

皮膚は内外の情報の分岐点。インフォメーションの出島です。外部から入力された情報が皮膚ケラチノサイトによりホルモン、電気信号、神経伝達物質などに変換され身体中へと伝播します。鍼や灸、指圧の治療によって分泌されるホルモンにはβエンドルフィンなどの鎮痛ホルモン類が有名で、治療時の恍惚感はこれらのホルモンに起因するとされます。

また灸の熱は体内にHSPという熱ショックたんぱく質を産生します。このシャペロン物質であるHSPが、体細胞を構成する全てのタンパク質を円滑に生成し解体し再生します。

鍼灸刺激によって分泌されるプロスタグランジンというホルモンがあります。このホルモンには催眠作用と抗ガン作用があることが日本の医学者により確認されています。不眠症で夜寝付けない患者さんが、鍼を打って10分もしないうちに寝入ってしまうことはよくあります。そうして寝る行動を再認識することで徐々に不眠症が改善していきます。

皮膚は実は学習機能にも関与しています。鍼灸治療や指圧が皮膚を賢くし、ひいては頭脳までも賢くすることもある、と夢想するのも悪くありません。小児鍼で著明な鍼灸師が言うには、小児鍼を打つと学習能力が飛躍的に向上し30点だったテストが100点満点になったりするそうです。

自前のクスリ箱というかクスリ箪笥である皮膚。
「引き出し」を開けないなんて実にもったいない。

2012.01.16 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 皮膚革命

02健康というより養生

そもそも健康なる語が使われ出したのは明治初期に入ってからであります。内務省の初代衛生局長である長与専斎は健康という語があまりに率直で面白くないと考え、中国古典『荘子』の文中より「衛生」とい う語を見つけ、それを厚生省の前身である「衛生局」の名前に持ってきたそうです。

明治初期には江戸期からなじんだ言葉である「養生」という言葉も依然として使われておりました。私にはこの「養生」という概念のほうがしっくりきます。「生を養う」、つまり、「命を育てる」という感じが自分の治療している感覚とマッチしていてとても心地いいのです。患者さんの身体の堅い部分をもみほぐし、鍼をし、灸をする、その流れがいかにも身体を愛おしみ、命を育んでいる気がするのです。

今はあまり一般的ではないですが、江戸時代に盛んに読まれたベストセラーである貝原益軒の「養生訓」。ここには、あまりに有名な一節が書かれております。「医は仁術なり。仁愛の心をもととし、人を救うをもって志とすべし。・・・」人口に膾炙したこの「医は仁術」という言葉。今もって古さを感じません。

そして益軒翁はこの書の中で懇切丁寧に「養生」の秘訣を、大切さを語ります。自分も初道の頃に暗唱した箇所があります。要点を言いますと、我が身を惜しみ慈しみ決して粗末に扱うな、というメッセージです。昨今の現代生活はあまりに我が身を酷使し過ぎていないでしょうか。身体の悲鳴があちこちから聞こえてきます。

「養生」とは「我が身に手をかけて身体と対話すること」と私は考えます。

2012.01.15 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

01健康は青い小鳥?

求めれど求めれどなぜか手に入らないのが健康のような気がしませんか?それはなぜでしょうか。書店に入ればナニナニ健康法なるタイトルの本はいっぱいあり、メディアでは連日、これが身体にイイ、の情報が満載です。そうして健康法を行脚してもなかなか健康になった確証が得られない。これはひとえに、健康の定義が確立していない事に起因すると思います。

「病気や不快な症状も含めて身心のすべてのプロセスを健康という」と言ったら驚くでしょうか。英語の健康という単語Healthの語源は全体や一なるものを表す古英語halにあります。つまり健康とは、一部分を表すのではなく全部を表すということ。ギリシャ医学の父であるヒポクラテスは「症状こそが治癒過程」であると喝破しております。

「青い小鳥」の理由がもうおわかりでしょうか。健康というものはあってなきが如し。あなたの身心の状態そのものが健康であるのです。いな、健康など気にしなくていいのです。一休さんの心境ですね(笑)「気にしない、気にしない、一休み、一休み」健康を求めるのではなく身体の状態を把握すること。身体といっぱい対話すること。ここがポイントです。

対話の秘訣はなんと言っても皮膚にあります。近年、皮膚の持つ情報デバイスとしての潜在力に新たな光が当たっています。皮膚は大脳が有する一連のホルモンを分泌し、圧力や温度、光、phなどの各種センサーを持ち、学習や記憶に関する受容体も見つかっています。皮膚を治療のうえでアクセスポイントとする東洋医学。

では、皆様と共に「青い小鳥」を探す旅にでかけます。

2012.01.15 | | コメント(5) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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